ハチミツ容器が壊れた理由は?

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届いたハチミツが液漏れ

5月2日のお昼過ぎ頃に宅配便が届きました。
よくあるタイプの紙袋が2つ。
1つが2〜3Kgといったところでしょうか。

 

袋の中には、乾燥わかめやゴマなどが
入っていたのですが、2つ目の袋の中身
を取り出した時に、抱えていた腕の部分
にちょっとベタつくものが付着しました。

 

袋から出してキッチンのシンクにもって
行って見ると、よくあるタイプのポリエ
チレン容器に入っているハチミツ。

 

 

 

 

 

底の部分が切り取ったように割れて

驚いたのは、ハチミツが漏れた原因が
フタの緩み等ではなく、容器の底の
部分が破損していたことでした。

 

底からハチミツがもれていましたので
容器をさかさまにしてコップに置いたので
すが、なんとも不思議な感じがします。

 

この種の容器は現在、うちにもいくつか
ありますが、かなり丈夫でこんな風に割れる
ことはちょっと考えられないからです。

 

 

 

1 ぶつかった衝撃で割れた?

破損が、何かにぶつかったことによるのならば
底ではなく、底から直角に立ち上がっている
角の部分が一番ぶつかりやすくも思えますが。

 

 

 

 

あるいは、角の部分は案外丈夫に
できているため、その影響が底に
及んだのかもしれませんが。

 

また、このハチミツを含め、いくつ
かの品物が入っていた紙袋には、穴
はおろか何の傷も見当たりません。

 

次の写真のように、もれ出たハチミツが
袋の底の部分にいくらかついているだけ。

 

 

 

 

袋だけではなく、ハチミツ自体を包んで
いた紙にも、何かがぶつかったような衝撃
の痕跡はまったく見当たりませんでした。

 

(包装紙全体を写真に撮ってありますが
このハチミツのメーカーが特定される
と申しわけないので、ここには載せない
ことにします)

 

 

 

2 ハチミツの発酵による爆発?

あと考えられることは発酵。
ハチミツが発酵して爆発(?)
をすることはあるようです。

 

発酵の力はかなりのものですので
この丈夫な容器が割れることも
あり得るのかもしれません。

 

袋や包装紙に外傷がないことから
最初、私は発酵説の可能性も
高いと思いました。

 

ですが肝心のハチミツは(といっても
私は発酵したハチミツを見たことは
ないのですが)そうとは見えません。

 

見た目も発酵したとは思えないばかりか
少なくとも、味は完全に普通の味でした。

 

 

 

 

 

3 ゆっくり強い力が加わった?

となりますと、内側からの力ではなく
外からのものということになりますね。

 

袋や包装紙に痕跡は残らなくても
いわば静かに、じわじわと力がかかって
容器が割れてしまったのでしょうか?

 

紙袋の上に重い荷物が、後から後から
重なってゆき、下にあったハチミツ容器
が耐えきれずに割れてしまったとか。

 

でもそうだとしたら、一緒に入っていた
薄い紙の箱に入ったクッキーなどは
ボロボロになっているはずです。

 

そもそも袋の中には、重いもの、硬い
もの、尖ったものは入っていません
でしたので、入っていたもの同士に
よる破損は考えられませんし……。

 

 

 

 

 

4 容器自体に問題があった?

ポリエチレン容器に、最初から不具合が
あったということはあり得るでしょうか?

 

ちょっと見ただけではそれに気づかない
ため、普通にハチミツを入れたが思いの外
力が加わり割れてしまったというように。

 

1 ぶつかった衝撃で割れた
2 ハチミツの発酵による爆発
3 ゆっくり強い力が加わった
4 容器自体に問題があった

 

今、考えられる原因を4つほど並べて
みましたが、どれも決め手に欠けるよう
な気がするというのが正直なところです。

 

一体、このハチミツ容器に
何か起きたのでしょうか?

 

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ハチミツ「甘露蜂蜜」「単花蜜」「百花蜜」

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ハチミツ、色々

この写真に写っている、瓶入りのものはハチミツです。
薄い黄色のようなものから、濃い茶色に見えるもの
まで様々な色がありますが、全部ハチミツ。

 

ミツバチが集めてきた花の種類によって
ハチミツの色は異なるのです。

 

同じ花からできたハチミツでも、咲いていた
場所や気候によっても色は違うようですので
本当に千差万別といったところ。

 

世界中で、1000種類を超える
ハチミツがあるということです。

 

ハチミツといえば花の蜜、とばかり思って
いましたが、それだけではなく、木の液、
樹液から取れるハチミツ(甘露ミツ、甘露蜂蜜)
というものもあるそう。

 

