各国の登録制度

イギリスの身分登録

イギリスの身分登録制度の特徴は、

①出生、婚姻、死亡という三つの事項毎に登録され、
各登録簿間には、連絡がついていない。

②中央登録制度とって、イングランド、ウェールズ
で
行われた身分登録が、ロンドンのキングスウエイ
にある
中央登録署に集中される(スコットランドと
アイルランド
はまた別の制度になっている)

③イギリス人であろうと外国人であろうと、全て、
この一本の身分登録のシステムにのる—―外国人
だからと、
自国の制度から排除しない(日本では
日本人のみ戸籍に
登録し、外国人の身分登録に
ついては、戸籍登録から排除し、
出生、婚姻、
死亡などそれぞれの届け書をただ綴って置く
だけ
という明確な差別が、外国人にたいして行われている)

④欧米の身分登録制度に共通するが、本人出頭主義
であり、
身分登録官のところに行って登録し、
登録簿に署名する
(日本では郵送でも代理でも
ただ届出れば成立する)

身分登録制度の機構
中央登録署(ゼネラル・レジスタ—・オフィス)
国の役所で、ここで働いている人は、国家公務員である
イングランドとウエールズ全体の
身分登録をまとめて登録する
登録官に対する登録業務の指示とか監督、
登録官
のトレーニングなどの仕事も行っている。
登録官に対する解任権は、登録総監が持つ。
地方登録所(ディストリクト イングランドと
ウエールズ全体で440の地方に分ける)
地方当局(地方議会の議長が行政機関の長であり、
ほぼ完全な地方自治を実施している)によって
任命された監督登録官(スーパーインデント・
レジストラー)が置かれている。
監督登録官の任務は、その管内の婚姻届で及び
婚姻の
儀式を認証することであり、その所管
地区内で作成
された出生、死亡、婚姻の登録簿
の証明書を
作成公布する権限を持ち、
登録簿を保管する。
サブ・ディストリクト(700以上ある)
登録官(レジストラー)が置かれており、
出生、
死亡の登録を取り扱う。

出生登録
医師(出生届出)
  ↓
社会保険事務所
  ↓
登録事務所(登録)(1ヶ月毎に届書の写しを送付)
↑
*届出義務者

☆ 全出生数の99パーセントが医師による届出がなされている
☆
これを基にして、出生未登録者に対して、
1ヶ月後に
警告を発し、6週間後には
命令書を発する。
子の親は、出生後6週間以内に登録手続き
をとらないと、
罰金に処せられる。
出生登録義務を有する者
(1953年出生および死亡登録法第1条)
① 嫡出子については母または父、
② 非嫡出子については母、もし父が同時する場合は父母で
 原則として、自ら出頭して登録手続きをとる義務がある。
③ 子の生まれた家の居住者

④ 当該出生に立ち会った者、
⑤ 子の監護にあたるべき者も
出生の通知をする資格を有する。
☆ 報告義務者のうちの誰かが、情報を報告し、
 登録簿に署名すればそのことにより
他の報告者の義務は消滅する

出生の再登録のための規定
(1976年嫡出法、1987年家族法)
☆ 両親の事後の婚姻で嫡出となったときは、
出生の再登録のために両親の婚姻の日から
3ヶ月以内に、両親は登録総監に
届けなければならい。
☆ 子どもの出生の時点で両親が互いと婚姻登録
していなかった子どもの出生登録に、父親の
名前が
記録されていない場合における
再登録の規定も存在する。

出生登録において、子どもの父親
として登録官が
記載できる場合
①母親と、自分がその子どもの父親だと陳述する
人物からの共同しての要求があった場合
(この場合にはその人物は、母親と一緒に
登録簿に署名しなければならない)
②母親から要求があった場合で、かつ彼女が
その人物が父親だと宣言し、かつその人物が、
自分が父親だと陳述する法廷宣言書を
彼が提出いた場合。
③その人物から要求があった場合で、かつ、
彼が父親
だと陳述する母親の法廷宣言書を
彼が提出した場合。
④母親がその人物から要求があった場合で、
かつ、
彼らの締結したその子どもに関する
親の責任の
合意書の写しおよび陳述書が
提出された場合。
⑤他に、母親かその人物から要求があった場合
でかつ、その子どもに対する親の責任を課する
旨の命令書又はその子のための何らかの
財政上の支出を義務づける旨の命令書の
写しなどを提出した場合等。
☆③以降の項目に該当する場合には、
自分を父親だと
陳述する人物は、
報告義務者として扱われることになる
子の命名
父母の協議により決められるが、
その意見が
一致しないときは、名欄を空白に
しておき、
洗礼後にその名を記載する。

婚姻登録
☆教会婚の民事婚に大別される
☆
婚姻予告手続きをまず、とらなければならない
(教会婚——挙式前に、日曜日毎に連続して
      3回公表されなければならない)
(民事婚——その直前7日間居住していた地区
       の監督登録官にその旨届出る。
       届出た登録事務所で21日間公示され、
       当該婚姻に対する障害を知っている
       者は、その間に、監督登録官に

*       通報すべき旨催告される)
予告期間終了後、婚姻してよい旨の
証明書を
監督登録官は交付する
☆民事婚——登録事務所又は公認の事務所で、

*      監督登録官による儀式を行った上で
     (18歳以上の者2名の立ち会いが必要)、
      予め必要事項を記入して用意された

*      婚姻登録簿に署名し・登録官が署名
      して婚姻成立する。

死亡登録
☆死亡した者の最後の病気の診察に立ち
*会った医師
による死亡証明書を提出して、
死亡の届出を行う。
(5日以内)
☆本人出頭主義
☆死亡登録終了後、登録官は死体埋葬の許可証の
性質を有する死亡登録証明書を発行する。
火葬は、火葬場の医療検査官の
許可を受けなければならない。
死亡登録義務を有する者
(1953年出生および死亡登録法第1条)
①死亡者の親族、
②死亡に立ち会った者、
③家屋の居住者・同居人など

ショートブレッド(ウォーカー)

 

結び
身分登録と住民登録のつながりとその流れについて、
ブリティッシュ図書館に行ったり、イギリス国籍の
人に
聞いてみたりといろいろ調べてわかったことは、
住民登録の制度が、イギリスにはないということで
あった。
イギリスには住民登録がない!
“ゆりかごから墓場まで”と
紹介されていた
ほどの福祉の発達した国で、住民登録がなくて
どうやってその制度が成り立っているのか、
驚きであった。
貧困な福祉の国で、戸籍と住民登録で日々住民管理
され、
住民登録ぐらいはあってもしょうがないか
と思っていた
存在からは、じゃあ、学校は?
選挙は? との
疑問が次々に浮かんでしまった。
これらの疑問を解く鍵は、個人主義と
Neede-Based
(ニーズベースド)ー必要に応じて
提供するという
社会保障の原則にあった。
選挙登録は権利を行使したいときは自分で登録し、
学校も生きたいと思う所を自分で選び申し込み、
面接後決定されるなど、自分で行動を起こさない
限り、
なにもはじまらないというシステムに
なっているようだ。
個人主義で貫かれた制度と社会の仕組みのなかで
培われた意識、思考があり、これらが管理強化
への反対となって現われる。
過去IDカード導入反対運動がおき、
IDカード導入を断念させる。
身分登録はイギリス人だろうと外国人だろうと
区別のない
システムになっていて、外国人を
排除していなかったが、
病気治療についても、
外国人も無料で病院で治療を
受けられるのである、
等々。
これらは、1年前にイギリスから日本へきた留学生
に
教えを請うた話で、文献で確かめていないが、
どうやら日本とは違う、なんだかイギリスは
面白そうだ、
これkらはイギリスの制度などに
ついてよく学び、
イギリスを注意深く見ていこう
と思うようになった。

