セイタカアワダチソウ

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花粉症の原因どころか様々な不調を助ける救世主

日本では長らく悪者扱いだった(今も?)
セイタカアワダチソウ ですが、なんと
意外にも役に立つ植物です。

 

アメリカではハーブとして様々な薬効
が認められているようですし、ハチミツ
の蜜源植物としても大活躍しています。

 

ハーブティーとして飲んだり、食べ
ることができるのはもちろんのこと、

 

セイタカアワダチソウの花には、長年
使ってきたステロイドや薬などの化学
物質を排出する作用があるそうです。

 

 

 

 

 

細胞賦活作用等々

また、アトピーのかゆみや喘息、人工透析
をしている腎臓病の人や膠原病にも良い
などと聞くと、思わずホント?と言って
しまいそうですが。

 

抗炎症作用、がん細胞抑制作用、
抗菌作用、酸化防止作用、造血作用、
細胞賦活作用というように浄血を助けて
細胞に活力をつけるということです。

 

葉には、多数のポリフェノール成分、
炎症を緩和するフラボノイドも含まれ
  抗酸化活性
  ラジカル消去活性
  抗変異原性染色体保護作用
  肝機能保護作用
  抗がん活性
  メラニン形成阻害
  抗菌活性
  血糖上昇抑制作用
  精神安定作用
などの特性をもちます。

 

ヨーロッパでは、葉を潰して、虫刺
さされやケガの止血・清浄液として、

 

アメリカでは、ネイティブアメリカン
の民間薬として整腸剤や風邪、ケガ
などに使われていました。

 

今は、あいにくセイタカアワダチソウ の花
の時期ではありませんが、数か月後のチャ
ンスに備えて作り方を書いておきましょう。

 

 

セイタカアワダチソウ

 

 

 

セイタカアワダチソウで作る

A アトピー性皮膚炎を改善する
    お風呂用の乾燥葉の作り方

 

1 花が開く前のツボミの頃に、上から
 30〜40cmほどを切って洗い、風通し
 の良い場所で天日干しにます。

(酵素はツボミにたくさん含まれて
* いるので、開いて酵素が減ってしまう
* 前のツボミを採取することが重要。
 花穂の蜜の中に酵素が多くありますが
 葉や茎にも染み込んでいるそうです)

 

2 これを15〜20本、布袋に入れて
 お風呂を沸かす時に一緒に入れるだけ。
 できれば追い焚き式のお風呂がよく
 翌日も水を変えずに追い焚きをすると
 1日目より成分が染み出し、
 3日目は色も濃くなってゆき、
 5日位は入ることができます。

 

☆ この以外にも、乾燥させたセイタカ
* アワダチソウ(1)をお鍋で煮出し
* たものを、沸いた浴槽に入れる
* という方法もあります。
* その場合、酵素が壊れてしまう50度〜
* 60度にならないように注意しましょう。
* 入浴に適した40度位が、酵素の働きが
* 活発になるということです。

 

☆ ちなみにお風呂を追い焚きにしたり、
 水を薄めたりすると、泡がブクブクと
 出てくるので、背高泡立草という名前
 なのだとか。
 サポニンが含まれているのですね。

 

 

 

 

このセイタカアワダチソウの乾燥葉入り
お風呂は、呼吸と経皮吸収の両方から
酵素を体内に取り入れて解毒します。

 

また、酵素や発酵菌、常在菌が体表
にある化学物質や不純物を排出して
アトピー性皮膚炎やアレルギー症状
を軽くしてくれるそうです。

 

 

 

B セイタカアワダチソウ茶の作り方

1 お風呂に使うものと同様、ツボミ
 の状態のものを上から20cmほど
 切り、洗った後に、風通しのよい
 場所で乾燥させます。

 

2 3日から1週間ほど乾燥したものを
 ハサミで適当に切って、フライパン
 で煎ります。

 

3 お茶のパックに詰めて、10〜20分
 ほど煮出して出来上がりです。
 ちょっと飲みづらいかなと思った
 ら、他のお茶とブレンドしても。

 

 

 

 

 

C セイタカアワダチソウをお料理に

若芽の先端、10cmほどは、いわゆる
野草として様々なものに使うことが
できるそうです。

 

ただ、香りが高いというか強すぎる
傾向も否めませんので、それを和ら
げるための一手間が必要とのこと。

 

お塩を少し入れたお湯に、セイタカ
アワダチソウを入れ、火を通した後
水にさらしておく(一晩位)と俄然
食べやすくなるようです。

 

 

 

 

このように処理したものは、ボイル
した野菜と同じように、色々なお料
理に使用することができます。

 

また、野草料理の定番の天ぷらの場合
はもちろん、ボイルせず調理しますが
結構美味しいということですよ。

 

 

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花粉症原因植物の濡れ衣を着せられた「セイタカアワダチソウ」

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セイタカアワダチソウは「虫媒花」

スギ以外の花粉症の原因となる
植物の一つとして、キク科の
ブタクサを取り上げましたが、

 

