「後戻りできないほど変わりつつある世界」西田勘一郎氏のドルのお話

「Kan Nishida  2022年9月3日

2021年の夏、8月にサウジアラ
ビアとロシアは軍事協力協定に
調印したと発表がありました。

https://rferl.org/a/saudi-russia-arms-weapons-/31425164.html

当時は特に大きく話題に
なりませんでした。
しかし、これはドル崩壊の引き
金となるほどの事件でした。

まず、前提から
アメリカが世界最強なのは
『基軸通貨ドル』を持っている
から、全ての国は貿易のために
ドルを必要とするので、ドルへ
の尽きない需要があるため。
アメリカはお金が必要になれば
どんどん刷ればよい。

 

大量にドルを発行する米に、仏・英が金と交換要求
金保有量が減った米国

アメリカは60年代、70年代に
ベトナム戦争をやったが泥沼に
なり、戦費がかさみ、ドルを
大量に発行しまくった。

大量のドルを保有していた
フランスやイギリスは不審を
抱き、手持ちのドルとアメリカ
が所有する金との交換を要求
し始めた。

当時は金本位制だったので
金1オンス35ドルで変換が
約束されていた。

 

1971年「ニクソンショック」
金と交換停止、裏付けのないドル

そこで、金がどんどんアメリカ
から出ていって半分位になり、
さすがにこれはやばい、という
ことで1971年8月、ニクソンは
ドルと金の交換の停止を宣言。
いわゆる『ニクソンショック』

金に裏付けられていたドルは
この日を境に何の裏付けも
ない通貨となった。

これで、アメリカは好き放題
ドルを刷ることができる。
しかし、刷られまくるドルの
供給を誰かが買い支えなければ
さすがにやばい。

 

 

 

 

1974年「ペトロダラー」誕生
米国がサウジを守り、石油取引はドルに

そこで、3年後の1974年、当時
国務長官のキッシンジャーが
OPECの長であるサウジに飛び
この後、40年間封印されてい
た秘密の協定を結ぶ。

協定とは、アメリカがサウジの
王室を守るから、石油の取引は
全てドルにし、収益はドル
(アメリカ国債)で保有する。

これで、世界中の全ての国は
石油(そして他の資源)を
買うためにドルを保有しなく
てはいけなくなった。

いわゆる『ペトロダラー』の
誕生。
そしてドルは、金ではなく、
石油で裏付けされることに
なった。

 

ペトロダラーに反対するものは殺害
2003年イラク・フセイン、2011年リビア・カダフィ

これがどれだけアメリカにとっ
て死活的に重要だったかという
と、これを破った国は容赦なく
滅ぼされてきた。

例えば、ユーロで石油取引しよ
うとしたイラクは2003年に侵略
され、フセインは殺された。

2009年に金本位制に移行しよう
と呼びかけたリビアは、2011年
に暴動起こされ、NATOに空爆さ
れ、カダフィは殺された。

良いとか悪いとかは、ひとまず
置いておいて、これが世界の現
実で、いわゆる『ワールド・オ
ーダー』ってやつだった。

 

 

イラク侵攻のための
世論作りに使われた
フェイク「ナイラ証言」
大量破壊兵器はなかった

 

 

2021年8月
サウジアラビアとロシア 軍事協力協定調印

しかし2021年の夏、事態は
急展開を迎える。
2021年8月、サウジアラビアと
ロシアは軍事協力協定に調印
したと発表。

ちなみに、ちょうど同じ月に
アメリカはアフガンから逃げ
るように撤退しました。

ところで、覚えてますか?
『ペトロダラー』は『アメリカ
がサウジ王室を守るから(軍事
協定)、石油取引はドルにしろ』
という密約の上に成り立って
いました。

そのサウジはロシアと軍事協定
を結ぶことによって、アメリカ
から守ってもらわなくても
よくなったのです!

これはアメリカの軍産複合体
にとっても重要です。
世界で一番の軍事武器の
輸入国とはどこでしょうか?
サウジアラビアです。

それでは、世界で1番の軍事
輸出国はアメリカですが、
2番めは?
ロシアです。

そして2022年3月、サウジは
石油取引を元で行うことを
計画していることが明るみ
に出ました。

サウジの王室はロシア(と
中国)に守られ、石油取引
は中国元で行う。
どこかで聞いた話ですね。

 

2021年
ナイジェリアもロシアと軍事協定調印

ちなみに2021年の夏同じ時期
に、ナイジェリアもロシアと
の軍事協定に調印。
ナイジェリアは、OPECで中東
以外での原油生産量トップの国。

このサウジアラビアをめぐる
歴史的転換のやばさに気づい
たアメリカは、2022年7月15日、
バイデンをサウジに飛ばします。

表向きは原油の増産を懇願しに
行ったことになっていますが
それは表向きでしょう。

それでは、何を懇願しに
行ったのでしょうか?