参考文献
大森正輔「身分登録制度見聞記(一)ロンドン」
(戸籍410号)
稲葉威雄「ヨーロッパにおける身分登録制度
について
—イギリスを中心として」(戸籍364号)
ブリティッシュ
・カウンシルでの資料CANS(159)
ー出生と死亡の登録より

 

 

 

 

 

 

アメリカの身分登録制度
               棚村政行

国家の身分登録制度の成り立ちの中には、国家権力が徴兵や
徴税等の行政目的のために国民、住民を正確に把握し、
コントロールする手段として作用してきたという重要な要素
があることを見逃せません。
アメリカでの身分登録制度の歴史的形成については、
あまり多く触れることができませんが、ここでは、まず、
アメリカにおける婚姻手続きと婚姻登録、離婚手続きと離婚
と登録、出生・死亡登録と出生・死亡証明の現状と実務を概観し、
ついて、アメリカの身分登録制度の編成原理、身分登録制の
社会的機能、身分登録制度の利用とプライバシーの保護、
身分登録と人口動態統計との関係、個人情報のコンピューター化
などの順で若干の検討をしてみたいと思います。
なお、ここでの紹介は、主としてカリフォーニア州ロサンゼルス
郡やニューヨーク州の身分登録制度の実情を参考にしています。

1 婚姻手続きと婚姻登録
アメリカでは、婚姻の手続的要件として婚姻許可状(marriage
license)の発行をえて適式に挙式(solemnization)することが
要求されています。
カリフォーニア州では、郡書記(county slerk)から5ドルの
費用で婚姻許可状を得て、90日以内に宗教婚または民事婚の
挙式をしないと婚姻許可状は効力を失います。
郡書記は各婚姻許可状に番号を付し、その一覧表を郡記録官
(the county recoder)に送付します。
挙式者は当事者に許可状の受付を求め、挙式後、挙式の年月日、
職名、氏名を記載して婚姻登録所に返送しています。
つまり、婚姻の手続及び登録は、許可状の申請・発行→挙式→
挙式者からの挙式報告書の返送→婚姻登録簿へのファイル、
という順序で完了することになっています。

メリカでは、婚姻・出生・死亡に関する記録は、その州の人口
動態統計局か郡の婚姻・出生・死亡登録所で保管されています。
したがって、婚姻証明書(marriage certificate)は、婚姻締結の
年月日、花嫁花婿の氏名、婚隠許可状の発行された役所の
所在地を記録した申請書に、請求者の氏名住所を書いて手数料
を支払うことにより入手できるようになっています。
カリフォーニア州では、郡の登録所で13ドルの手数料を
支払えば婚姻証明書の謄本または抄本を発行してくれます。

2 離婚手続と離婚登録
アメリカでは婚姻は重大な事項であり、全て裁判所の
判決によらなければなりません。
しかし、アメリカの離婚件数は年間115万から120万件
にも達し、かつ離婚事件の約85〜90パーセントは当事者間
に争いがないため、裁判所の事件負担の軽減、当事者の便宜を
考慮して、裁判所に出頭しなくとも当事者の共同の申立てで
事件処理をはかれる簡易離婚手続きが導入されつつあります。
カリフォーニア州では、1978年から、短期間で子どもや
財産の殆どない婚姻を簡便かつ低廉に解消できるように簡易
離婚手続き(summari dissolution procedure)が設けられました。

カリフォーニア州では、1977年に衛生安全法(Health and
Safety Code)で、郡書記(county clerk)は、毎月、離婚
(dissolution of marriage),婚姻の無効取消、法律上の別居
(legal separation)の訴訟の終局判決の写しを州登録官
(state registar)に送付しなければならないとされています。
州の登録官はすべての受理した判決の包括的継続的索引
(インデックス)を維持しなければなりません。

また、アメリカでは、婚姻はすべて判決によるため、
離婚判決は郡の裁判所に記録保管されています。
離婚判決の記録は判決が言い渡された裁判所の書記官により
期間ごとに、事件番号が付されて収蔵されており、したがって、
事件番号、当事者名などで判決を検索し誰でも閲覧し、
離婚証明書を求めることができます。

アメリカにおける出生・死亡登録
1 出生登録と出生証明
アメリカは、生地主義を採用しているため、アメリカに生まれ
たものはすべて生来のアメリカ国民となります。
出生登録はアメリカの国民登録といってよく、各州ごとに
異なっています。
例えば、ニューヨーク州では出生後5日以内に子の出生の
登録をしなければならず、ニューヨーク市では2日以内と
されています。
出生登録については、州の保健衛生局で監督保管がされて
いますが、出生登録証明書は原則として父母または後見人、
本人にしか発行されません。
出生登録の義務者は、子が出生した病院の医師や看護婦・
助産婦(nurse-midwives)であり、子の氏名、出生場所、
父母の氏名、出生地、生年月日、担当医師の氏名、医師
免許番号、公衆衛生のための秘密情報として父母の人種、
職業、教育、医療情報として妊娠期間、分娩の方法等の
証明書を作成し、州登録官に提出することが義務づけられ
ています。
ニューヨーク州では、子どもが嫡出子が非嫡出子がどうか、
また母親の婚姻上の地位、父親の氏名などは(同意がない
限り)出生証明書に記録してはならないことになっています。

カリフォーニア州でも、各登録事務所の地方登録官に10日
以内に出生登録をしなければなりません。
カリフォーニア州では、出生証明書(birth certificate)の写しを
請求した者は、58箇所ある最寄りの郡の登録官・郡書記事務所
(Registrar Recorder/County Clerk Office)に出向くか、郵送で出生
記録の申請をすれば、出生証明書を発行してもらうことができます。
ニューヨーク州では、州の公衆衛生局人口動態記録部、
ニューヨーク市では、人口動態記録局で15ドルの手数料を
支払って同様に出生証明書が取得できます。
出
生証明書は、婚姻やパスポートの取得、社会保障の登録、就職、
入学、生命保険への加入など各種手続きで必要とされており、
原則的に父母や本人などしか入手で来ません。

2 死亡登録と死亡証明
死亡についても、アメリカでは遺体(human remains)を処分する
前に、一定の期間内に登録官への死亡登録(death registration)
を義務づけています。
カリフォーニア州では8日以内に死亡登録
をしなければならないとし,登録義務者は、葬儀責任者
(the funeral derector)または手当をした医師(the physician in
attendance),検死官(coroner)となっています。

