フィリピン 2017年の婚外子出生率 半数以上

人口の実数では既に日本を追い抜いているのではと言われる
フィリピンの統計局(Philippine Statistics  Authority=PSA)
が、2017年の出生数に関する統計を発表した。

ただし、この数字は正式に登録された数字であって、
実際は出生届けを出さない層も国内にはかなり存在
しているのも事実だが、公式統計数字からフィリピン
の抱える問題が浮かび上がっている。

PSA統計によると2017年の出生登録数は1,700,618人で、
同年の日本の出生数は94万人弱であり、人口爆発と
人口減少の対照的な国の実情が露わになっている。

男女別では男性887,972人で全体の52.2%を占め、
対して女性812,646人の47.8%となり、これは女性
100人に対して男性109人という割合となり、
男性の結婚難が将来予測される数字となった。

この統計で特徴的なのは婚外子が全体の半数を
上回る53.3%の907,061人と多数派を占めたことで、
これはフィリピンでは離婚が通常では認められて
いないために、離婚出来ない状態で他の伴侶との
間で子どもを産んでいる実態が改めて確認された。

総出生数ではルソン島が全体の57.8%を占め、
次いで戒厳令発布中のミンダナオ島の23.1%、
セブを中心とするヴィサヤ地方が19.1%となった。

なお、婚外子出生の地域別ではカルバルソン地方
(マニラ首都圏南部州)144,622人、マニラ首都圏
141,206人、ルソン島中央地方100,956人と人口集中
の激しいルソン島中央地域が多かった。

この数字から、フィリピンでは毎日 4,659人が産まれ、
これは1時間当たり193人、毎分3人産まれている
数字となる。

両親の年齢についての統計では、20歳~24歳の層
が27.7%、471,356人と多数を占め、次いで
25歳~29歳が24.5%、416,168人となり、
結婚年齢がかなり早い傾向を示している。

このように人口爆発が貧困の源と指摘される
フィリピンだが、2012 年の出生数は1,790,367人
であり、2017年は総数で5%減少している。

これは頑迷なフィリピン・カトリック教会や政府の
人口問題の取り組みの欠如の中で、国民の間に子だく
さんの問題に関する認識が変わっていることが分かる。

しかし、婚外子が全体の半数以上を占める異常な実態
に対して、無策を続けるしかなく、2018年も同様の
数字が上がってくると見られている。

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