この判決文の内容で、なぜ無罪判断なのか? 名古屋地方裁判所岡崎支部

例の事件の判決文の内容が少し明かされる

4月11日にお知らせした、名古屋地方裁判所岡崎
支部が下した、娘と性交していた父親が無罪判決
となったことに関して、判決を報じる記事には
載っていなかった事実が報道されました。

 

2019年4月18日の「YAHOO! JAPAN ニュース」が
週刊誌の『女性自身』を転載したものからです。

 

それによりますと、「準強制性交等罪」に問われて
無罪になった父親との暮らしで、被害者の娘の
5年間が、いかに「地獄」だったかということが
判決文からうかがえるということです。

 

 

 

中2に娘に口腔性交を要求する父

実父と実母、弟三人との6人暮らしだった
彼女に対して、父親が性的行為を始めたの
は彼女がまだ中学2年生の時でした。
寝ているときに父親がやってきて、

 

1<陰部や胸を触ったり、口腔性交を行った
するようになり、その年の冬頃から性交を
行うようになった><>内は判決文の要約)

 

といいます。

 

 

 

「抵抗」している!!

それは彼女が高校を卒業するまで週に1〜2回
程度の頻度で続きました。
彼女は、

 

2<体をよじったり、服をぬがされないよう
押さえたり、「やめて」と声を出したり
する
などして抵抗していた>

 

が、父の行為は制止できませんでした。
また彼女は母とも不仲だったため、助けを求める
こともできなかったそうです。

 

母親は、彼女が小学生の頃、父が彼女を殴ったり
蹴ったりするときも、

 

3<ほとんど黙って見ているか、実父に加担
して
いた>

 

という状態だったからです。

 

 

 

専門学校の費用を父親に立て替えてもらう

高校3年生の時に彼女は、自力で4年生大学に進学
することを決め、大学の推薦入試に合格したものの、
期日までに入学金を収めることができず、進学を
断念しました。

 

一家は、2010年から生活保護を受けていて、子ども
が4人いる暮らしは苦しかったのでしょう。

 

しかし彼女は諦めず、進学に反対する両親に頼んで
専門学校に入学することにします。
学費は、いったん父が支払い、彼女のアルバイト代
から毎月4万円を返済するよう決めました。

 

 

 

警察に通報すると弟たちが犯罪者の息子に

そしてこの頃から、彼女の抵抗が弱まって、性行為の
頻度は週3〜4回へと増えてゆきます。

 

父から「専門学校の学費を支払ってやっている」など
と言われていたことの負い目があったからだとみられ
ています。

 

このような父からの虐待に耐えかねた彼女は、友人や
弟たちに相談しました。
「警察に行った方がいい」と勧められますが、

 

4<父親が逮捕されると弟らが犯罪者の息子に
なって
しまい、生活できなくなってしまうことが
心配>

 

といい、通報を断念します。

 

 

 

「金を取るだけとって何もしないじゃないか」

専門学校の2年生になっていた2017年6月頃から、
彼女は学校も休みがちになっていました。
この頃、彼女は父に激しく抵抗したことがあります。

 

就寝中に服の中に手を入れてく父の手を払い、執拗
に彼女のズボンを下げようとするのを引き上げたり
して抵抗していました。

 

5<こめかみの辺りを数回こぶしで殴られ、太も
もや
ふくらはぎを蹴られた上、背中の中心付近を
足の裏
で二、三回踏みつけられた>

 

抵抗する彼女に対して、父親はこのような暴力を
ふるい、彼女のふくらはぎには、大きなアザができ
ましたが、父親はあろうことがこんな捨てゼリフを
吐いて彼女の部屋を出て行ったといいます。

 

「金(授業料)を取るだけとって何もしないじゃ
ないか」

 

 

 

豊田市役所で相談、父逮捕

これを書いているだけでも、私はいちいち腹が
たって仕方がありませんが、新聞報道では殆ど
伝えられなかった判決文の中に、このような
酷い事柄が続々とありながら、なぜ、これが
無罪なのでしょうか!!

 

2017年8月12日、父親が仕事で出入りをして
いた会社の会議室で、9月11日にはラブホテル
で彼女は性交をされました。

 

9月15日、彼女は豊田市役所に相談をします。
事件は公となり、父は起訴されました。

 

 

 

<精神的に支配していた>と認めつつ…..

彼女の精神鑑定を行った精神科医は、性的
虐待などが積み重なった結果、

 

6<抵抗できないのではないか、抵抗しても
ムリ
なのではないか>

 

といった抑圧された心理状態になっていたと
診断しました。

 

一方、父側は「性交は同意の上だった」などと
主張したが、裁判所はこうした父の主張を全て
退け、父は彼女を、

 

7<精神的に支配していた>
8<同意はしていなかった>

 

と結論づけています。

 

 

 

意味不明では?

となれば無罪はおかしいのですが、それに加え、

 

9<性交を拒めないほどの暴力は受けていな
かった>
10<両親の反対を押し切って専門学校に入学
できるほどだった>

 

などという理由から、

 

11<抵抗できないほどの精神状態に陥って
いた
とは判断できない>

 

として父に対して無罪判決が下ったのです。

 

 

 

高裁判決が少しはまともであることを願います

この鵜飼祐充(うかい・ひろみつ)裁判長の
論理、おかしくないでしょうか?
私は、理解できませんが。

 

性交は同意の上という父の主張は一切退け、
精神的に支配していた()と認めながら、抵抗
できないほどの精神状態に陥っていたとは判断
できない(11)とは、意味不明です。

 

また、両親の反対を押し切って専門学校に入学
できるほどだった(10)という部分も理解しかねます。

 

ということは裁判官は、ものも言えず、ひたすら
横になっているだけのような人しか、抵抗できない
ほどの精神状態に陥っている、とは認めないという
ことなのでしょうか?

 

でも、もしそのような状態であったなら、被害
を訴えることさえできないと思いますが。

 

唯一、このような状況の中でよかったことは、
検察がこの判決を不服として4月8日に公訴した
こと。

 

高等裁判所が、もう少しまともな判決を下し
てくれるますように……。

 

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