カリフォーニア州では、死亡記録の証明書を申請するには、
郡の登録事務所に行って申請書に請求者の氏名住所、死亡の
年月日、死者の氏名、死亡した場所を記載した申請書と費用
9ドルを支払えば、死亡証明書の謄本を発行してくれます。
死亡記録の謄本は、登録証明がある限り、司法行政上だけで
なく、各種申請手続きにおいても一応の死亡事実を証明する
証拠とされます。
死亡証明書は、年金、遺族給付、損害賠償、
生命保険金、遺産管理や相続に関する手続きにおいて必要と
されており、ニューヨーク州でも、出生証明書と同様、衛生局
の人口動態統計部で15ドルの手数料を支払って死亡証明書が
取得できます。

アメリカにおける身分登録制度とプライバシーの保護
1 人口動態統計と身分登録との関係
アメリカでは、身分登録はもともと教会が出生簿、洗礼簿、
婚姻簿、埋葬簿として記録の保管をしてきましたが、19世紀
後半から20世紀初頭にかけて人口動態統計(census)の目的
で州が行政的登録や管理をはじめました。
もっとも古いのが、ボストン市で1639年以降の記録を保存し、
ニューオリンズの市保健局は1790年以降の出生記録を保管し、
全米的にも古いといわれています。
カリフォーニア州では、1905年に人口動態統計課(Bureau
of  Vital Statistics)が設けられ、その時以来全州的な出生、死亡、
婚姻の登録報告システムが採用されました。
現在では、カリフォーニア州での人口動態登録は、衛生安全法
(Health and Safety Code)により規制され、州の保険局が人口
動態統計登録を司り、永久的に記録と索引の保管をしています。

2 国勢調査とプライバシーの侵害
1787年に開催された憲法制定会議では、連邦の権限を
認めるバージニア案が優位にたって憲法を起草することになり
ましたが、そこで、議員定数配分の調製のために定期的な人口
動態統計調査、国勢調査(census)が提案され、連邦憲法に
挿入されることになりました。
合衆国憲法1条2節の国勢調査の条項は、代表民主制の実現、
税の徴収、人口調査等のためのものとして当然のこととして承
認されました。
しかし、人口動態統計調査は人々の条件、人種、職業、学歴、
収入、宗派、心身の障害等どんどん拡大され、1980年には、
調査項目は68項目、20頁にも及び、政府の社会経済計画
のため国民から集められた広範囲なデータがナショナルデータ
・バンク(a national data bank),刻印総背番号制につながら
ないか、人口動態統計のための調査が国民のプライバシーを
侵害しないかという批判も強くなってきています。

3 登録制度の利用とプライバシーの保護
婚姻や離婚に関する記録は、一般的には裁判その他の正当な
目的(preper purpose)で必要な場合には、一般の閲覧
(public inspection)に供される公的記録です。
ニューヨーク州では、書記は閲覧を求める目的を明らかに
しないものに婚姻記録を閲覧させる必要なないとされています。
また、最近、アラバマ州で全州的な人口動態統計や記録の
登録制度が改められ、登録、記載の訂正、開示に関する規定
が整備されました。
州の人口動態統計局は、記録を登録者本人、その直接の家族、
後見人、代理人に開示することができ、それ以外の者は自己
の身分的権利や財産的権利の決定や保護の必要性を証明するか、
正当な調査のためにのみ許されると厳しく制限をしています。

おわりに
1 家族関係の公示と身分登録制度
婚姻・離婚・出生・死亡など人の家族関係・身分関係を公の
帳簿に記録し、それを公証する制度を身分登録というとすれば、
アメリカにおいても、自分自身の存在を証明したり個人を特定
するとか、近親婚、重婚を防止するとか、出生・死亡の年月日
や事実を証明するなど個人の身分関係を公証する手段の必要性
は存在しているということができます。
しかし、わが国の戸籍制度のような人の出生から死亡までの
身分的変動を一覧できる、夫婦・親子の親族集団を単位とした
身分登録簿というようなものは編成されていません。
あくまでも人の出生・婚姻・死亡等の事件別に登録簿が調製され
、個人単位に、かつ事件の発生順に登録がされ、登録事項は
原則的に独立しています。
アメリカでは、出生・死亡・婚姻・離婚などの事実登録、成立
登録であって、わが国の戸籍のような関係登録ではありません。

2 味分登録制度の編成原理
アメリカの身分登録の編成原理は、基本的に人の出生・婚姻・
離婚・死亡等事件ごとに別々に登録する事件別編成で、しかも、
発生地ごとに国民からの申請書をファイルする編成登録のため、
身分事項相互や家族間での連結一覧性もありません。
したがって、登録の保存や内容を知っている者だけが証明手段
として利用できるに過ぎません。
わが国の戸籍が家族単位の身分情報の集中管理のシステムと
すれば、アメリカでの身分登録は事件ごとの個人単位の身分
情報の分散管理のシステムといってもよいでしょう。
もっとも、最近では、州登録官、人口動態統計局公衆衛生局
などで一括登録するシステムをもつところも、徐々に出はじ
めているようです。

3 身分登録制度の社会的機能
アメリカでは、国家の備える身分登録制度の個人の識別特定
機能、国籍の登録証明機能、家族関係の公示、公証機能など
の証明機能、人口動態統計の基礎としての統計機能のほかに、
家族関係や相続人の追跡機能(家系を辿る系譜的機能),
家族秩序の組織・形成機能などは問題になりません。
わが国の戸籍が、家制度のもとに戸主を筆頭者として、
家族の序列や続柄を記載してきたのは、家族構成員間の
序列や身分的上下関係を示す機能をもってきたことを
否定することはできません。
アメリカでの身分登録は、家族秩序の形成機能をもって
きませんでした。
また、家族関係の公示機能・適法正確認機能も事件ごとの
編成登録システムで人的編成でないため、重婚や近親婚の
発生を防止できず、その点ではきわめて不十分といわれ
ています。

また、アメリカでも、人口の移動や流動性が高くなり、出生
証明書や各種身分証明書が偽造されるなど全米的規模での正確
な個人の特定識別機能、アイデンティティー確認機能をはたす
登録制度が必要とされるようになってきました。
現在、アメリカでの全米的な事実上の個人識別制度は社会保
障番号(social security number)だといわれ、雇用関係に限らず、
租税、自動車運転免許証、自動車登録、公的扶助、失業保険、
クレジット・カードの使用等さまざまな時に利用され、身元
証明としての実質的機能を果たしています。

4 身分登録制度の利用とプライバシーの保護
アメリカでは、第三者が勝手に他人の出生登録、婚姻登録、
死亡証明を興味本位に検索閲覧することは許されず、正当な
理由がなければ利用できない仕組みになっています。
とくに、養子の従前の出生証明書は、記録裁判所の命令を得な
ければ本人といえども閲覧できず、公開されている記録でも
プライバシーの保護の観点から一定の利害関係人が不当な目的
での調査や探索でないことの宣誓供述書に穂名して初めて、
閲覧したり謄本の請求が認められるという扱いのところが
多くなっています。
したがって、アメリカの身分登録制度では、個人のプライバシー
保護の視点が強調されているといえます。