実は、ブタクサが花粉症の原因と
判明される以前、他の植物が疑われ
て濡れ衣を着せられていました。

 

その植物が「セイタカアワダチソウ」、
北アメリカ原産の帰化植物で、キク科
アキノキリンソウ属で大型の多年草。

 

ブタクサも同じ北アメリカ原産の
帰化植物ですが、こちらは1年草です。

 

大きく異なるのは、ブタクサは風媒花で
セイタカアワダチソウは虫媒花ということ、
風による受粉が主ではありません。

 

 

 

ブタクサ(豚草)

 

 

   ブタクサ  セイタカアワダチソウ
*  _________________ 

*  花 10〜11月    9〜11月
*  _________________

*  アメリカ原産   アメリカ原産
   帰化植物     帰化植物
*  _________________

   雌雄同株       両性花
*  _________________

 * 要注意外来生物  要注意外来生物
*  _________________

   黄色の小花    黄色の花
(遠目では緑白色)
*  _________________

    1年草       多年草
*  _________________

     風媒花      虫媒花
*  _________________

 

 

セイタカアワダチソウ(背高泡立草)
(写真/「花かんざし」)

 

 

 

セイタカアワダチソウ(背高泡立草)

学名は、「 Solidago altissima L.」。

 

英名は、「Canada Goldenrod(カナダ・
ゴールデンロッド)」「Late Goldenrod
(レイト・ゴールデンロッド)」など。
(Goldenrodは「秋の麒麟草」の意)

 

以前はアメリカでも、セイタカアワダチ
ソウが 花粉症の原因と思われていましたが
疑いの晴れた現在ではめでたく、ネブラスカ
州とケンタッキー州の州花となっています。

 

日本での別名は「セイタカアキノキリンソウ
(背高秋の麒麟草)」「ダイハギ(代萩)」。

 

「ダイハギ」は萩の切り花の代用として、
また萩の茎を乾燥して作る簾(スダレ)
の代用として用いることからつけられた
名前です。

 

 

 

 

そうそう、セイタカアワダチソウ
って、日本には観賞用、園芸目的
で輸入されたのですよね。

 

どうも悪者のイメージが強く、観賞用
と聞くと少々違和感さえ感じてしまい
ますが(ごめんセイタカアワダチソウ)。

 

すでに昭和の初めには帰化植物として
認識されていたものの多くの人の目に入る
ようになったのは、第二次世界大戦後。

 

アメリカ軍の輸入物資に、タネが付着
していたのが原因と考えられています。

 

 

 

 

 

1960年代には社会問題に

現在は、外来生物法による要注意外来生物
に指定されている他、日本生態学会では
日本の侵略的外来種ワースト100に選ばれ
るという不名誉なセイタカアワダチソウ。

 

実は1960年代、セイタカアワダチ
ソウは社会問題となっていました。

 

戦後の休耕田となった土地に繁殖して
いたことや、当時は花粉症や気管支
喘息の原因と思われていたからです。

 

「操車場 泡立草が 押し寄せて
          大島民郎」

 

などという俳句もあるほどでした。

 

 

溜池山王駅アート「萩」

 

 

 

アレロパシー

しかもセイタカアワダチソウは、地下茎など
から、他の植物の生育を抑制する物質を分泌
している「アレロパシー・他感作用・
allelopathy」をもっていることも判明。

 

「cis-DMA」という根の乾物中に含ま
れている物質が、生育している土壌
にも含まれていることを、千葉大の
沼田真教授が論文にまとめています。

 

cis-DMA の存在は、イネ、ブタクサ、
ススキの生育を著しく抑制します。

 

しかし、cis-DMA  が一定量以上になると
セイタカアワダチソウ自身のタネに対して
も強い発芽障害を起こすというのです。

 

 

「女郎花(おみなえし)」 赤坂「青野」

 

 

 

ススキ  →  セイタカアワダチソウ  →  ススキ

野原等にモンスターのように侵入して
一見、ススキを駆逐してしまったよう
に見えたセイタカアワダチソウでした。

 

しかし、沼田教授によりますとわずか
3〜4年であたり一面、セイタカアワダ
チソウになった場所が、今度は3年で
ススキが優勢になったということです。

 

乾燥した場所ではススキが有利で、
湿った場所ではセイタカアワダチソウ
が優勢。

 

というのは、湿った場所ではアレロ
パシー物質が染み出しやすいからです。

 

しかし、これらの変遷を繰り返す草原も
草刈りや火入れ等の人の手が入らなければ
10年程度で、アカマツやシラカンバなど
が侵入して、草原から低木林に変わります。

 

一方、北アメリカではススキが外来種と
してセイタカアワダチソウの生息地を脅か
している、というのもおもしろいですね。

 

 

溜池山王駅アート「月」

 

 

などなど、いずれにしても
植物の戦略は本当に興味深いです。

 

また、セイタカアワダチソウは
北アメリカではハーブとしても知ら
れ様々な利用法もあるそうです。

 

アレロパシーや花粉症等、散々に言われた
セイタカアワダチソウでしたが、今では
日本に居場所を見つけたのでしょうか?

 

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