真冬に服を着たままシャワーをかけられて
2019年1月24日、千葉県野田市の１０歳の
栗原心愛（みあ）さんがお風呂場で亡くなりました。
父親の栗原雄一郎容疑者（41）が25日、傷害の
疑いで逮捕されました。
心愛さんは、逮捕された父と、31歳の母・なぎさ
容疑者と、妹の４人暮らしでしたが、母親は、父が
心愛さんを虐待する様子を撮影していたということ
で、長時間立たせたり、食事を与えなかったことも
あったといいます。
雄一郎容疑者となぎさ容疑者は、2008年頃、
結婚したようですが、2009年9月に、母子で
沖縄県糸満市に転入しています。
2011年10月に一度離婚し、
2017年2月に再婚。
2017年7月に、市の窓口に母親の親族から
「母親へのDVと、女児への恫喝がある」との
相談が寄せられ、市が心愛さんの通う小学校
に連絡を取って観察。
7月中に、家庭訪問を２度計画しましたが、
父親からの直前の連絡でどちらも延期。
その後、野田市に転居しています。
「一時保護」
11月に小学校が「秘密を守る」との約束で
行ったアンケートに心愛さんは、
「お父さんにぼう力を受けています」
と書きます。
学校は市を通じて柏児童相談所に通報し、
心愛さんは一時保護されます。
その後、親族の家に預けられました。
千葉県柏児童相談所が公表した、栗原
心愛さんが父親に書かされたという文章は、
「お父さんに叩かれたというの嘘です。
山崎小学校の〇〇先生に聞かれて思わず
いってしまいました。
お父さん、お母さん、妹、（親族の呼び名）に
たくさんの迷惑をかけてしまいました。
ごめんなさい。
ずっと前からは約４人で暮らしたいと思って
いました。
この間のときにも言いました。
お父さんに早く会いたいです。
児童相談所の人にはもう会いたくないので
こないでください。
会うと嫌な気分になるので、今日でやめて
ください。
お願いします。」
父親の嘘を認識していながら、児童相談所
は一時保護を解除し、心愛さんを家に戻し
ました。
市の教育委員会が父親にアンケートのコピーを渡してしまう
翌2018年1月、学校側からのアンケートの
コピーを、市教育委員会が、雄一郎容疑者
に渡してしまい、父親は心愛さんを別の
小学校に転校させました。
柏児童相談所は、2018年3月から、事件が
起きた今年1月まで、一度も自宅を訪問して
いないということです。
事件前には学校を長期欠席し、1月22日には
市や児童相談所などの要保護児童対策地域
協議会が開かれていますが、心愛さんの
ケースは議題にならなかったといいます。
心愛さんの遺体が発見されたのは、わずか
その2日後でした。
近所にも聞こえた心愛さんの叫び
隣のアパートに住んでいる40代の女性は、
「数年前から毎日のように、女の子の鳴き声が
聞こえました。
最近は、つぶれたような声になっていて
怖かったです。
聞こえるのは決まって夕方で、24日も夕方頃、
女の子の『ぎゃー』という泣き声と、男性の声
で『うるさいって言ってんだろ』という
怒鳴り声が聞こえました」
近所に住む知人は、女の子が夜中に外に1人
で立って、寂しそうに携帯ゲームをしている
のをよくみたといい、
「幼い尊い命が失われて本当にかわいそう
です」と。
泣き声をよく聞いたという、近所に住む61歳の
男性も、
「しつけの一環で女の子を外に出している
と思った。
こんなことになるとは……」
と驚いた様子で話していました。
近くに住む主婦や男性会社員によりますと、
以前から女の子が泣きわめき、
「お母さん、怖いよ」と叫ぶ声や、
「うるさいんだよ、お前は」「殺してやる」
「死ね死ね」という男性の声を何度も
聞いたといいます。
自分の行為は「しつけ」
逮捕後数日経っても父親は、警察の取り調べ
に対して、
「自分の行為はしつけだった」
として反省の言葉は出ていないといいます。
なお雄一郎容疑者は、職場では真面目て
人との付き合いも普通だということ。
両親が一度離婚している理由がDVか否か
はわかりませんが、なぎさ容疑者は夫の
暴力に怯えていたことは間違い無いでしょう。
事件後、なぎさ容疑者は知人に対して、
仕方なかったという内容のLINEを送って
いたといいます。
児童虐待防止法では、子どもへの暴力は勿論
のこと、配偶者への暴力も、児童虐待として
定義しています。
子どもの前で、暴力を見せることだけではなく、
常に暴力的で緊張感が充満しているなかで
生活する、そのものが虐待ということです。