しかし、アメリカでも、社会保障、医療保険唐の行政サイド
での個人情報のコンピュータ化が著しくすすんでおり、
1974年の連邦プライバシー法(Federal Pravacy Act),
1984年のデータ保護法(Date Protection Act)により、
行政の把握する大量の個人情報の利用制度が図られています。
連邦政府の商務省人口動態統計局は、国勢調査という観点から
一定情報をかなりの範囲で収集していますが、出生・死亡・
婚姻証明書は、州の中央人口動態記録所または郡登録所で
永久に保存され、連邦政府は記録を保管していません。
したがって、アメリカでは登録されている個人や家族に
関する情報は相互にアクセスしたり連結されたり、一元化
されることはないといえます。
わが国でも、戸籍事務処理のコンピュータ化が進められる
ことになりましたが、このことは一部事項証明書を原則と
する形で個人対登録制度の実現にも途を開いてくれるよう
に思います。
しかし、わが国では戸籍事務、住民基本台帳事務、人口動態
調査事務が戸籍関連事務とされ、家族単位の人的編成による
一括集中の登録システムであるだけに、戸籍情報の管理・
利用について、個人のプライバシー保護のための議論が
アメリカ以上に徹底してなされる必要があるでしょう。

 

 

 

 

ダーラへスト(スウェーデン大使館 六本木)

 

スウェーデンの居住者登録 「Voice」より

スウェーデンの居住登録は税務所で行われているからと、
ストックホルムの税務所を紹介されました。
居住者登録を
税務所で、との驚きを抱きつつ、事前に質問事項を英文で
現地に送り、訪問日を約して出発しました。

当日3人の職員(現場責任者、樹つむ担当者、そして法律責任者)
から説明を受け、その後会議室から執務室に移り、病院から
送られてきた出生などのデータをコンビューターに実際に入力
してみせ、まだどういう内容が登録されているかなども画面に
出して説明してもらいました。
その実務担当者の部屋は個室で、自分の子どもたちの写真が
飾ってあり、8畳ほどのわりと広い部屋でした。
最初、みなどんな服装をしているのかなと興味津々でしたが、
日本では考えられないほどに、とてもラフな、普段着でした。
法律責任者の男性は、ひざがでたズボンをはき、スボンの線
など消えていました。
紺のスーツやブレザーに身をつつんだ私たち4人は、一応は、
と着た自分たちの服装が恥ずかしくなるほどでした。

当日は中央税制委員会作成の「スウェーデンの居住者登録」
というパンフレットを下に説明を受けました。
このパンフレットは88年に作成されたもので、87年10月
の居住者登録制度の機構改革により,91年以降廃止された
スウェーデン国教会の教区事務所での居住登録を前提に
書かれていました。
このパンフレットの翻訳は終わり、あとはワープロで入力し
掲載するだけとなっていましたが、地区税務所での居住登録
の制度に改められたパンフレットが昨年発行され、今年に
なって入手できましたので、この二つを合わせたもの
(88年の方がくわしい場合もあるので)を一部構成を
変えて紹介します。(田中)

 

スウェーデン大使館(六本木)でいただいたピン

 

 
1 居住者登録制度について      (翻訳 滝口庄次郎)
居住者登録の組織と任務
スウェーデン居住者登録とは、権限ある居住者登録官庁による
全ての個人各々についての重要な基礎情報の収集、修正の
システムである。
この官庁は、基礎的な属人的データ、たとえば名前、生年月日、
出生地、出生時の国籍、婚姻上の地位、及び居住の場所の両方
を(現にスウェーデンに居住している人及びかつて居住した
ことのある人について)登録する。
登録とは継続的なプロセスである。
いいかえれば、名前屋住所など登録される情報項目変更が
あれば、それは可能な限り速やかに登録されなければ
ならないということである。

これらの登録簿は、個人の住所、名前その他の基礎的な
事項について、可能が限り最新の情報を供与できるもので
なければならない。
このことがなぜ重要であるかといえば、居住者登録は
スウェーデン社会の他部門の官庁で基礎として用いられ、
また、私企業部門でも広範に用いられるからである。
居住者登録からたとえば教育官庁は学齢に達する子どもの情報
を得るし、軍の官庁は軍務年齢に達する人々の情報を得る。

居住者登録の市民個人によっての重要さ
居住者登録は、スウェーデン社会におけるその個人の権利と
義務にとって大きな重要性を持っている。
人がその氏名や婚姻関係を証明することが必要となる機会は
多いが、それは居住者登録簿の抄本によって行われる。
スウェーデンの居住者登録は、たとえば児童手当や健康保険の
資格のための前提条件である。
さらには、税金をどこにどれだ
けの額を支払い得る(payable)かは、部分的にはその人がどこ
に登録しているかにかかっている。
登録された情報の正確さは、
したがって個人にとっても公共のシステムにとっても際立って
重要であり、情報の収集と加工にあたって不正確な情報源を
排斥するための方策に大きな注意が払われてきた。

個人の登録を支援する原則
スウェーデン居住者登録の一つの原則は、その個人が登録すべき
情報を官庁に通知する必要を可能な限り少なくすることである。
従って居住者登録官庁は大抵の場合、他の公共的期間から直接に
情報を受取る。
たとえば、病院や助産婦は出生のことを居住者
登録官庁に通知するし、結婚式の公的執行者はその正式婚を
通知するし、また裁判所は養子縁組みや離婚その他の情報を
提供する。
新しい住所に関する情報は、当該者から住所を永久的に変更
したことの届出を受けた郵便局から通知される。

市民個人の諸官庁との連絡は、個人が一つの官庁すなわち居住者
登録官庁以外の他の官庁に、個人の事項の変更の通知をする必要
がないことによっても支援されている。
居住者登録官庁は変更された情報を他の関係官庁に通知する。
たとえば税務官庁や教育官庁や社会保険事務所などにである。

居住者登録における電算情報処理(ADF)システム
ADF技術は1966年に居住者登録の分野に応用され始めた。
1980年にはシステムのハードウエアの構成が一新されたが、
システムの基本的な設計は本質的に全ての点で変更されなかった。

初めは電算化された居住者システムからの情報は、主として同じ
時期に設計された課税、微税のADFシステムのために用いられた。
しかしながら、個人識別番号が企画のそろった独特な個人識別
の方法として公共の行政と私企業の両方において盛んに使用
されるようになるに従って、居住者登録のデータの使用者の数
は年とともに増大していった。

今日では、居住者登録簿はその成員に直接関わる社会のほとんど
の活動、たとえば課税、社会保険、防衛、統計分析などを構成
する要素となっている。

アクセス権の原則とデータ法
スウェーデン市民は官庁に提出されたり又は官庁により作成
された全ての文書に接近する憲法上の権利を獲得した。
アクセス権の原則が憲法の中に据えられたのは、官庁のその
公的業務の執行に市民がコントロールを加えることができる
ようにするためである。

このことから全ての公共の登録簿は、特別の秘密保護法で別途
定められている場合を除き、誰でも開示を受け精査できるよう
になる。
かくして居住者登録簿は原則として全人に対し開かれており、
一方、患者記録のような医療記録簿は厳格に部外秘とされている。

1973年に特別の法が成立したが、これはADFを基礎として
記録簿の個人情報の利用を規制するためのものである。
個人情報を含んだ記録簿類を作制するための免許がデータ調査
委員会により発行される。
この免許は原則として国の記録簿にとっても私的な記録簿に
とっても義務的である。
データ調査委員会はまたこれらの
記録簿の使用方法をも監督する。

