「若冲と蕪村」サントリー美術館 東京ミッドタウン

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「蕪村庵」のおせんべい

昨日、お話しした若冲と蕪村に関する
意外なグッズとはこの写真のおせんべい。

 

サントリー美術館のショップで食品が
置いてあったのは初めて見ました。
(勿論、併設されているカフェ「不室屋」
以外では、という意味ですが)

 

ただしこのおせんべい、ただの
おせんべいではありませんよ。
「六角醤油せんべい」という名前で
作っているのは、その名も「蕪村庵」!

 

蕪村庵の本店は、京都六角堂にある
いかにも京都という感じの町家作りのお店です。

 

 

 

honten03蕪村庵本店 京都六角堂(写真/「蕪村庵」)

 

 

 

40歳頃から京都に定住

蕪村は享保元年(1718年)に摂津の国(大坂)
の農家に生まれ、20歳前に江戸に行き夜半亭宋阿
(やはんていそうあ)に俳句を学びます。

 

27歳の時に師匠の宋阿が亡くなり、芭蕉の
足跡をたどる如くに東北、宇都宮等を遊歴。

 

35歳頃に京に上った後、丹波に3年ほど
過ごしてから京都に戻り、俳諧と絵画の分野で
活躍し、天明3年(1783年)、68歳で没。

 

京都市下京区に「与謝蕪村宅跡」
という石碑があるそうです。

 

 

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蕪村って絵も描くの?

中学生までの私は、蕪村は俳人だと思っていました。

 

「菜の花や 月は東に 日は西に」
「春の海 終日(ひねもす)のたりのたりかな」
は有名ですね。

 

 

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45歳で妻を娶り、55歳で宗匠となり
師の夜半亭宋阿の跡を継ぎ夜半亭二世を襲名。
そんな遅咲きの蕪村が60歳、
還暦の年に作った句がこちら。

 

 

「遅き日の つもりて遠き むかしかな」

 

「遅き日」は春の季語で、日の入りが遅くなる春の描写。
日の遅くなる春を、何度も経てきたことを感慨深く
詠んでいる句だそうです。(「蕪村庵『蕪村浪漫』」)

 

 

dlineimgl2_7重要文化財 鳶・鴉図 与謝蕪村筆 双幅 18世紀
北村美術館蔵(写真/「サントリー美術館」)

 

 

 

故郷へ帰らなかった蕪村

40過ぎて京都に定住する以前は江戸、東北等を
長い年月放浪していたようですが、蕪村は
その間、故郷へ帰っていないともいわれています。

 

以前、テレビ東京の「美の巨人達」で
与謝蕪村を取り上げた時に、蕪村は婚外子
だとの説明を聞いた覚えがあります。

 

蕪村が故郷に帰らなかったということが事実
だとしたら、そんなことも影響しているのかな、
と勝手な想像をしたりして。

 

 

 

「黒」と「白」

今回の「若冲と蕪村」のポスターはこちらですが
右半分が若冲で、左が上にあげた蕪村の絵の一部です。

 

 

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ということで私は蕪村は絵画より、文字の方が
印象が強くて、絵はそれほど引き込まれなかった
のですがこのカラスの絵は凄い!

 

一方、お隣りの若冲はカラス
の黒とは対照的に白い象。
いかにもじゃくちゅう〜、という
感じでこちらも面白いです。

 

 

 

若冲の墨絵が素敵

私が初めて若冲の絵を知ったのは、色鮮やかな鶏の絵。
う〜ん、凄い絵なんでしょうけど、ちょっと恐い
と鶏が苦手な私は、正直ちょっと
引き気味だったことを思い出します。

 

若冲といえば極彩色、というイメージが私の中に
ありましたが、今回の「若冲と蕪村」で見た
インゲン豆とトウモロコシの墨絵は驚き!

 

いや〜、素敵でした。
若冲って上手!(って、怒られるよ!)

 

伊藤若冲は、1716年に京都錦小路の青物問屋
「桝屋(ますや)」の長子として生まれ
1800年に85歳で亡くなっています。

 

 

 

dlineimgl1_7象と鯨図屏風 伊藤若冲筆六曲一双 寛政9年(1797)
MIHO MUSEUM蔵(写真/「サントリー美術館」)

 

 

 

若冲も、40歳で隠居をし画業に専念

長男だったため、23歳の時には家業の青物問屋
を継ぎますが、40歳で次弟に家督を譲り
自身は隠居をして、絵を描くことに専念。

 

今回の展覧会には、若冲の弟(これが家業
を譲った弟かは定かではありませんが)
の描いた絵も出品されていました。

 

カメを描いたちょっとおどけた可愛らしい絵
でしたが雅号が面白いです、その名も「白歳」。

 

青物問屋ですので「白菜(はくさい)」
の音を持つ「白歳」、などとつけて、
兄弟で戯れていた様子が目に浮かびますね。

 

 

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そうそう、蕪村庵のおせんべいがあったショップに
「蕪村さんも大好き六角せんべい」と
サントリー美術館らしからぬ
お茶目な言葉が添えられていました。

 

そこでわたくしめも、めちゃくちゃな関西弁で
「ほんまかいな!」と心の中で返しておきましたよ。

 

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