 

 

 

 

ヨーロッパ伝統の「森の蜜」

甘露蜂蜜はヨーロッパの家庭で伝統的に
用いられ、愛されてきたハチミツで
「森の蜜」の名でも親しまれています。

 

甘露ハチミツとは、木の樹液を吸ったあとの虫が
樹木の幹や葉っぱに、糖分(シロップ)だけを
分泌し残していったものを、ミツバチが集めて
ハチミツに仕上げたもの。

 

木々の樹液が朝露のように光ることから「ハニーデュー
(honeydew)甘露蜜」と呼ばれることもあります。

 

 

 

 

樹液の出る木とは、マツやモミ、カシ、
ブナ、トウヒなどで樹液を吸う虫というのは
カイガラムシやアリマキ等々。

 

それらの虫が分泌した糖分を、ミツバチが採取して
ハチミツにする、ということは、甘露ハチミツ作り
には2種類の昆虫が関わっているために、二重の
酵素が含まれているということになります。

 

虫たちは、樹皮に口針(こうしん)を
突き刺して樹液を吸います。

 

樹液には、虫の必要とする量以上の
多くの糖分が含まれているので
余った糖分は体の外に分泌されます。

 

 

メカルファ(写真/「 Wikipedia」)

 

 

 

2種類の昆虫が作るハチミツ

この写真の虫は「メカルファ(Metcalfa Pruinosa)」
と呼ばれる白くて小さい虫で、アブラムシや
カメムシと同じような昆虫だそう。

 

日本語名は不明ですが、英語名は
「Citrus flatid planthopper」です。

 

このメカルファが、樹木のリンパ分泌液から
タンパク質だけを消化し、余分な糖分を
分泌して葉っぱに残したものが次の写真。

 

 

葉についている白いものが虫が分泌した糖分
これを使ってミツバチが甘露ハチミツを作る
(写真/「イタリア発ハチミツづくり」

 

 

私にはこれが何の木なのかはわかりませんが
葉っぱについている白っぽいものが、メカルファの
分泌したもので、ハチミツの原料となる甘露
(英語「Honeydew」、イタリア語「Melata」)
だそうです。

 

 

 

花のない季節のハチミツ材料

北イタリアの農業地帯では、7月半ばから8月は
とても暑く乾燥していて花があまり咲かないため
ミツバチたちはこの甘露蜜を、花蜜がわりに
せっせと持ち帰って、ハチミツづくりをします。

 

 

 

 

メカルファという虫は、1980年代に北米から
北イタリアのヴェネト州にやって来た虫です。
天敵がいなかったことも幸いして
近隣のヨーロッパ諸国に広がっていきました。

 

このメカルファ、実は果樹園やワイナリーに
とっては害虫なのだそうですが、養蜂家に
とってはありがたい存在だということ。

 

人間の都合により害虫でもあり、
益虫にもなるわけですね(…複雑…)。
    「イタリア発ハチミツ作り」)

 

 

 

 

 

ミネラルが豊富に含まれる
「甘露蜂蜜(Honeydew honey)」

樹皮由来といわれる様々な精油(エッセンシャルオイル)
を含むために、独特の芳香をもつ「モミのハチミツ」
や、「マツのハチミツ」と呼ばれる甘露ハチミツは
ドイツの最高級品ハチミツといわれています。

 

花蜜で作られるハチミツの10倍ともいわれる
豊富なミネラル(亜鉛、鉄、マンガン、銅など)
の他、タンパク質、有機酸を多く含みます。

 

また、ブドウ糖や果糖が多いハチミツとは異なり
ショ糖が多く含まれるのも甘露ハチミツの特徴です。
色は濃い目のものが多いとか。

 

 

 

 

 

「単花蜜」と「百花蜜」

甘露ミツ以外のハチミツは、花の蜜から作られたもの
ですが、花蜜ハチミツも2種類に分けられます。

 

1 一種類の花の蜜から作られたハチミツ「単花蜜」
2 数種類の花の蜜から作られたハチミツ「百花蜜」

 

1の「単花蜜」という言葉ですが
ちょっと不思議な気もしませんか?
ミツバチたちは、どこにでも飛んでいけるのですから
色々な花の蜜を集めてくるような気もしますよね。

 

 

 

 

ところが不思議なことに、ミツバチたちは
豊富なミツがある場所を見つけると、その花が
咲いている間中はその場所に行き、1種類の
花の蜜だけを集める習性があるのだそうです。

 

