東京ミッドタウン「デザインアワード2012年」《アートコンペ》 受賞作品「あのなる木」

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

o0600045412016171001(「写真/東京ミッドタウン」)

 

 

 

「あのなる木」(準グランプリ受賞)

      牧野永美子・山崎裕治

「あのなる木」とは、「あっ」という
ひらめきの瞬間をあらわしているそうです。

 

写真が小さくてわかりにくいと
思いますが真ん中に立っている木には
「あ」という文字がなっています。

 

そして一匹以外は下をむいて歩いている羊
のあしは、なんと、人間のあしの形を
しているのです。

 

それだけでも興味深いのですが
私がこの作品を見ると反射的にすぐ浮かぶ
のは,昨年の3.11のことです。

 

 

 

作品を展示中に3.11の地震

この作者が受賞したのは、地震の前年の
終わりですので、地震との関連はない作品です。

 

しかし、受賞後の約半年の間公開されていた
期間に、地震と原発の問題が起こりました。

 

この作品が公開されていたのは、東京ミッド
タウンから六本木駅に向かう地下通路。

 

 

 

不思議な静けさに包まれて

私はその頃、毎週土曜日の夕方は
その場所を通って麻布に行くのが常でした。

 

この、人間のあしをした羊さんの
隣りを毎週歩いていたのです。

 

その頃はどこも節電で、照明はかなり
落とされていたのですが、地下の通路では
それが一層強く感じられたものです。

 

その薄暗い地下通路に、浮かび上がるかの
ような「人間のあし付き羊」さんたち。
それは、不思議な静けさを感じさせました。

 

 

 

 

 

作品は時代とともに

この作品自体は、決して暗いものではなく、
ちょっとコミカルにさえ感じられるのですが、

 

その時の日本の社会の悲しみと不安を
私は少なからずこの作品に投影して
しまっていたのかもしれません
(作者の方には申し訳ないことですが)。

 

作者の意図とは違ってしまっては
いても、この作品は私の心のどこかに、
これからもずっと住み続けることでしょう。

 

最初に書いた、「あのなる木」が「あっ」
というひらめきの瞬間をあらわしている
としたら、現在の私達が、「あっ」と
気づくことは何なのでしょう。

 

 

 




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