歴史
スウェーデンは約300年前から高度に組織された居住者登録
を持っている。
1686年の教会法で初めて聖職者に教区民の
継続的な記録を保管することが義務づけられた。
この時より遠い昔から聖職者は洗礼、婚姻、埋葬の記録を
作っていた。

戸別の調査も行われ、家族と使用人のリストも作られた。
世俗の官庁も次第に教会の登録簿の情報を、たとえば納税
義務者を登録する基礎として利用するようになっていった。
1946年に居住者登録は国家のかかわるものとなったが、
しかしスウェーデン国教会は依然として基礎的な地区居住
登録簿を保管する義務を負い、この点で教区事務所は地区
登録事務所として働いてきた。

1991年7月1日に居住者登録の責任は、スウェーデン国教
会の地区事務所から税制当局に移管された。

税制当局における居住者登録
日々の居住者登録の全ては税制当局によって地区レベルの
それぞれの税務事務所(tax office)において取り扱われる。

税務事務所が収集する情報事情のほとんどは他の官庁から
受取ったものである。
少数の場合においてのみ、個人が情報を提出することが必要と
される。
通常はそういう必要が生ずるのは、新生児の氏名やある場合に
おける氏名の変更、国内への又は国外への移住に関わることである。

居住者登録は原則として以下のような手順をとる
居住者登録を
行うべき事件の情報が地区税務事務所に送付される
↓
情報を収受し、
登録番号を割り当てる
↓
その事項が居住者登録簿に登録できるか
どうかが決定される
↓
その事項を登録する

ADF居住者登録簿の内容
○ 個人識別番号
○ 名前
○ 通常使用するファースト・ネーム
○ 住所
○ 県、自治体、教区、不動産の情報
○ 婚姻の有無、その日付
○ 婚姻上の地位を修正した日付
○ 両親、子ども、配偶者の氏名、個人識別番号
○ 出生した場所
○ 市民権
○ スウェーデン国教会の信徒資格
○ 現行及び以前の住所登録事項 諸官庁への通知の表示
○ 武器登録(警察へ)
○ 海員登録(中央海運局へ)
○ 不動産登録(中央不動産情報委員会へ)
○ 自動車登録、運転免許登録(中央交通安全局へ)
○ 雇用者登録(中央税務委員会へ)
民間防災コード
軍務コード
諸表示
○ ダイレクトメール宣伝の禁止の表示
○ 秘密保持のための個人情報配布を禁止する表示

 

「The Swedish Embassy has the answer」と書いてあります

 

 

2 居住者登録の規模
毎年居住者登録簿から約220万通の登録簿抄本が発行され、
約240万件の事例が処理されているが、それらの半数近くが
住所の変更に関わるものである。

これらの事例について、居住者登録データの様々のユーザに、
主として磁気テープの形で送付される。
このシステムは年毎に約350万件の登録簿の修正を行い、
スウェーデン居住者住所登録簿(SPAR)からは、それらの修正
について約2億件の報告がユーザに対し発せられている。

氏名  婚姻  移転
210,000件   41,000件   925,000件
出生  離婚  死亡
128,000件   32,000件      90,000件
合計
2,400,000件
↓
地区税務事務所
3,500,000件の記録
↓
EDPシステム
SPAR
他の官庁    200,000,000件
↓
銀行、保険会社など

中央税制委員会の任務
国会
|
税務省
中央税制委員会
県税務局(24)県強制執行局(24)
地区税務事務所(131)
地区強制執行事務所(57)

中央税制委員会の任務は、税務事務所で行われる居住者登録の
ための仕事が適切かつ正確に行われ、そしてセンサスの基礎情報
に対する社会の需要を満たすことを保障することである。
この委員会の責任は居住者登録に関わる、行政面、実務面両方の
課題に及ぶ。

中央税制委員会は、業務が効率的にかつ正確に行われていること
を確かめるために、税務事務所の事例の取扱い方を追跡し、
品質管理を行うべきであるとされる。
中央税制委員会の主要な任務はEDFシステムや公文書書式の開発
や改良のための提案を提起し、処理し、それらに優先順位を
つけることである。

この委員会は、また居住者登録のより具体的な問題や、今使用
しているEDFシステムに関して、税務事務所に対し情報や助言を
供与する責任を負う。
居住者登録の現場には、行政的問題と法律的問題の両方に相談役
がいるが、中央税制委員会はこれらの相談役を通して、
全ての情報、助言などを仲介する。

経費と処理時間
改革前の年間経費             改革後の年間経費
SEK(スウェーデンクローネ)563,000,000   SEK 395,000,000
人件費 96パーセント         人件費 63パーセント
EDF   4パーセント
EDF  25パーセント
改革費 12パーセント

1991年に新しいEDFシステムに移行したが、その結果として
かなりの費用が削減された。

人件費は、教会区事務所と税務当局の職員の給与を含んでいる。
教会区事務所のための費用は、1993年の水準で計算し
直してある。
EDP費は新・旧両方の運転と管理の費用を含んでいる。
改革費用は、10年度に分散されている。

1993年には、約SEK12の費用で一通の登録簿抄本を発行
するのに平均して5分間を要した。

1993年には、約SEK50の費用で扱われる仕事を行うのに
平均して20分かかった。

目標は、全ての事例の70パーセントを2日以内に完了できる
ようにすることである。
このことは全体として、1993年末までには達成できる
見込みである。
中央税制委員会は、税務当局のこの目標達成状況を事例統計調査
を行って追跡している。
処理工程での品質管理は無差別抽出法
で行われる。

 
 
居住者登録の工程におけるEDPシステム
経過
EDPテクノロジーは1996年にはじめて居住者登録に使用された。
この時のシステムは1980年に改良を受けた。
それは現在(1993)でも居住者登録システム全体の中で
一つのサブシステムとして、外部ユーザーに情報を配布する
ために使用されている。
1991年に、全く新しいEDPシステムが導入された。

コンピューター化された居住者登録簿から情報を受取ることは
まず、税務システムから始まったから、コンピューター居住者
登録の導入は税行政がより効率的になるということを意味していた。

しかしながらますますたくさんの公共登録簿が、住所や婚姻関係
を現状にあわせる情報の修正を比較的素早く行うようになった。
個人識別番号はもっと使用されて、公共、非公共いずれの登録簿
においても、個人を識別するもっとも普通の方法となった。

居住者登録簿をそこから他の官庁が情報を引き出しうる情報源
とすることは強力な行政手段である。
それは行政コスト削減のための素晴らしい方法であり、また
個人の権利や義務に影響する社会の機構に高い水準の安全性を
与える方法でもある。

 
1991年に自動登録に移行
1991年7月1日以前は、教会区事務所は各人の居住者登録
事項のすべてをいわゆる個人ファイルという形の手作業の登録簿
に記録していた。
個人ファイルというものは、その人の生涯にわたってその人に
付き従い、その人が移転すれば新しい教会国ついていった。
この手作業のファイルからの切り替えのために、1990年の
秋と1991年の春に大量の登録業務が行われた。
約900万枚の個人ファイルのすべてがコピーされた。
次に、そのうちの約600万枚が居住者登録のエクスパートたち
の加工を受けた。
平均350個の符号を含んだ個人ファイルが
作成され、それらは最終的にコンピューターの中に登録された。
残りの個人ファイルは1991年7月1日以降に、居住者登録
の職員により少しずつ登録された。