ミツバチたちは、ダンスで花の位置を教えあっている
ということでしたので(「ミツバチダンス ミツバチ
の言葉(The  Language  of  Bee  )」
)、みんなで
同じ場所に行き、同じ種類の花蜜を集めるのです。

 

とはいえ、正確にいえば他の花の蜜が混じっている
可能性がゼロとはいえないようですが、それでも
「ほとんど同じ花」といって差し支えない程度だとか。

 

 

 

 

 

「単花蜜」

草花系
  文字通り野原やお花畑で咲いている
  草花から作ったハチミツ
*  (アザミ、クローバー、菜の花、
   タンポポ、ひまわり、レンゲ等)

 

樹木系
  木の香りのして、結晶化がしにくいハチミツ
:  (アカシア、トチ(栃)、ハゼ、菩提樹)

 

ハーブ系
  いわゆるハーブの花から作られた
  ハチミツで、強い香りを持つ
*  (セージ、タイム、ラベンダー、
   ローズマリー、ユーカリ)

 

ナッツ系
  ナッツの香ばしい香りと色のハチミツで
  個性的な強い味をもつ
*  (アーモンド、クリ)

 

フルーツ系
  爽やかなフルティーな香りのハチミツ
*  (オレンジ、サクランボ、ミカン、
   ブラックベリー、ラズベリー)

 

 

 

 

 

2種類の「百花蜜」

2の「百花蜜」の方は、厳密にいいますと
2つに分けられるようです。

 

1種類の花の蜜で作った「単花蜜」に対して
たくさんの種類の花の蜜で作られたハチミツ、
という意味の「百花蜜」が一つ。

 

もう一つは、セイヨウミツバチではなく、
ニホンミツバチが色々な花から集めたミツで作った
ハチミツを指して「百花蜜」と呼ぶこともあります。

 

日本固有のニホンミツバチは、セイヨウミツバチより
かなり数が少ないので、日本で販売されているハチミツ
のほとんどはセイヨウミツバチが作ったものです。

 

 

 

 

 

ニホンミツバチが作る「百花蜜」

ニホンミツバチが作ったものは、日本でのハチミツ
流通量のわずか1パーセントを占めるに過ぎません。

 

単花蜜を作るセイヨウミツバチに比べると、
飼育が難しいといわれるニホンミツバチですが
ハチミツの収穫量は、かかる手間暇に反比例して
セイヨウミツバチの  1/5  から  1/10  程度。

 

それらのことが相まって、作られる量が
少ないニホンミツバチのハチミツは、独特の
風味の豊かさから貴重品として扱われています。

 

 

 

 

 

ハチミツの分類

1「単花蜜(single flower honey)」

  草花系、樹木系、ハーブ系、ナッツ系、フルーツ系

 

2「百花蜜」
a   セイヨウミツバチが、色々な花から
   集めた蜜で使ったもの
   こちらを英語でいうと「mixed flower honey」

 

b ニホンミツバチが作ったハチミツ
   こちらは「Polyfloral honey made
        by the Japanese honeybee 」
   あるいは「Wildflower honey made
        by the Japanese honeybee」
   ということです(「Yahoo知恵袋」)。

 

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「女王バチ」 女王のお仕事も結構たいへん 

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「女王」とはいうけれど

「女王バチ(queen bee)」と聞くと、たくさんの
働きバチを従えて君臨している凜とした
女王様というイメージを受けます。
確かにある面ではそうなのかもしれません。

 

ですが、実際に女王バチが4〜5年の寿命の間にして
いることといいますと、これがなかなか大変そうです。

 

「女王」という華麗な名称とは、少々異なる
女王蜂の日々のお仕事をちょっと見てみましょう。

 

 

 

 

 

毎年、同じ場所、同じ時間に集合のナゾ

卵から孵った女王バチは羽化した1週間から
十日ほど後の、4月から6月の繁殖期に
オスバチ(drone bee)たちと交尾ために出かけます。
           (「ミツバチの不思議」)

 

女王バチとオスバチが出かけた場所は
他の巣のミツバチたちが集まっている場所。
毎年、同じ集合場所、同じ時間に集まるそうです。

 

なぜ、彼らにそれがわかるのでしょう?
この情報が次の世代のミツバチたちに
どのように伝えられているのかは、現在はまだ
解明されていませんが、本当に不思議ですね。

 

 

 

 

 

交尾後、オスバチは地面に落ちて死ぬ

女王バチは、いつものロイヤルゼリーから、ハチミツ
に食事を変えて体を軽くし、またオスバチもハチミツ
をたくさんもらって集合場所に出かけて行きます。

 

