ありえない判決
最近は、12歳の長女への強姦が無罪とされた父の裁判や、
注2から5年間も強姦し続けた父が無罪だった裁判等、
本当にひどい判決が続いています。
ちなみに、最初の静岡地裁の判決は2019年3月28日で、
名古屋地裁岡崎支部の判決が出たのは3月26日ですの
で、わずか2日違いの判決ということになります。
よくも、こうひどい判決が続くものです。
2019年3月28日 静岡地裁
伊東顕裁判長
「唯一の直接証拠である被害者の証言は信用
できない」
「家族が誰ひとり被害者の声にさえ気付かな
かったというのはあまりに不自然、不合理だ」
強姦について、
「犯罪行為を裏付ける適確な証拠がない」
児童相談所職員に長女が当初訴えた被害詳細
と非公開で行った証人尋問の内容が変遷した
点などから、
「児相の一時保護解除を控えた被害者が
虚偽の被害を訴えた可能性がある」
2019年3月26日 名古屋地裁岡崎支部
鵜飼祐充（うかい・ひろみつ）裁判長は、
性的虐待があったとして上で、
「性交は意に反するもので、抵抗する意志
や意欲を奪われた状態だった」
「以前に性交を拒んだ際、受けた暴力は
恐怖心を抱くようなものではなく、暴力を
恐れ、拒めなかったとは認められない」
「被害者が抵抗不能な状態だったと認定
することはできない」
ダーバー一家
父の前がマリリン
近親姦被害者 マリリン
10年以上前のことですが、『1958年のミスアメリカ』
という本を読んだことがあります。
マリリン・ヴァン・ダーバー（Marilyn Van Derbur）
という裕福な家に生まれた四女が、父親の
性虐待について書いた本です。
マリリンは、成績優秀、スポーツ万能、そして
題名通りにミスアメリカに選ばれるという美貌
にも恵まれた女性でした。
その彼女は、5歳から18歳までの長期間にわたり、
父親からの性虐待を受け続けていた近親姦被害者
（インセスト・サバイバー）です。
後に、長女も被害を告白し、次女、三女のどちらか
（本の中ではっきり明かしていない）は、父親の
強姦について、
「結婚したらすることを、父親が教えてくれた」
と考えているということでした。
それを知った長女は、
「本当にそう思っているなら、結構なことね」
と皮肉を言ったことが書いてありました。
マリリンによれば、おそらく四姉妹、全員が父親
から性虐待を受けていたのだろうと記しています。
また、おそらく母親はその事実を知っていたとも。
誰だったか忘れてしまったのですが、
「なぜ離婚をしなかったのか？」と聞かれて、
「だって〇〇（実家の弟だったと思いますが）が、
〇〇万ドル（これもはっきりとは覚えていません
が、かなりの額です）貸してくれなかったんです
もの」と答えたということです。
マリリンの家族は、「TIME」紙に、理想の一家と
して表紙を飾り、デンバー空港からは父親が彼の
母親のために造ったというモニュメントが見える
というほどの、桁違いのお金持ち。
父親は慈善家としても知られる町の名士で、
「パーフェクト・ファミリー（完璧な家族）」
といわれていた一家に起きたことです。
当時、近親姦は貧しい有色人種の家庭での
ことと考えられていたといいます。
もし、マリリンが十代で告発をしていたら
人々は彼女のいうことを信じてくれたで
しょうか？
近親姦被害者 内田春菊
また、日本では漫画家の内田春菊さんが出した
『ファザー・ファッカー』という本の中には
（彼女の場合は実父ではなく養父）、養父に
彼女を差し出す役目をしていたのは、母親
その人でした。
母親が知っていたか否かどころではなく、母親が
内田さんに「お父様がお呼びよ」と告げ、彼女が
両親の寝室に行くと、まず成績に関することを
叱ってから犯す、というパターンだったそうです。
被害者の心情
現代の日本での、裁判官のあまりにもひどい
無罪判決の理由を知って言葉がありません。
「家族が誰ひとり被害者の声にさえ気付かな
かったというのはあまりに不自然、不合理だ」
（2019年3月28日 静岡地裁）
「以前に性交を拒んだ際、受けた暴力は
恐怖心を抱くようなものではなく、暴力を
恐れ、拒めなかったとは認められない」
「被害者が抵抗不能な状態だったと認定
することはできない」
（2019年3月26日 名古屋地裁岡崎支部）
家庭内の強姦の場合、無罪判決の理由として
しているこれらのことが通用しないという
ことが、通用しないということを裁判官は
わからないのでしょうか？