 
使途
1991年7月1日以前のEDFシステムは手作業工程の中で支援
として限られた範囲のみ使用できるものであって、本来は社会の、
他のユーザーに居住者登録を配布するために使用されていた。

1991年7月1日に導入されたシステムは
○ 事例の処理を、
相互に関連させるように支援する
○ 居住者登録情報の登録と貯蔵
○ 社会の、他のユーザーに対し居住者登録の情報を配布する

この新しいコンピューターシステムは法律的な判断を行う際、
限定された支援を行う。
最終的判断と決定は、その事例を
取り扱う人がそれを行わなければならない。

 
システムの構造
1993年の居住者登録簿システムは以下のように構成されている。
○ 地区登録簿
それぞれの地区税務事務所に一つずつ、合計131個の独立した
登録簿が存在する。
それらの登録簿たちは、県税務局事務所に設置された39基の
ホストコンピューターの上に分散して配置されている。
それぞれの県税務局事務所は少なくとも一つのホスト
コンピューターを所有している。

それぞれの地区税務事務所において事例を取り扱う職員は、
端末機を通してのみ、その自身の地区登録簿に接近できる。

地区居住者登録簿は居住者登録事例の取扱いのためと登録簿
抄本の発行のために使用される。
その税務事務所が管轄する
地区登録されている人々の、居住者登録情報の全て、過去の
ものと現行のものが貯蔵されている。

 
○ 県登録簿
24個の独立した登録簿が存在する。
しかし運転は少数の場所
で行われる。

県登録簿には端末機から接近することはできない。
この、県居住者登録簿は、他のユーザーに居住者登録情報を配布
するために使用される。
その県税務局の管轄する区域に登録
された人の、現行の居住者登録情報のうちのあるものだけが
貯蔵されている。

○ 中央基準登録簿
中央基準登録簿は中央税制委員会に配置されている。
これは、全ての居住者登録職員が端末機による接近ができる
ホストコンピューターに収められている。
基準登録簿は個人識別番号の割当のためと、ある人がどこの地区
税務事務所に登録されているかの情報を供与するために使用される。

スウェーデンで登録されている、又は登録されたことのある
全個人についての、個人識別番号、氏名、地区税務事務所の
情報が貯蔵されている。
この基準登録簿には、未使用と使用済みの両方の個人識別番号
全体の登録簿が入っている。

 
中央税制委員会は居住者登録システムの開発と管理の責任を負う。
その目的のため、中央税制委員会には他に2基のコンピューター
が存在する。

これらの個々の居住者登録簿は相互にいろいろな仕方で連絡
しあい、作用しあうが、それは日中にも、夜間にも、週毎ベース
でも、また一定期間ベースでも行われる。

毎日の連絡は、中央基準登録簿とそれぞれの地区居住者登録簿
のあいだでのみ行われる。
この連絡はオンラインで行われる。
地区登録簿に登録されたこと
に合わせて、即時に現状に合致させる修正が行われる。

夜間の連絡は、別々の地区登録簿のあいだでも、地区登録簿と
中央基準登録簿のあいだでも行われる。
夜間の連絡は全て
ブロック処理の形で行われる。

 
○毎日の連絡
居住者の識別の件は地区居住者登録簿に即時に登録され現状に
合わせて修正される。
登録される情報の妥当性は登録時にチェックを受ける。

急を要する事例に関しては影響を受ける人物への通知も
また行われる。

電話や手紙や本人が来庁しての、登録簿抄本の注文があれば
即時に検索を行う。

必要なときは、ある人の氏名や、その人がどこの地区居住者
登録簿に入っているかを調べるため、中央基準登録簿を手作業
や自動作業により検索する。

出生や国内の移住の登録の場合は、中央基準登録簿などの中の
個人識別番号登録簿の中から、自動的に新しい個人識別番号が
引き出され割り当てられる。
その番号は同時に登録簿から抹消される。
言い換えれば、使用済みとして登録される。

 
○ 夜間の連絡
中央基準登録簿は、前日における地区居住者登録簿上の変更に
より現状に合わせるための修正を受ける。
地区居住者登録簿は、転入者、転出者の情報事項により,
現状に合わせる修正を受ける。

地区居住者登録簿は、他の地区登録簿の上の事件で影響する
件の通知を受ける。


○週毎の連絡

地区と県の居住者登録簿は、週毎のベースでブロック処理を受ける。
ある情報が、地区居住者登録簿上に登録されたときから、それが
情報の提供を受ける者の登録簿の上にあらわれるまでの時間
ーこの週修正のリードタイムは2週間と4週間の間にある。

 
県居住者登録簿は、その前の週に、その県の地区居住者登録簿上
に登録された情報によって、現状に合わせる修正を受ける。

変更の内容は、情報被提供者の異なった必要に応じて分析される。
現状に合わせるための修正の事項は、それぞれの情報被提供者毎
に設定される。
情報被提供者には諸官庁、学校、病院など地区、県レベルの官庁
が含まれ、また中央官庁ースウェーデン統計局や他の税務官庁
システムも含まれる

中央の情報被提供者のための、現状に合わせるための修正を要す
る情報項目は、クリアリングシステムを運転しているHarnosand
の税務局に直ちに送付される。
全ての件税務局から収集された
情報項目は、ここのクリアリングシステムで情報被提供者に
応じて分類仕分けが行われる。

 
○定期連絡
地区居住者登録簿はブロック処理の形で相互に連絡する。
○税務局の県不動産課税登録簿
中央海運局、中央兵役当局と
月に1回又は2回
○郵便局とは毎年
人がどの地区で登録されて
いるかは、中央基準登録簿で調べられる。

不動産一覧表や地区居住者登録簿は、不動産の新規取得、分割、
抹消など、現状にあわせる修正が行われる。

関係者の居住者登録簿上の、郵便番号、郵便区画、市街住所表示
も新しく変更された現状にあわせて修正される。

関係する人の郵便住所も変更される。
中央海運局は全ての海員の登録簿を作成している。
この登録簿
から新しく加わった海員、削除される海員のことが現居住者
登録簿に通知される。

中央兵役当局は、全防衛システムに含まれる人の情報の登録簿
を作成している。
それらの人々は県居住者登録簿の中で、あるコードが割り当て
られているが、そのコードの変更のことが通知される。

 
居住者登録の工程におけるEDPシステム
情報提供者
居住者登録簿からの情報の提供を受けることができるものは、
スウェーデン居住者住所登録法(1981、4)第8節によって
法的な規制を受けている。

居住者登録のためのEDPシステム
SPAR企業、団体(銀行、保険会社)
中央兵役局
スウェーデン統計局
スウェーデン国教会
中央道路交通局
自治体当局など
中央不動産データ委員会
郵便局新郵便コード
国家警察委員会
中央社会保障委員会
民間防災
救援委員会
スウェーデン移人委員会
中央海運局
税登録

 
基本原則の1つは、その利用者は、その特有の活動分野において
必要とされる人物の必要とされる情報のみの通知を受けることが
できるということである。

関係するのは次のような者である。
税務局
中央税制委員会には中央税登録簿が存在して、それには
スウェーデンで登録されているすべての人の氏名が登録されている。
全ての税務局は、この登録簿に端末機を通じて接近できる。
中央税政委員会は、居住者登録上の状況の変更について通知を受け、
それによってこの登録簿を現状にあわせて修正する。

