店舗乱立で閉店に追い込まれるコンビニ店オーナー

先月、閉店した「セブンイレブン東日本橋1丁目店」

以前からコンビニ経営の酷さは聞いていましたが
今回、実際にコンビニオーナーだった方の訴えが
ありましたので御紹介します。
2019年4月15日の「 BLOGOS」からです。

 

お話しをしてくれたのは、東京都中央区にあった
「セブン-イレブン東日本橋1丁目店」のオーナー
だった齋藤敏雄さん(60)の妻の政代さん(52)。

 

「セブン-イレブン東日本橋1丁目店」は、先月の
3月31日で閉店しましたが、本部からその通知を
受け取った後、オーナーの齋藤敏雄さんは失踪し
ています。

 

 

 

ピーク時は1日120万円の売り上げ

当店は、2010年2月にオープンし、2011年以降、
徐々に売り上げを伸ばし、ピーク時には1日で120
万円を売り上げることもありました。

 

2013年には、本部側の人から家を買ったらどうか
と勧められ、ローンを組んで自宅を購入。

 

しかし、わずか1年後の2014年には状況が一変
します。

 

 

 

お店の正面に、新店舗の「セブン-イレブン」

お店の向かい側にあったローソンが撤退した後、
そこにできたのはセブン-イレブンの別店舗だった
のです。

 

しかも、その話を齋藤さんたちが聞いたのは、
開店のわずか2か月前で、「話が違う」と本部に
訴えてみたものの聞き入られませんでした。

 

せめて自分たちの店舗近くではチラシを配らない
でほしいと頼みますが、それも同様でした。

 

 

 

ドラッグストアで働いたお金を人件費に

1日に100万円ほどあった売り上げは、向かい側
の店舗ができると激減し、1日に約50万円まで
落ちました。

 

貯金の1000万円も3年ほどで全部なくなったと
いいます。

 

政代さんは、従業員の人件費を払うため、ドラッグ
ストアで働き、その収入をアルバイトの給与に
当てます。

 

店の経営のみならず、家族の生活もどんどん苦しく
なり、食事は賞味期限が切れて販売できなくなった
廃棄食品。

 

 

 

長男は中学生から店舗で手伝う

その上、深刻な人手不足も起きました。
従業員の欠勤やシフトが足りない時は、穴を開け
ないよう常に夫や彼女が、日勤も夜勤もこなし
ました。

 

他店舗との時給競争も起き、「体調が悪くなった」
と退職したアルバイトが、翌日、他の店舗で働いて
いるのを見かけたこともあったといいます。

 

人手不足で苦しむ両親のために、2人の息子たちも
学業のかたわら家業を手伝いました。

 

長男は、中学校1年から週に3.4回、高校に入ると
夜勤にも入り、外国籍のアルバイトに日本語を教え
ながら働きました。
次男も、高校に入ってから週3.4回はシフトに入った
そうです。

 

しかし、その間も次々に近隣でセブン-イレブンの
店舗はオープンし続け、売り上げは回復することは
ありませんでした。

 

 

 

進学資金も用意できず

大学進学の資金がなかった陵南は、進学を諦めて
お店では働いていましたが、2014年9月、夜勤後
に19歳の自らの命を絶ちます。

 

そして今年の2月28日、本部から突然、閉店の通知
を受け取りました。

 

その翌日、敏雄さんは失踪。
約1か月後の3月28日の夜に、北海道旭川市内で
警察に保護されました。

 

「寒いところに行けば、持病の心筋梗塞で死ねるかも
しれないと思い向かった」と話す敏雄さんは、現在も
自宅にはおらず、人前で話せるような状況ではない
そうです。

 

閉店前日にあたる3月30日、政代さんが私物を回収
しに店舗を訪れると、すでに店内は片付けられて中
はゴミ以外は何もない状態。

 

政代さんは、入ることすら許されなかったといいます。
私物は、4月2日に突然、宅配員として自宅に届け
られました。

 

 

 

半径200メートルに4件の「セブン-イレブン」

店舗があった場所の半径200メートル以内では、現在
4軒のセブン-イレブンが営業しているということ。

 

政代さんは、
「セブン-イレブン本部は親で、私たちは子どものよう
なものだ。
ドミナントでただ増やすだけだったら、子どもたちが
食い合うのは当たり前」

だと、憤りをあらわにし、

「長男まで失くしながら必死で働いたにも関わらず、
結局店も取り上げられ、夫も追い込まれた。
本部は全く血も涙も無い。
とんでもない会社だとわかった。
本当に許せない。
少しでも加盟店の働きに報いる気持ちがあるなら、
その行動をとってほしい」
と訴えました。

 

 

追記:2019年5月2日

ツイッターにこのような情報が出てい
ましたので、付け加えておきます。

 

「異邦人 2019年4月25日

たつみコータロー議員が『脱24時間営業』を求め
た加盟店へのコンビニ本部による更新拒否が、
独禁法違反になる可能性がある、という答弁を
杉本公取委委員長から引き出し、たちまち公取委
が独禁法適用に動き出す姿勢を見せ、わずか
一週間程度でコンビニ本部が
『柔軟に対応する』と態度を軟化。
凄い」

 

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