kj (アメリカ国旗NYでのMBA留学情報を発信中) 2020年5月15日
うちの会社の採用面接は全て僕がやっているんだけど、
過去に1人だけ元引きこもりを採用したことある
履歴書を初めて見たときに、35歳なんだけど職歴の
ブランクが10年以上
普段なら迷わず書類で落とすけど、なぜこのタイミング
でうちに応募してみたのか、興味本位で面接に呼んで
会ってみた
初めて会った時の印象は日光を浴びてない
モヤシのようなひょろっとした青年だった
人間って太陽浴びないとこんなに白くなるのかーと思った
話を聞くと学校を卒業して就職した会社が合わず、
すぐに退職し、そこから引きこもりを始め、家でひたすら
ゲームをしていたら10年経っていたそう
応募理由を聞くと
そこには引きこもりを脱したい強い想いと覚悟があった
・両親が自分のことを心配している
・これ以上心配かけたくない
・働くチャンスがあれば死ぬ気でやりたい
・自分を変えたい
こんな想いをとても不安そうに語りながらも
瞳の奥には強い意思を感じた
都心の一流企業であれば採用面接でその人の実績や
スキルレベル、人間性を見るんだろうけど、うち
みたいな会社の採用面接でそれをやると採用する人
がいなくなる
だから僕はいつも”働かざるを得ない理由”が強い人
を探していて その意味で彼はぴったりだった
多少の不安はあったものの、自分の見る目を信じて、
パートタイマーの倉庫の作業員として採用し、
2日後から働いてもらうことになった
出社初日
本当に出社してくるのか、なぜか僕までドキドキ
しながら会社に行くと
もはやシャウトに近いレベルで社員一人一人の
ところを挨拶してまわってた
その日から彼は、10年超の元引きこもりとは
思えないほどの活躍をみせた
倉庫内を縦横無尽に駆けまわりながら、どんな仕事にも
一生懸命取り組む姿に社内からの評判もとても高かった
初めてのお給料の日には、彼は僕の所にわざわざお礼を
言いにきて、家族をご飯に連れて行くと言って嬉しそう
にしていた
そこから数ヶ月が経ったとき、彼が僕のところに
すごく緊張した顔つきでやってきた
これまでの経験で、僕のところに緊張した顔で
やって来るスタッフはほぼ100%退職願を持ってる
おいおい、せっかくここまで頑張ってきたのに、、
と思いながら会議室に連れていき話を聞く
不安そうにしながら彼は
”仕事がとても充実していて毎日が楽しい、これから
もっと頑張りたい。だから正社員にして欲しい”
と伝えてきた
あまりにも嬉しくて泣けた!
その場で雇用契約書を作って正社員への登用を決めた
その後、正社員になった彼は、ますます張り切って
働くようになり、倉庫のことなら彼に聞けと言われる
ようにまでなった
そんなある日、会社に1人の女性から電話がかかってきた
元引きこもりの彼のことで話があるから
僕に直接話がしたいと
電話の主は彼のお母さんだった
彼がうちで働くようになってから家の中でも別人
のようになった、こんなに嬉しいことはないって、
泣きながらお礼を言われた
僕は別に大したことしてないのに、こっちまで
嬉しくて泣いた
人を雇うってそういうことだなぁと学んだ(終わり)
彼との思い出話を書き始めたら、
長くなってしまいました
たくさんの人に読んでいただいて、
なんだか恥ずかしいです
ありがとうございます
昨日のTweetに多くの反応をいただき
ありがとうございます
彼は今も元気に働いており最近はパソコンを
勉強しながら商品管理の領域に挑戦中です
今回の例は彼が社会復帰への強い意志を
持って頑張りぬいた結果です
彼のような人材がフェアに評価され
活躍できる社会になりますように
僕も頑張ります!