警察当局
国家警察委員会は毎週、居住者登録の変更の通知を受けて、
警察のシステムと司法情報システムを現状にあわせるための
修正を行う。
彼等はまた、SPARとつながった端末機を通じて、パスポート
システムのための基礎情報を検索する。

 
不動産データ委員会
不動産所有者の居住者登録情報の変更は、毎週、中央不動産データ
委員会に通知される。

中央道路交通局
中央道路交通局は自動車所有者と運転免許所有者の登録簿を作成
している。
氏名と住所の変更が登録されると、通知を受けて現状にあわせる
ための修正を行う。

スウェーデン統計局
居住者住所登録上の全ての変更は毎週中央統計事務所に報告される。
中央社会保障委員会
児童手当、疾病手当、退職年金の資格は、原則として、居住者
登録簿に記載された情報に基づいている。
中央社会保障委員会は毎週、その登録簿を現状にあわせて修正
するため、変更の通知を受ける。

 
スウェーデン居住者住所登録簿(SPAR)
居住者登録情報に対する商業用その他の非公共的需要を満たすため
に、1976年に、居住者登録から限定された情報を選び出した,
独立した登録簿が作り出された。
この登録簿が作られたのは、正確さのためと、このような目的に
使用される人的情報登録簿の個数を制限するために作られた。
この登録簿はダイレクトメール宣伝や、顧客名簿を現状に
あわせて修正するために、多くの企業や団体で使用されている。
スウェーデン居住者住所登録簿は、毎週、居住者登録簿の変更
について通知を受ける。

中央兵役局
中央兵役局のための、特別の符号コードがつけられた人の、
居住者登録情報の変化は全て、毎週、報告される。
中央兵役
当局はおれらの情報を中央民間防災救援委員会に転送する。

スウェーデン移入委員会
全ての外国の市民の移入と、非北欧市民の居住者登録簿事項は
毎週、スウェーデン移入委員会に報告される。

 
中央海運局
海員として登録されている人物の居住者登録簿の上の変化は、
毎週、中央海運局に報告される。

スウェーデン国教会
居住者登録簿の上の全ての変化は、毎週、通知され、それによって
スウェーデン国教会の教会区登録簿が現状にあわせて修正される。

居住者登録の法律上の規定——概説
一般的規定
居住者登録は、1991年7月1日施行の2つの法律によって
支配される。
1つは居住者登録法であり、これはある人が登録されるべき時と
場所についての規定、居住者登録簿に情報を報告する義務、
居住者登録上の処分に対して異議申立てする権利が含まれている。

もう一つは、居住者登録簿法であり、これは居住者登録のために
作成することのできるEDP登録簿の種類と記録内容についての
規定を含んでいる。

 
これらの法律は、政令により補完される。
中央税政委員会から
出される命令も存在するが、これは拘束力は持たず、ある場合に
おいて税務局がなすことができること、あるいはなすべきことを
指定しているにとどまる。

居住者登録はこの他いくつかの制定法に作用される。
たとえばスウェーデンには氏名法という特別法が存在するが、
氏名の獲得と喪失にかかわる規定が含まれている。
他の例はコンピューター法であるが、これは官庁の、その補完
している登録簿の中の不適切な情報を修正する義務についての
規則が含まれている。
さらに、秘密保護法、そして子どもの血統、婚姻、スウェーデン
の市民権、死亡にかかわる法律が存在している。

居住者登録簿の内容
ある種の基礎情報、すなわち、氏名、年月日(個人識別番号に
含まれた)、出生の場所、市民権、婚姻関係は、すべての人が
記録される。
両親、配偶者、子ども、住所の記載もある。
子どもの場合には、
誰が法律上の保護権を持つかの記載や、その子どもが養子となって
いるかの記載もある。
死亡した後では、その人がどこに埋葬されたかも記録される。

 

スウェーデン大使館でのシンポジウム

 

 
登録される人
スウェーデンに定住する人は誰もが登録されなければならない。
スウェーデンに入国する人は、その人が少なくとも1年間
スウェーデンに居住するつもりであれば登録される。
非北欧の市民である人は、居住許可を取得することが原則的に
は必要とされる。
スウェーデンで出生した子どもは、外国の外交官又は同等の
地位にある人物の子どもをのぞいて全て登録される。

スウェーデンを出国する人は、少なくとも1年間外国に居住
する予定であれば居住者登録簿から登録を抹消される。

登録の場所
お人はその人が居住する教会区及び居住する不動産に登録される。
居住者登録法の下で、人は、その人が通常睡眠をとる、又は
それにかかわる休憩期間を過ごす不動産に居住する音とみなされる。
同じ法律は様々な特殊な状況の下で、どこにその人が居住している
とみなすべきかの基準をくわしく定めている――例えば、人が仕事
のためにその家族とは別の場所に部分的に居住する場合などである。

要求すれば、その人の居住する住所の他に、それとは別の郵便住所
を居住者登録簿に記録することもできる。

 
住所の変更と確認
居住者登録簿が、その社会での役割を果たすためには、人々の
居住場所は現状にあったものが記録されていることが重要である。
税務局は人々が現に居住している場所に登録されているかを確認
する責任を負う。
このことを容易にするため、他のいくつかの官庁は、例えば社会
保険事務所や強制執行当局は、ある人が居住者登録簿に記録され
ていない住所を持っていると考えられることを知った場合は、
そんことを税務局に報告する。

税務局は、不動産所有者、あるいはその他の、居住用不動産の
貸与や仲介にかかわるものに対し、その不動産や住居に居住する
人についての情報を求めることができる。
同じ官庁には、一人の人がどこに居住しているかについて、
雇用者や、水道やゴミ収集の責任を負う自治体機関から情報を
得る方法も持っている。

原則的には税務局は、ある人が住所変更のことを届出た時に、
その人の居住者登録修正を決定する。
しかしながら、その人が移転したことが調査によりわかった時は、
そのような届出がなくても修正を決定することができる。
そのような場合は常にその人には釈明の機会が与えられ
なければならない。

 
出生
スウェーデンでは大部分の子ども病院あるいは同様の施設に
おいて生まれる。
病院や施設は、その出生のことを可能な限り速やかに、税務局
の報告する義務を負う。
それ以外の場所での出産に立会った助産婦も同じ義務を負う。
それ以外の場所で出産が助産婦の立ち会いなしに行われた場合は、
その子どもの保護者が1ヵ月以内にその出生を届出るべきと
されている。

出生の通知は、その子どもの母親が登録されている地区の
税務局に送付される。
母親がスウェーデンで登録されていない場合は、その通知は、
その子どもが生まれた地区の税務局に送付される。

 

 

 

フランス大使館(港区南麻布)

 