7月22日、プーチンはBRICS諸国
は新しい国際基軸通貨を確立
するために協業していると
発表しました。

 

 

そして、サウジはエジプトと
トルコとともに、BRICSに参加
することを検討中とのニュース
が出てきます。

つまり、バイデンはサウジ王室
にBRICSに参加しないでくれ、
と懇願しに行ったと考えるのが
普通でしょう。

なぜなら、そんなことされたら
『ペトロダラー』が完全に
終わってしまうからです。

しかし、ジャケットを自分で
着ることもできず、話している
ことは誰にも理解不能で、自分
の周りの人たちにさえガン無視
されるような人の言うことを、
サウジ王室が聞くわけ無いです
よね。

 

インドとロシア間の南北回廊

ところで、もう1つ重要な点。
BRICSは中国、ロシアに並んで
さらに重要な国があります。
それは人口2位、経済(GDP)
で5位のインドです。

インドとロシアの間にある南北
輸送回廊というのを聞いたこと
ありますか?

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E5%8C%97%E8%BC%B8%E9%80%81%E5%9B%9E%E5%BB%8A

イランを経由して、インドとロ
シアを結ぶ全長7200kmの輸送網
(船、鉄道、道路)のことです。

これができると、インドとロシ
アは中東、ヨーロッパ、その間
のスエズ運河を通ることなく
取引ができることになる。

つまり、ロシア・インド間の
取引は、欧米には全くつかめ
なくなります。

 

 

南北輸送回廊:赤の線
従来の輸送ルート:青の線

2022年の7月5日、インドは
イランに回廊を開くことを要請。

同7月、この回廊を使ってロシア
はインドに物資を送り始めた。

そして、7月13日、インドの中央
銀行はロシアとの貿易にインド
・ルピーを使うシステムを発表
した。
つながりましたね。

 

まとめ

アメリカの強さは基軸通貨ドル。

70年代まではドルは金で裏付け
それ以降は石油 > ペトロダラー。

その引き換えにアメリカがOPEC
の盟主のサウジ王室を守る。

現在
ロシアがサウジを守る。
サウジはBRICS基軸通貨
システムに参加検討中。

中国は元でサウジから石油
を買う。
インドはルピーを使って国際
取引する準備ができている。

ドルから追い出されたロシア
は、ルーブルでの決済をヨー
ロッパに要求。

それではこれらの国の通貨の
裏付けは?

 

 

8月22日  BRICS、金裏付けの新通貨発表

そこで、BRICS基軸通貨シス
テムが重要になります。

近々詳細が明らかになると思い
ますが、金、そして資源などを
裏付けしたものになるでしょう。

BRICSシステムへの参加を検討
している国は増えるばかりです。

このシステムがドル以外で
国際取引をし始めたら。
需要が大きく減る裏付けのない
ドルはどうなるのでしょうか?

誰がアメリカのドルを
買い支えるのでしょうか?

最近のアメリカ国債保有
上位30カ国
日本がダントツ1位です。

これから世界(欧米日側)は
コロナ以上の荒波に飲み込まれ
ていくのではないでしょうか?

少なくとも、後戻りできないほど
に世界は変わりつつあるのです」

     |

「Masato 2022年9月3日

これに先駆けて2020年3月に
親米派の王子達がクーデター
容疑で拘束されてますよね。

この時サウジ内の米国DS側
の勢力が一掃されたのでは
ないかと思っています」

 

 

 

米国債の保有額が多い国ランキング

「小野不一 2023年1月24日

最大保有国同士で戦争を行わせ
てチャラにしようとするだろう。
台湾有事。

1位 中国
   1兆1465億ドル

2位 日本
   1兆900億ドル

3位 アイルランド
   3025億ドル

4位 ブラジル
   2697億ドル

5位 ケイマン諸島
   2540億ドル

6位 スイス
   2445億ドル

7位 イギリス
   2373億ドル

8位 ルクセンブルグ
   2117億ドル

9位 香港
   2026億ドル

10位 台湾
   1844億ドル

     |

「しま 2023年1月23日

ドルが紙切れだってことが
分かってしまったのです。
ロシアのドルを没収したので。

中国、中東などが、ドル
国債を買わなくなりました。

アメリカは経済制裁でロシア
をブン殴ったら、拳の骨が
折れました。

日本は貿易赤字なので
ドル国債を買えません。
ドル国債を買う国が
無くなりました」

 

 

 

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