光沢剤? ストロベリーチョコレートCUBIE「明治製菓」

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

160324meijicubie

 

 

お皿の上にあるのが1袋分

何の気なしに麻布の
「まいばすけっと」で手にした明治の
「ストロベリーチョコレートCUBIE」。

 

1袋に28グラム入リで
この写真で1袋全部です。
少ないので、一瞬でなくなっちゃいました。

 

1袋、28グラムで 166 kcalーで、
その他には
たんぱく質 1,6g、 脂質 11.3g、
炭水化物 14.6g、    ナトリウム 16mg。

 

原材料名は
砂糖、植物油脂、全粉乳、カカオマス、
乳糖、ココアバター、いちご、パウダー、
クリーミングパウダー、脱脂粉乳、
還元水あめ、りんご、パウダー、乳化剤、
トレハロース、香料、光沢剤、酸味料、
紅麹色素。

 

 

160324cubie明治「ストロベリーチョコレートCUBIE」

 

 

袋に「折りたたんで持ちやすい」ことと
「手につきにくい  コーティングタイプ」
と書いてありました。

 

「手につきにくい」はまあいいですが
「折りたたんで持ちやすい」には
ちょっと笑ってしまいました。
見ればわかりますよね、ぐふふ。

 

 

 

光沢剤って?

さてさて、ここまでは笑っていたのです
が、原材料名の中にあった「光沢剤」
という文字がちょっと気になりました。

 

これって、何ですねん?

 

 

160324meijicubieストロベリーチョコレートCUBIE「明治」

 

 

写真でも、ストロベリーチョコレート
CUBIEがツヤツヤぴかぴかしている
のがおわかりだと思います。

 

実際の手触りも普通のチョコレート
とは違って、ワックスがけをした
キューブみたいでした。

 

確かに、このツヤピカのワックスのような
ものがあるので、袋の中でチョコレート
同士がくっついてしまうこともなく、
手で持った時に熱で溶けてしまうこと
がないのでしょう。

 

 

 

光沢剤は食品添加物の一種

そういえばフルーツには
光沢剤はよく使われていますね。

 

光沢剤という言葉自体に、ちょっと
インパクトあり過ぎの感がしますが
要はつや出しということ。

 

 

140415siranui450デコポン

 

 

光沢剤は食品添加物の一種で、湿気等から
食品を保護したり、反対に食品から水分の
蒸発を防ぐ役目を果たすために、食品の
表面に皮膜を作って保護し、光沢を与える
目的で使用されるものだということです。

 

オレンジのような柑橘類やリンゴなどにも
光沢剤が使われていますが、今まで私は見栄え
のために使用されていると思っていたのですが
水分の蒸発を防ぐ役割も担っていたのですね。

 

光沢剤を原料の違いから分類しますと
おおまかに次の4つになります。

 

1 植物性
2 動物性
3 鉱物性のワックス
4 樹脂類

 

 

141125hujiakibaeリンゴ 左が「秋映え」 右が「フジ」

 

 

 

光沢剤の種類

1 植物性 カルナウバロウなど

カルナウバヤシという木の葉の葉柄から
抽出する固形ワックスで、淡黄色から
淡褐色をした植物性のロウです。

 

カルナウバロウは植物性のワックスの
中でも融点が高く、夏の暑い時期でも
軟化しないのが特徴。

 

口紅のような化粧品、脱毛用のワックス、
またサプリメントの錠剤を成形するのにも
使われています。

 

 

shuyounohanatohatiリンゴ(秋陽)の花の蜜を吸っているハチ

 

 

 

2 動物性 ミツロウ(蜜蝋)など

蜜蝋はビーズワックス(Beeswax)とも
いい、化粧品を自分で手作りしている人
にとってはおなじみのものですね。

 

ミツバチ(働き蜂)の巣の材料を
精製したものです。

 

働き蜂の鑞分泌腺から分泌された時点では
透明ですが、巣を作り使用している過程で
花粉やプロポリス、幼虫の繭、排泄物等が
付着して黄色っぽくなります。

 

化粧品、ロウソク、あるいは整形外科手術
などで切除した骨の断面に詰める、という
ように医療にも使われています。

 

その他には、ガム、クレヨン、接着剤、
リトグラフ、ろうけつ染めにも利用されます。

 

 

blog_import_515365d179651このナスにも使われているのかな?

 

 

 

3 鉱物性のワックス マイクロクリスタンワックスなど

石油由来のワックスを使うようになった
のは、19世紀後半からと歴史は浅いものの
今では最も多く使われているワックスです。

 

石油の精製から生まれる炭化水素
で、ワセリンの仲間。
結合剤、増量剤、乳化安定剤として
化粧品に使われています。

 

石油由来のワックスは安定供給が可能な
上、品質も一定して純度が優れているため
医療品はmほぼ100パーセントが石油系
のワックスを使用しています。

 

 

shellacラックカイガラムシ由来の光沢剤「シェラック」

 

 

 

4 樹脂類 シェラックなど

シェラック(:shellac)とは、ラックカイガラ
ムシ(Laccifer lacca)や、それに近い種類の
カイガラムシの体全体を覆っている樹脂状の
物質を精製したもので、セラックともいいます。

 

カイガラムシは植物の汁を吸って生きている
吸汁性害虫ですが、吸った植物の汁には糖が
多く含まれているので、その過剰摂取を
避けるために糖を排出しています。

 

これを「甘露」といい、これに排泄物が
混じりあったものを、カイガラムシは
体にコーティングしているのです。

 

「虫体被覆物(ちゅうたいひふくぶつ)」
というそうです。

 

体表に鑞のようなコーティングがある
ために、カイガラムシには薬剤が効きにくく
駆除が厄介だともいわれています。

 

 

kaigaramushiカイガラムシのついた葉っぱ
(イラスト/「ペタDeco工房」)

 

 

 

世界中どこにでもいる虫

これを知って、ふ〜ん、世の中には
体に鎧のような膜をつけている虫が
いるなんておもしろいなぁ、

 

こんなに珍しい虫を知ることが
できるのもブログをやっていた
おかげ、などと思ったのですが……。

 

このカイガラムシ、ちっとも
珍しい虫ではないようです。
世界中に分布していて、植物がある所なら必ず
いる、というほどありふれた虫なのだとか。

 

 

ピエール・ガニョールの「ピスタチオと
オレンジムースなんとか」という名前のケーキ
ついているのテントウムシだよ

 

 

カイガラムシについての情報を読んでいる時、
排出物の「甘露」が植物の葉につくとべとべと
して云々、という所で気づきました。

 

昔、家にあった2メートル近い観葉植物の
鉢植えにもいたのもカイガラムシだったのかも……。

 

葉の部分がべとべとして不思議だなぁ
と思っていたのですが。
もしかしたらうちにもいたのかも
しれませんね、カイガラムシ。

 

 

76fadb7edf2aa097aaa2d04d8097b755シェラックが塗装されているヴァイオリン

 

 

などとカイガラムシに寄り道をしてしまいまし
たが、カイガラムシの中のラックカイガラムシ
の体を覆っている物質を精製したものが
光沢剤として使われているわけです。

 

医薬品の錠剤やフルーツの表面のワックス
として、またチョコレートボールや天津甘栗
などの食品にも使用しています。

 

おもしろいところでは、ヴァイオリン
やチェロなどの弦楽器も、シェラック
で塗装しているのだとか。

 

なおラッカー塗装などとよく聞きますが
これは、ラックカイガラムシから
きている言葉だそうです。

 




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