多くのミツバチが集まったこの場所で、女王バチは
貯精嚢(ちょせいのう)がいっぱいになるまで
複数のオスバチと空中で交尾を繰り返します。

 

これは近親交配の可能性を低くするためと
遺伝的多様性を高めるためといわれています。

 

交尾時にオスバチは、交尾器の一部分を
女王バチの体内に残しますが、交尾後
オスバチは地面に落ちて死んでしまいます。

 

 

蜂蜜ふらい「松崎製菓」

 

 

 

突然、女王バチがいなくなってしまった時は

交尾はいつも成功するとは限らず、交尾飛行中
に女王バチが捕食されたりことも発生します。
また交尾時に限らず、女王バチが
病気で死ぬという事態も起こること。

 

そのように女王バチがいなくなった巣では、働きバチ
が卵を生むようになりますが、未交尾の働きバチから
生まれた卵は無性卵で生まれるのは、全てオスバチ
ばかりですので、その群れは消滅してしまいます。

 

そこで女王バチが急死、失踪した時などは、働きバチ用
の飼育部屋で孵化した幼虫を、急遽、女王バチに
育てるべく専用の飼育部屋・王台を作って移し
ロイヤルゼリーを与えて女王バチを誕生させるのです。

 

 

 

 

 

次の世代のハチの卵を産む

捕食をされることもなく無事、交尾を終えた
女王バチは、巣に戻ると働きバチたちが用意を
した巣房に卵を産み続ける仕事に入ります。

 

交尾時に貯精嚢(ちょせいのう)に蓄えられた
精子の数は700万個にも達し、女王バチの
生存中は貯精嚢の中で生き続けます。
そして排卵時に、精子が輸卵管から出て来るのです。

 

排卵数は、毎日1000個から3000個。
その大量の卵を、東京近郊あたりですと2月中旬から
12月中旬までの期間、産み続けるといいます。

 

貯精嚢に蓄えられた精子を使い、働きバチが用意した
ロイヤルゼリーを食べて、女王バチの寿命である
4〜5年の間、ひたすら卵を産み続けるのです。

 

女王というイメージとは程遠い
「産卵器械(egg laying machine)」
にすぎない(酒井哲夫)、という言葉には頷くばかり。

 

 

ここ(王台)に女王蜂の卵が産みつけられる

 

 

 

卵は、働きバチ→オスバチ→女王バチの順に

女王バチが最初に産むのは
働きバチの卵で、次がオスバチの卵。
オスバチの飼育部屋は、働きバチより
少し大きくできています。

 

女王バチは、オスバチの卵を産む時は精子を
かけずに産みますので、オスバチには
父親がいないことになります。
(「メスの受精卵・2n」と「オスの無精卵・n」)

 

そして最後は、次の女王バチ候補の産卵です。
女王バチは1つの巣に必要なのは1匹ですが
女王バチ用の飼育部屋である王台は
複数用意してあるのが普通です。

 

 

 

 

 

新女王蜂の誕生

王台の中で、一番最初に生まれた
女王バチが、次の女王バチになります。
新女王バチが、王台の中から外に出てくる時には
「チューーー、チュ、チュ、チュ」と鳴くそうです。

 

これは「クイーン パイピング」と呼ばれ
他の女王バチに自分の存在を知らせるためと
働きバチたちを制御するために鳴くといわれています。

 

最初の新女王バチが生まれると
その他の王台は、新女王バチや働きバチたち
によって処分されてしまいます。

 

また時には、今までの女王バチが老齢だったりすると
新女王バチが誕生する際に、働きバチたちが
今までの女王バチを殺してしまうこともあるとか。

 

 

 

 

 

大量の蜂が巣から出る「分峰」

こうして新女王バチが誕生する頃に、今までの
女王バチは、半数ほどの働きバチたちを連れて
巣を出て、新しい巣を作ることになります。
これを「分峰(ぶんぽう)」といいます。

 

分峰の合図である「ワーカーパイピング」を出すのは
女王バチではなく働きバチ。(「浦添養蜂園」)

 

晴れた日の午前中に起こることが多いという分峰ですが
巣から大量のハチが飛び出してきて、巣から半径
10メートルほどは、ハチだらけになるそうです。

 

 

「蜂球」(写真/「東京葛飾
堀木菖蒲園またはお花茶屋発」

 

 

 

新しい巣を作る準備

大量のミツバチたちが巣の上空を旋回した後に
近くの木の枝に、一時的に大きなボールのような
形で集まるのが「蜂球」(上の写真)。
このままの状態で数時間から数日、待機しています。

 

偵察隊のハチたちが、新たな巣に
ふさわしい場所を物色に行きます。

 

