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お砂糖は体に「良い」?、「悪い」?
前回は、甜菜糖は体に良いか否かということを
考えてみましたが、それ以前の問題として
そもそも白砂糖(上白糖)はどうなのでしょう?
白砂糖は悪魔の粉、諸悪の根源とでもいうような
勢いで否定する人もいる一方、脳の唯一の栄養は
ブドウ糖なのだから必要なものだとする記事もあり
というように、お砂糖論争は随分前からありました。
10年以上前でしたか、選挙前になると俳優の小泉孝太郎
の製糖工業会の「砂糖消費拡大推進事業」のCMがTVで
流れ、駅にはポスターが貼られていたことがありました。
「お砂糖“真”時代協議会」作の問題CM
小泉という名前とポスターの作りから、一瞬
選挙のボスターかと見紛うばかりなのですが
これはれっきとしたお砂糖のCM。
1990年代に流れていたのですが、ほんの2年ほど
前にも放映され、これはかなり問題になった
CMだということです。
そのCMは
* 「脳の唯一のエネルギーはブドウ糖
* ↓
* 「脳はブドウ糖をためておくことができない」
* ↓
* 「お砂糖はブドウ糖と果糖で出来ている」
* ↓
* 「お砂糖を摂ろう」
という流れで、これは「お砂糖“真”時代協議会」という
ところが作ったそうです。(「砂糖のCMがゾンビ
のように復活!! 怒り心頭!! あおい歯科ブログ」)
このCMの内容が間違っているということを「JARO
(公益社団法人日本広告審査機構)に報告して
善処するかの回答を得たものの、結局
のらりくらりと放映しているということでした。
白砂糖が体に及ぼす影響
● 骨や歯や血管に蓄えられたカルシウムを奪う
● 肥満や心臓病になりやすい
● 生活習慣病やガンを誘発しやすい
● ビタミンB1欠乏症になる
● 短気、イライラ、怒りっぽい性格になる
● 疲労感を引き起こす
等々、白砂糖の害はこの他にも
たくさんあるということです。
白砂糖は「食品添加物」!
白砂糖が様々な悪影響を体に引き起こすのは
代表的な精製食品だからです。
作る過程の精製時にさまざまな薬剤を使用する
ために、出来上がった白砂糖は、自然界に存在
しない有害な食品添加物になっているのです。
白砂糖は原料であるサトウキビの茎を砕いて
圧縮し、搾り取った甘い汁を何度も加工しますが
その時に使われる化学物質とは、苛性ソーダ
(強アルカリ性)や硫酸(強酸性)。
これらは本来食品に使用できない危険な劇薬なの
ですが、これを使って出来たものをまた精製すると
色がだんだん薄くなってゆき、最終的には
粒の細かい純白の結晶が出来るのです。
* 粗糖(精製される前の砂糖、茶色)
* ——黒砂糖、和三盆
* 精製糖
* ——上白糖、三温糖、グラニュー糖、
* 加工糖(角砂糖、氷砂糖、粉砂糖)
ショ糖は悪玉菌の餌となる
白砂糖の主成分はショ糖ですが、ショ糖は
果糖とブドウ糖がくっついて出来たものです。
(ショ糖=果糖+ブドウ糖)
それぞれ単独では優れた栄養素である
果糖とブドウ糖も、二つの分子がついた
ショ糖になりますと、たちまち悪玉に変身。
胃酸や消化酵素が働きかけても切り離すのは難しく
消化不良になってしまうことが多々あります。
消化されずに残ったショ糖は、胃や小腸、
大腸で真菌や悪玉菌、ウイルスなどの
栄養素となり。悪玉菌が増えてしまう結果に。
悪玉菌が増えると、体を守る白血球は
悪玉菌退治に働きだします。
こうして悪玉菌を殺したあとの白血球の
死骸から今度は大量の活性酸素が生まれ
臓器が損傷を受けて病気を招いてしまうのです。
「ブドウ糖=砂糖」ではない
