ニュージャージー州でも安楽死を認める法案成立

余命半年以下の成人に安楽死を認める

2019年4月16日の「CNNニュース」によりますと、
アメリカのニュージャージー州でも、回復の
見込みのない患者が、医師の助けを借りて
安楽死する権利を認める法案が成立したという
ことです。

 

ニュージャージー州の上院を僅差で通過した後、
フィル・マーフィー知事が署名をして成立。
8月1日から施行されます。

 

この法律は、余命半年以下と診断された成人の
患者が、安楽死のための医薬品を医師に処方し
てもらうことを認める内容です。

 

 

 

知事は「尊厳、敬意をもたらす」

アメリカではこれまで、カリフォルニア、コロラド、
オレゴン、バーモント、ワシントン、ハワイ、モンタナ
の7つの州と、コロンビア特別区で、医師の助けを
借りて安楽死する権利が認められています。

 

安楽死を希望する患者は、精神科医らにより判断
能力があると認められなければなりません。
処方された薬品は、患者が自宅で自ら服用でき
るということです。

 

マーフィー知事は、
「終末期の疾患をもつ住民が、自ら生命を終わら
せる選択ができるようにするのは正しいことだ」
「法案に署名することによって我々は、終末期の
患者とその家族に、人生においてもっとも困難な
時に相応しい人間性と尊厳、敬意をもたらす」
と指摘しました。

 

 

 

反対意見もあるなか、他の19州も審議中

しかし、法案が州上院を通過するのに僅差だった
ため、反対票を投じた議員からは、影響について
懸念する声も上がっています。

 

ニュージャージー州議会では、2014年以来、同様
の法案の審議が続いていましたが、上院で採決が
行われたのは今回が初めてのことでした。

 

現在、アメリカでは他にも19州で、医師の手助けに
よる安楽死を認める法案が審議されているという
ことです。

 

 

 

安楽死

安楽死には、「積極的安楽死」と「消極的安楽死」
の2つがあります。
いずれも治療が困難なほど病が進んでしまった人
が対象ではあります。

 

「消極的安楽死」は、それまで続けていた延命措置
をやめること。
「積極的安楽死」は、致死量の薬物を、医師か患者
自身が用いるもの。

 

今日、お伝えしたのニュージャージー州での法律は
「積極的安楽死」の方です。
こちらは戦後長らく、スイスでしか認められていな
かったものです。

 

 

 

オランダは死因の4.2%が安楽死

その後、90年代にアメリカ、オレゴン州で合法化。
2000年代に入りますと、オランダ、ベルギー、ルク
センブルグ、アメリカの5つの州でも合法化しました。

 

2017年にはカナダ、オーストラリアの一部の州でも
2019年から認められることになりました。

 

2002年に合法化したオランダでは、年々、安楽死を
選ぶ人が増えているそうで、2017年の安楽死の件数
は、6306人となっています。

 

世界で最も多い数で、オランダ国内の死因の4.2%に
あたります。

 

しかし安楽死に対しては、

「命の尊厳が損なわれる」
「安楽死の教養につながりかねない」

などの反対意見も根強く、合法化には慎重な国も
多くあるのが現状です。

 

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