戻ってきた偵察隊が紹介する候補地を協議した後、
移転先を決めますが、この決定には何時間も
あるいは何日もかかることがあるそうです。

 

 

 

 

(「協議」だの「決定」だのって、どういう意味?、
と思うでしょう?
実はこれ、ミツバチのダンスという
彼らの「言葉」があるのです。
ちょっと長くなりますので、次回にお話しましょうね)

 

そうして決めた場所にミツバチたちは移り
新たな巣作りに入ります。

 

ミツバチは群れごとに独自の臭いがあり
体臭で仲間を認識しているようで、体臭が異なると
敵とみなされ攻撃されてしまうようですよ。

 

 

 

 

 

本当に「女王」待遇なの?

最後に、女王バチの「女王」について思うことをを少々。
あくまでも私の勝手な考えに過ぎませんけれど。

 

1 ロイヤルゼリーを与えられている

確かに女王バチは、王台という広い飼育部屋で
育てられますし、ロイヤルゼリーも与えられるという
特別待遇を受けています。

 

ですが女王バチは卵を産み、貯精嚢に一生分の
産卵用の精子を保存するため大きな体が必要なので
その為に与えられているともいえます。

 

先ほど出てきたように、交尾に出かける時は、ロイヤル
ゼリーではなく、ハチミツを食べて体を軽くする、
ということからもわかるように、ロイヤルゼリーが
栄養、質量ともにヘビーだということが伺えます。

 

 

 

 

ということは、ロイヤルゼリーを与えられるのは特権
ではありますが、贅沢が許されるというよりは、
体を大きするためや、卵を産み続けるために必要な
栄養ということに過ぎないのではないかという気も。

 

また、ロイヤルゼリーを与えられて体が大きく
なるということは、1回の交尾旅行で一生分の
産卵用の精子を保存することに役立ちます。

 

4〜5年の寿命の間、必要量を蓄えられる体の
大きさがあれば、何度も交尾に行かなくてすみ、
したがって危険の可能性も低くなるわけです。

 

 

 

 

2 働きバチに世話をしてもらう

女王バチの世話は働きバチがしますが、これも
先ほどと同様で、国王や王妃の世話をする従者
というよりは、産卵を続ける女王バチには
必要な措置に過ぎないのではという気もします。

 

人間の妊娠時とは異なるものの、女王バチが一生分の
精子を蓄え、大量に産卵を続けている状態というのは
やはりそれなりの介助が必要なのかもしれません。

 

女王バチは毎日、大量の卵を産む「産卵器械にすぎない」
ともいわれることを、先ほどお話ししました。

 

 

 

 

一見、女王待遇に見える、ロイヤルゼリー与えられ、
働きバチに世話をしてもらうことも、もしかしたら
「産卵器械」であり続けるために必要な単なる合理的な
措置に過ぎないのではないかという気もするのです。

 

とはいえ、女王バチ自身が「自分は女王だ」と
言ったのではなく、あくまでも人間が
勝手に名付けただけではありますが、

 

 

 

 

 

母と子どもたち

考えてみますと、ミツバチの1つのコロニーと
いうのは、血統的には家族でもあるわけで
大抵の場合は女王バチが母親で、働きバチは娘たち、
オスバチが息子ということですからね。

 

唯一、新女王バチが生まれて、母バチが分峰を
して巣を出た直後は、新女王と働きバチたちの
関係は姉妹ですが、時間の経過に従って、
母と娘たちに移行すると思われます。

 

ただ彼らはやはり、家族というよりはコロニーであって
群れのため、強いてはミツバチという種の保存のために
行動するよう、遺伝子にプログラムされているのでしょう。

 

 

 

 

 

最後はみんな一緒

前回、冬が近くなって食べ物が乏しくなる季節になると
オスバチたちは、働きバチたちに羽根をかじられたり
巣の外に追い出されたりすると書きました。

 

食料採取、幼虫の世話、掃除、家づくりと補修、門番等、
あらゆることを一手に引き受けている働きバチは、
オスバチのような扱いはされないものの、体が弱って
きたものに関しては、外に出されてしまいます。

 

そしてこれは、女王バチとて同様。
先ほど、新女王バチが生まれる際に、今までの
女王バチが老齢の時など、働きバチに殺されて
しまうこともあると書いた通りです。

 

 

 

 

女王バチだからといって、老齢や病気の時に
大切にされるわけではなく、他のハチと
同じく外に出されて地面に落ちて死ぬのです。

 

そこには 不満も悲しみもありません。
淡々と死を受け入れる生き物の姿があるのみです。

 

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