先ほどの「お砂糖“真”時代協議会」が作ったCMは
脳のためにブドウ糖=砂糖を摂ろう、と強引に
結びつけていますが、
ブドウ糖が含まれているのは、砂糖だけではなく
御飯もパンも、パスタやお芋、ニンジン
その他、色々なものに糖質は含まれています。
お砂糖の単純な構造(単糖類、二糖類)は、血液に
吸収されやすいため、急激な血糖値の上昇を招きます。
すると脳は危険信号を発し、脾臓からインシュリンが
出て、血糖値を下げますが、今度は血糖値が下がり
過ぎてしまうことになって、副腎からアドレナリン
やノルアドレナリン、コルチゾール等を分泌。
このアドレナリンやノルアドレナリンは、感情に関与し
キレやすく、イライラと怒ったりという状態を引き
起こし、副腎を刺激し過ぎることで、ホルモンが
出なくなる状態になってしまうこともあります。
肥満、ビタミン等を奪う
このようなお砂糖による急激な血糖値の上昇よりは
むしろゆっくり消化吸収をする、低GIの食べ物の方が
供給が安定するといわれています。
つまり普通に食事をしていれば
ブドウ糖は供給されるのです。
しかも血糖値は普通、一定にしようと働くので
お砂糖を摂取後、一瞬の血糖値の上昇はあっても
余った糖分はグリコーゲンとして肝臓にたまったり
脂肪として体についてしまいます。
その上、糖が体の中で働こうとする時には
さまざまなビタミンやミネラルを必要としますが
精製されつくしている白砂糖にはそれらがないため
体にあるビタミンやミネラルを奪うことになります。
「脳に糖分が必要」は都市伝説
これが骨を作ったり、神経伝達物質を作ったりという
体の中の重要な作業の邪魔をすることにもなるのです。
美肌に必要なビタミンB群も奪ってしまいます。
「お砂糖“真”時代協議会」作の問題CMでは、お砂糖
を摂らないと大変だよ、と脅すが如くでしたが
実は最近の研究によればブドウ糖がなくても、脳は
脂肪から発生するケトン体で充分に機能するのだとか。
「いや、脳には糖分が必要なはずだ、という意見もある
かもしれませんが、それは都市伝説のようなもので
現代医学ではまったくのウソということに
なっています。」(大櫛陽一東海大学名誉教授)
お砂糖依存症
白砂糖を摂ると、脳のアヘン剤受容体を刺激し
脳の神経伝達物質であるドーパミンを、大量に
分泌させ、血糖が急激に増えると脳の中では
セロトニンという快楽物質がでます。
甘いものを食べることにより、エンドルフィンという
脳内モルヒネも放出され、脳の快感中枢が刺激され
というように、お砂糖をとることは、白砂糖中毒と
いう麻薬的な常習性、砂糖依存をもたらします。
またこの依存は、より多くの刺激を
求めるようになってしまうのです。
ここまでは理解できるのですが
ここで意外なことを知りました。
それはお砂糖とは反対の味覚、お塩のこと。
甘いものを欲するのは塩不足
甘いものが食べたくなるというのは
塩不足からきているというのです。
肝臓がブドウ糖を作る能力を下げてしまった結果、
血糖値が下がるので疲れやすくなり
甘いものを欲するのだとか。
それと同じなのかはわかりませんが、お砂糖を調理に
使わないようにする工夫として、野菜等をゆでる時に
精製塩ではない自然塩を入れると,素材の持っている
甘さが引き出される、と読んだこともあります。
これは試してみて、確かに実感としてわかりました。
そういえば(これも同じではないかもしれませんが)
お汁粉などの甘いものを作る時に、「隠し塩」と
いってお塩をほんの少し使いますものね。
お砂糖とお塩は反対の味覚でありながら
なにやら関係があるのかもしれませんね。
とにもかくにもこれからは、お砂糖の使用を
少しだけ控えめにしてみようかと思っています。