大豆(ダイズ) 大いなる豆

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30%以上がたんぱく質

大豆といえば「畑の肉」といわれますが
この言葉が生まれたのはドイツだそうです。
一方、大豆を「大地の黄金」というのはアメリカ。

 

様々な場所でこのようにいわれるのは
大豆がアミノ酸バランスのよい良質な
タンパク質を多く含んだ食品だからです。

 

乾燥した大豆の状態の30%以上
がタンパク質ということです。

 

牛肉のサーロイン(約68%は水分)のタン
パク質の含有量は、約21%ですが、同じ位
の水分(約64%)を含んでいる茹でた大豆
の場合のタンパク質含有量は約16%です。

 

 

乾燥「大豆」

 

 

大豆やイネ、トウモロコシ、ゴマ、ピーナッツに
タンパク質、炭水化物、脂質、水分がどの程度の
割合で含まれているかを比べてみたのが次の表です。

 

    タンパク質 炭水化物 脂質  水分
________________________
ダイス(ゆで)
      16,0    9,7      9,0    63,5(%)

イネ(生)
       6,1    77,1      0,9    15,5

トウモロコシ(生)
       3,6   16,8    1,7     77,1

ゴマ(むき)
      19,3   18,8     54,9    4,1

ピーナッツ(乾燥)
      25,4     18,8     47,5     6,0

  (田中修「クイズ 植物入門」講談社2005)

 

 

上の乾燥大豆を水に戻したもの

 

 

 

吸収率もバツグン

人間の筋肉や内臓などの組織を作る成分である
タンパク質は、生命の維持に欠かせない不可欠な
ものであり、三大栄養素の一つでもあります。
(三大栄養素=タンパク質、脂質、炭水化物)

 

たんぱく質の英語「プロテイン(Protein)」は
ギリシャ語の「 Proteus)最も大事なものの意」
からきています。

 

必須アミノ酸をバランスよく含んでいる良質な
タンパク質の代表的なものは肉や卵ですが
大豆は植物性食品でありながら、肉や卵にも
負けないほどの良質なタンパク質を含んでいます。

 

 

 

 

また、摂取したタンパク質の消化吸収
においても大豆はスグレモノ。

 

大豆のタンパク質の消化吸収率は、
納豆で91%、お豆腐で95%という高吸収率。

 

つまり大豆は、良質のタンパク質をたくさん
含み、なおかつ高吸収率というわけです。

 

 

デザイナーズフーズに
入っている「ショウガ」

 

 

これらの大豆の良質なタンパク質は、

・心臓病のリスクを低減させ、
・骨を丈夫にしたり、骨粗しょう症の予防、
・更年期障害を軽減させ、
・肥満予防効果があり、ダイエット効果を高める

というような働きをします。

 

アメリカ合衆国政府が発表した、ガンの予防
に効果があると考えられる食品「デザイナー
ズフーズ」の中にも大豆は含まれています。

 

アメリカ国立ガン研究所による
「デザイナーズフーズ」とは、

 

ニンニク、キャベツ、ショウガ、
ニンジン、セロリ、甘草、パース
ニップ、大豆の全部で8つです。
(「パースニップ」については次回)

 

 

デザイナーズフーズに
入っている「ニンジン」

 

 

原産地は……

パースニップとともに、ガン予防に効果がある
食品ベスト8に選ばれた大豆ですが、原産地に
ついてははっきりしたことはわかっていないよう。

 

昔は満州、シベリア説が有力だったといいます
が、次第に中国河南説も多く出てきています。

 

一般的には紀元前2000年以前から、中国のかなり
広い範囲で栽培されていてその後、朝鮮半島や
東南アジアに広まっていったといわれています。

 

 

大豆の「実」、左下にあるのは小さなピンク色の花

 

 

 

日本へは弥生時代に

日本へは、弥生時代に水稲とともに
入ってきたとも、あるいはそれより
少し遅れて入ったともいわれていてます。

 

縄文遺跡には、ツルマメ、リョクトウ
などの小さな豆は出土していますが、大豆
のような大きな豆の出土はないそうです。

 

奈良時代に中国との交流が盛んになってからは
仏教とともに味噌、醤油などの大豆の加工品が
その加工方法とともに伝わってきました。

 

「古事記」にも「豆」という文字が記されて
いるそうですが、当時は大豆は貴重なもので
一般庶民には普及していませんでした。

 

 

「黒豆」も大豆の仲間

 

 

 

鎌倉時代から栽培が広がる

日本で大豆を栽培するようになったのは
鎌倉時代以降といわれています。

 

大豆の栽培が広まるに従い加工秘術も
また発達し味噌、醤油、納豆、豆腐、
きな粉、おから、湯葉等、大豆の加工品
が作られるようになってゆきました。

 

大豆はまた、侍や農民たちの戦(いくさ)時
の保存食としても大切なものでもありました。

 

 

「通の枝豆」亀田製菓

 

 

 

大豆の若い豆が「枝豆」

本来、「枝豆」は、大豆の未熟なまだ若い豆
をさしていましたが、現在は枝豆用の品種が
開発され、その数は400種以上にも上ります。

 

枝豆専用種は収穫の期間が短く、収穫後は
すぐ味が落ちてしまうので、もっぱら産地
で消費され他県に出回らないため、その
土地土地で品種が増えたようです。

 

またこのように大豆を少々早めに収穫し
て、枝豆として食べるようになったのも
いつの頃からかわからないそうですが、

 

江戸時代には夏になるとエダマメ売りの
姿を町で見ることができたということです。

 

枝豆を枝から取らずにそのまま茹でて路上
で売り、「枝付き豆」「枝成り豆」と言った
ことから「枝豆」という言葉が生まれました。

 

また、陰暦の9月13日を「豆名月」と呼んで
エダマメを供える習慣もありました。

 

 

「枝豆のヴィシソワーズ」日本ハインツ

 

 

 

海を越えた「枝豆」

また最近は、枝豆さん海を越えているそうです。
健康志向に伴い日本食がブームであることも
あり枝豆も2000年頃から、北米やヨーロッパ
でも食べられるようになっているとか。

 

イギリスなどの英語圏では
「green soy beans」とか、そのまま
「edamame」とも呼ばれているようです。

 

アメリカではフットボールや野球を観戦
しながら食べるものとして、スタジアム内
の売店で置いているところもあるそうです。

 

 

「ダイズ」の収穫(!)

 

 

 

「大いなる豆」

大豆には粒の大きさ以外に
色の違うたくさんの種類があります。
黄色、白色、緑色などで、おせち料理に
黒豆も大豆の仲間「黒大豆」。

 

大粒種は、煮豆などのようにそのまま調理
するものに使われ、中粒種は、豆腐、味噌、
醤油などの加工品に多く使われ、小粒種は
主に納豆になるようです。

 

また「大豆(だいず)」という名前の
由来は「大いなる」豆、立派な豆
というところからきているそうです。

 

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