「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!
「大福餅」の「餅」は、あの「お餅」のこと?
「大福」は、丸くてふっくらとしている形が
鳥のウズラに似ていることから「鶉餅
(うずらもち)」とも呼ばれていました。
また、大きくて腹もちがよいので「腹太餅
(はらぶともち)」といわれていたといいます。
江戸の小石川箪笥町にいた「おたよ」さん
(一説には「お玉」さん)が、「腹太餅」
より語感のいい「大腹餅(だいふくもち)」
と名づけて売り出しました。
その後、「大腹餅(だいふくもち)」の
「腹(ふく)」が「福(ふく)」と代わり
現在の「大福餅」になったということです。
赤坂「青野」の「大福餅」
ところでこの「大福餅」、餅という名前が
ついてはいますが、あんを包んでいる皮は
いわゆるお餅ではありませんよね?
家で簡単に作る方法としては、確かに
普通のお餅を利用して「大福餅」の
ようなものを作ることもできます。
ですが、正しい(?)「大福餅」の皮
は何で作るのだろう?、と調べてみま
したら、これが結構色々あるのですね。
「丸かじり大福」
上新粉、片栗粉、小麦粉、白玉粉、
コーンスターチ等々ということです。
ちなみに今日の冒頭の写真、十勝本舗の
「くるみ大福」の原材料は以下の通りです。
くるみあん(小豆、砂糖、水飴、くるみ、食塩)、
餅粉、砂糖、食塩、甘味料(ソルビトール)、
加工澱粉、グリシン、ph調整剤、カラメル色素、
乳化剤、酵素
「よもぎ大福」十勝本舗
以前、御紹介した同じ十勝本舗の
「よもぎ大福」の原材料は次のよう。
つぶあん(北海道十勝産小豆)、餅粉、
砂糖、よもぎ、食塩、甘味料(ソルビトール),
加工澱粉、グリシン、ph調整剤、乳化剤、
クチナシ色素、紅花色素、酵素
和菓子屋さんの大福の皮は餅粉で作る
こうして「くるみ大福」「よもぎ大福」と
2つ並べてみますと、それぞれ2番目にきて
いる「餅粉」が皮の材料でしょうね。
自宅で作る簡単大福ではなく、和菓子屋さん
で作る本格的な「大福」の皮は、今日の
十勝大福本舗のように餅粉で作るようです。
また中には、白玉粉で求肥を作理、それを
皮にしていると書いてあるものもありました。
「ごま大福」
お米から作る粉の名称
そもそもお米から作る粉は、いろいろ
な名称があってわかりづらいので
ここでちょっと整理してみましょう。
大まかに言ってしまいますと、上新粉と
白玉粉ということになるようです。
上新粉——うるち米を粉状にしたもの、
白玉粉——もち米に水を加えながら潰して
* 乾燥した後、粉状にしたもの
* 白玉粉(餅粉、寒晒粉) 上新粉
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材料 もち米 うるち米
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作り方
一晩水に浸けてから水切り 水洗いして乾燥させ
をし、水を加えながらすり 粉砕したもの
潰して挽き(水挽き)沈殿
したものを乾燥させて作る
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食感
柔らかく、つるんとして 硬めで歯切れがいい
なめらか
もちもち感、弾力がある 延びる感じはしない
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使用するお菓子
白玉団子、うぐいす餅 柏餅、草餅、
求肥等 外郎(ういろう)等
「らむれーずん大福」赤坂「青野」
もち米とうるち米で作るもの
「団子粉」
もち米とうるち米を一緒に
洗って乾燥させ製粉したもの
材料が、もち米とうるち米両方なので、
上新粉と白玉粉の食感を併せ持つ
用途はもちろんお団子
「微塵粉(みじんこ)」
もち米、またはうるち米を蒸して乾燥後、
焙煎して粉にしたもの
うるち米で作った微塵粉
* ーー和菓子等
もち米で作った微塵粉
* ーー和菓子、桜餅、おこし等
「よもぎおはぎ」ゆのたに
もち米で作るもの
「餅粉(求肥粉)」
もち米を洗って粉状にし、乾燥させて
から粉にしたもの(米も風味が強い)
大福餅、求肥、最中等に使用
(白玉粉に水と砂糖を加えて
加熱しても「求肥」ができる)
「道明寺粉」
もち米を水に浸けた後に蒸して乾燥後、
もち米を丸ごと、あるいは二つ割り、
三つ割にしたもの
桜餅、つばき餅、おはぎ等
「寒梅粉」
水に漬けたもち米を蒸し、餅に調整し
色がつかないように焼いて砕いたもの
豆菓子、押菓子、工芸菓子等
落雁(らくがん)粉
水洗いしたもち米を乾燥後、
焙煎して粉にしたもの
落雁(らくがん)
「いちご大福」
きめの細かさで異なる上新粉
「上新粉」はきめの細かさにより
「新粉」→「上新粉」→「上用粉」
と名前が変化します。
上新粉は、上用粉より粒子の荒い米粉
で、お団子や柏餅、素甘、草餅など風味
や歯ごたえを求める生菓子に使用。
粒子の細かい「上用粉」は「薯蕷粉
(じょうよこ)」ともいわれ、薯蕷饅頭
(上用饅頭)や浮島など柔らかさを求め
られるお菓子に使われるものです。
「上新粉」の元々の表記は「上糝粉」。