フランスの身分登録制度

(身分登録制度の沿革)
フランスの身分登録制度は、カトリック教会が
3種類の儀式
(洗礼・婚姻・埋葬)につき作成
した教会簿(洗礼簿、婚姻簿、
埋葬簿)の制度
に由来します。
フランス革命によって教会の身分登録に関する
権限が国家に
移り、登録簿の名称が変わって
現在に至っています。
出生、婚姻、死亡の事件ごとに各々別個の身分証書
を作成し、
それらを綴って身分登録簿としています。
他方、離婚、別居、養子縁組、準正などについては、
独自の
証書は作成されず、出生、婚姻、死亡の確証書
の欄外に
付記する方法がとられています。

 

 

(様式と記載事項)
登録簿の様式は、記載事項ごとの細かな枠付けをせず、
白紙を縦に二分して一方に本来の記載を行い、
他方は付記
および訂正に用いています。
証書の一般的記載事項としては、受理年月日時、
身分史の氏名、
証書に示されるすべての者の
氏名・職業・住所(民法34条)
があります。

(証書の作成について)
一例として,出生証書の作成手続き
の概要を説明します。
出生の届出期間は3日間で,その間に
届出ないと,裁判所の
判決がない限り
出生証書を作成できなくなります。
届出義務者はだいに父,父が届出不可能
であるときは,意思,
助産婦または他の
立会人(住所以外での出産ときは出産の
あった家の者)となります。
記載項目は,出生日・時刻・場所・子の性別
・名、父母の氏名
・年齢・職業・住所です。
ただし,婚外子の両親が自分の名を
明らかに
しないことを望めば,強制認知を要求されない
限り,
匿名でいることが認められます。
大都市では出生証明書を提出させますが,
これは法的な義務
とは考えられていない
ようであり,また他の地方では申述
だけで
足ります。
届出人は身分吏の面前で出生を申述し、
身分吏が証書を作成
して届出人に対して
読み聞かせ,身分吏と届出人の双方が
署名します。
一旦署名された証書には,身分吏は
いかなる職権訂正も
行うことが出来ません。
訂正が許される場合には、
必ず欄外付記
の方法によります。
(後に示す婚姻,認知,死亡などの記載も,
内容的には
間接訂正に当たるものと
考えられています)

 

 

(相互連結)
証書の相互連結については,証書自体は
事件ごとに分散して
いますが,婚姻・死亡
・養子縁組・認知・準正については
出生証明
の欄外に付記され,また離婚・別居については
婚姻証書の欄外に付記されることによって,
身分証書相
互間の検察が可能となっています。

(形式)
身分登録簿の形式(見開きの状態)は、
およそ以下の通りです。
 付記または訂正    記載    記載    付記または訂正
   

(家族手帳)
前述のように欄外付記の方法によって
身分証書相互の検索は
ある程度可能に
なっていますが,しかしこれでも,
出生証書に
記載されて事項と婚姻証書に
記載された事項との間の連結は
行われない
ことになります。

 

 

 

ドイツ大使館(南麻布)

 

ドイツの身分登録制度

(身分登録制度の沿革)
ドイツの身分登録制度も、フランスと同様に,
キリスト教会の3種の教会簿に由来するものです。
現在では,身分登録法の規定に基づいて,
出生・婚姻・死亡の各々について登録簿が
編成されています。

(家族簿)
ただ,ドイツに独特なのは,夫婦と未婚の子を
一体として
登録する制度として,ナチス時代に
創設された
家族簿の制度が今も維持されている点です。
(ちなみに、戦前にドイツから家族簿の制度を
導入したオーストラリアでは,1980年代に
なってからこれを廃止しました)
家族簿は,婚姻の締結に際して,これに立ち
会った
身分登録吏によって作成され,その後は
夫婦の住所
または居所,もし夫婦が別居している
ときは夫の住所
または居所を管轄する身分
登録吏が管掌することと
されています。

(書式)
出生簿及び家族簿の様式及び記載事項は、
およそ以下の通りです。

(出生簿の様式・婚外子の場合)
番号
(養子縁組)  出生地・出生年月日
に関する情報
*       (母の氏名・職業・信仰)
住所
は、0000年00月00日
    00時00分
××××において
男児出産。
子の名は
(子の名)
家族名は(家族名)
口頭による
届出により登録
          届出人母◯◯
証明 公式身分証明書による
確認  (母の氏名)
身分登録吏  署名
1 母の出生(年月日・出生地)
家族簿は ______
2 子の婚姻  (配偶者名)
(日付・場所)
3 子の死亡  (日付・場所)

 

 

家族簿
(家族簿の様式)
家族簿   婚姻名または夫の家族名
配偶者の
*     出生名または妻の家族名
1 夫
2 妻
(学位)__ 婚姻前の家族名__  (旧姓)_
_  名___
 職業____
  出生日____   出生地____
*身分登録所・番号 ___  登録の根拠 ____

3 1と2との婚姻締結 婚姻締結日・場所__ 
登録の根拠__
4 夫の両親
5 妻の両親 
父___ 家族名 父___  名___
 住所または最後の住所___
 母___  家族名 母__ 名___
 住所または最後の住所___ 登録の根拠 ___

6 編成 __(身分登録吏 署名)
7 夫婦の国籍に関する注
8 死亡―—日、場所、身分登録所、番号,夫婦の死亡宣告、
 死亡日時の確認
――死亡日時、裁判所、書類番号,離婚、
 取消、無効婚姻不在の確認
――確定日,裁判所,書類番号

9 子
 身分・名の変更
婚姻締結、死亡、死亡宣告,
死亡日時の確認

 家族名、名__(年月日・事項・年月日・身分登録吏の署名)
 
出生日__ 出生地__ 身分登録所、番号__
 
日付、署名__

〜〜〜〜〜(同様の蘭があと2人分続く 省略)〜〜〜〜〜〜
10 夫婦及び子に関する備考
 婚姻名、婚姻事項、養子縁組事項、復氏,再婚,養子縁組廃棄

 妻の家族簿の引継
(年月日・身分登録所)

 

 

ドイツ大使館(南麻布)

 

(相互連結)
身分登録簿間の相互連結については、出生登録簿
または家族簿(婚内子についてのみ)をたどる
ことによって、夫婦・親子間、兄弟姉妹間の
検察が可能となったいます。

(登録簿の公開)
本人,配偶者,直系尊属・卑属、公的利害の証明
のある官庁以外の者が,身分登録簿の閲覧,身分登録署
の交付を受けるためには,法律上の利益を
証明することが必要とされています。
養子については,出生登録,養親の家族簿の閲覧
及び身分登録証の交付は,養親,その両親,養子
の法定代理人,16歳以上の養子本人,公的利益の
証明ある官庁に限って認められます。
養子の婚姻登録や家族簿についても,縁組みや縁組廃棄
の事実が看取される限り同様の扱いを受けます。
養子の死亡後も,公益上の特別事由がない限り
養親の同意が必要となります。
婚外子の場合には,
子の申立てにより出生登録に特別の付記をする
ことにより,養子同様の制限に服することとなります。
さらに,性転換法の適用により裁判上名が変更された者,
または異なる姓に属すべき者とされた者については,
官庁と本人だけに限られます。

(その他)
なお,出生登録の謄本の他に,
出生証書(出生以来の経緯を組み込んで作成される証書で,
養子の両親欄には養親を記載します)。
出自証書(血縁上の親子関係を公証する証書で,
養子の両親欄には実親を記載します)および
出生証という身分登録証書の制度があり,
身分事項の証明に用いられています。