3人のトランスジェンダー

2019年4月3日の「BBC News JAPAN」の記事、
「『別人のふりをしなくていい』
世代の違うトランスジェンダーの3人の道のり」
のビデオの書き起こしに、補足したモデす。

 

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個室の扉を見ると、私の名前があり
その下に「おとこおんな」と書かれていました。

 

「あなたが私を受け入れられないのは、
私の問題じゃない。
あなたの問題、これが私だから」

 

カミングアウトは、私には決断でした。
「自分で選んだこと。そうじゃなかった人もいます」

 

国際トランスアンダー 可視化の日
2009年3月31日制定

 

それから10年後……
世代の違う3人が体験を話してくれた
ザック、ダニエル、アナベル

 

 

 

ザック(仮名)

「親しくなった友人に、アウティングされました。
彼が個人的なことを話してくれたので、
私も彼を信じて、自分の話ができるかと。

 

彼は1年後、私を脅迫し始めました。
『これをしなけば、トランスジェンダーだと
バラすぞ』と。

 

それから学校中に、私のことが広まりました。
私のジェンダーについて、みんなが話していました。
こんなスナップチャットをいつも受け取りました。

 

『女の子なの? 女性器はあるの?』
少し経ってから、私は引っ越しました。
毎日学校に行くのが辛かったのです。
ほろ苦い経験です。
自分自身でいるだけで、
転向しなくちゃいけないなんて。

 

 

 

ダニエル

思春期のダニエルさんにとって、
女子校に通うのは苦痛だった。

 

「その学校では、男の自分が独りだけで
女子校にいると感じていた?」との記者の質問に、

 

「そうです。
違うという感覚は明らかでした。
ほとんど部外者でした。
19歳で性転換しました。
他に性転換した人を知りませんでした。

 

なので幼少期から思春期まで
うつに悩まされていました。
その頃に性転換の機会が、
あれば実行していたでしょう。

 

家族の何人かは、このことを知りません。
不思議な気分です。
ある意味、自分が失踪してしまったような。
『頑張って耐えれば、いつかはよくなる』
そういってあげたい、人生は良くなると」

 

 

 

アナベル

「11歳か12歳の時、母に医者に連れて行かれて、
『このこはどこかおかしい。
女の子の服ばかり着ている』と。
すると医者は、私を見て、
『クロスカントリーをやらせれば、よくなります』
と言いました。
上手く行ったかは……、この通り」

 

60代で性転換するまで
アナベルさんは二重生活を送った。
アナベルでいる時と、スティーブでいる時があった。

 

「私はただ、男でいることに耐えて、
できるだけ男になるよう努力してきました。
最後には、自分を受け入れました。
難しく、怖いことでした。
でも、人生で一番やってよかったことです」

 

アナベルさんは、現在
老人ホームの清掃員をしている。
「10年ほど前に突然、トランスジェンダーに
対する世の中の態度が変わりました。
ここも劣りよりばかりですが
みんな素晴らしい人たちです。
私を助けてくれるし、受け入れてくれるし、
認めてくれました。
今が人生で、一番良い時です。
誰かのふりをしなくていいので」

 

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