お城で渡されたカード うさぎからのメッセージ8 

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

 

 

お城に間借り

何年前のことだったかは、はっきり覚えていない
のですが、ちょうど今頃の季節に、お友達のS子ちゃん
のいるロンドンに行ったことがありました。

 

幼い時にロンドンに引っ越したS子ちゃんは
大学入学前に日本に帰ってきたものの、その後
再びイギリスの大学に留学し、卒業後もそのまま
留まって仕事をしていたのです。

 

現在、彼女はロンドンで暮らしていますが
通っていた大学はロンドンから車で数時間
ほどの都市にあったので、彼女はそこで
1軒のおうちに間借りをしていました。

 

 

毛利庭園 六本木ヒルズ

 

 

 

マンションに改造したお城

彼女が間借りをしていたおうちは
元はお城だったマンションでした。

 

お城といっても、ディズニーランドにある
シンデレラ城のようなお城ではなく
四角い箱のような形のお城です。

 

そのお城には伯爵が住んでいたそうですが、最後の
伯爵が結婚をせず、子どもも持たなかっために
お城をマンションに作り替えたということでした。

 

1つのお城は20数軒分の家に分割されて
S子ちゃんは、その中の1軒のネコを
飼っているおうちで暮らしていました。

 

私はその元お城のマンション宛に、彼女に
何度か手紙を書いた記憶があります。

 

 

ミラーボーラーのツリー アークヒルズ

 

 

 

お城でクリスマス

マンションの住人で、S子ちゃん以外の日本人は
K美さんという女性がいたそうで、彼女は20数軒の
中でも、一番メインとなる大きなお家の奥さん。

 

日本人同士ということで、S子ちゃんはK美さんと親しく
なり、二人の交際はS子ちゃんが仕事の関係でロンドン
で暮らすようになってからも続いていたようです。

 

そのK美さんの暮らすお城で、クリスマスを一緒に
過ごさない?、とS子ちゃんに誘ってくれました。

 

 

東京ミッドタウン

 

 

 

家が1軒も見えない……

私はそれまで一度も行ったことはなかったのですが
小説で有名なその都市は、落ち着いた静かな町でした。

 

ロンドンから車で着いた時は、辺りはすでに暗くなって
いたのでわからなかったのですが、お城の建っている
周辺は、その建物以外には何一つない場所だったのです。

 

360度廻ってみても、1軒の家も見えません。
かといって山や高い丘のような起伏はなく、比較的
平坦な土地が広がるさまは、国外は勿論のこと
国内旅行もしない私には初めて見るものでした。

 

当時、私はかなり騒音がひどい場所に住んでいました
ので、このような静かな場所に暮らすのは夢のまた夢。
あまりの静けさに、少々の恐さも感じたほどでしたが。

 

 

六本木ヒルズ

 

 

 

ダイニングキッチンは元ステージ?

20数軒の中の1軒の、K美さんのおうちは
そのマンションの中ではメインの家でした。

 

お城だった時の主な場所が彼女の住居に改造して
あるために、K美さんの家の広さといったら
まさに「途方もない」と表現したいほどの広さ。

 

私たちが最初に通されたリビングは
時折、心地よい薪の爆ぜる音がする
いかにもヨーロッパ、という感じの空間でした。
何畳とか何十畳とかではなく、ただただ広いお部屋。

 

リビングの一部が少し高くなっていて
そこはダイニングルーム担っています。

 

なんとこのダイニングルーム、
お城だった時は舞台だったそう。
リビングが客席ということで
小ぶりの演奏会場だったということでした。

 

 


ミラーボーラー アークヒルズ

 

 

 

人里離れた奥に住まう「奥様」

S子ちゃんと私は地下にあるお部屋を
寝室として使わせてもらいましたが
それぞれの部屋にあるベッドはクイーンサイズ。

 

その大きなベッドの、これまた大きなカーテンかと
見紛うシーツには、ピシッと音がするのではないか
と思うほど、きっちりと糊付けがされて
アイロンがかかっていたのが印象的でした。

 

K美さんは、学校に上がる前の充分(?)
やんちゃな男の子と、まだ赤ちゃんといっても
いいほどの幼い女の子のお母さん。

 

 

ホワイトサカス 赤坂サカス

 

 

そのK美さんがまるでホテルのような、ここまで
行き届いた寝具を用意してくれたことに
感謝とともに驚きもしたものです。

 

後でK美さんに、それを伝えた時の返事は
「専業主婦なのだから、そのくらいしなくては」
とのことでしたが。

 

K美さんは、まわりには1軒の家も見えない
お城で暮らす、まさに「奥」さまでした。

 

 

六本木ヒルズ

 

 

 

隅にポツンとあったグランドピアノ

私たちの寝室の他に地下にあったのは、これまた
とてつもなく広い遊戯室で、あまりに広過ぎて
寒いため全てを見ることは出来ません。
また1階には、何百畳かの舞踏室もありました。

 

舞踏室の端と端にはグランドピアノがポツン、という
感じで置かれていたのが印象的で、ピアノって
日本の6畳間や10畳間に置くのではなく、本当はこんな
ふうに置ける場所にある楽器なんだよね、と妙に納得。

 

ちなみに舞踏室では、その当時は毎年、近所の方を
数百名招いた仮装舞踏会を開催していたようです。

 

 

東京ミッドタウン

 

 

 

銀のスプーン

かつて、この大きなお城には、伯爵と彼の母親の
他には、彼等に仕えていた45人が暮らしていたと
着いた日に、K美さんの夫・Pさんから聞きました。

 

K美さん夫妻に子どもが生まれた時、このマンションで
最初に生まれた子へのお祝いということで
伯爵から銀のスプーンが贈られたそうです。

 

 

 

 

また、お庭にある池は、ここで引き合いに出すのも
場違い過ぎるという気もしますが、私の通った大学の
それよりも、芸術的ではるかに立派なものでした。

 

寒さが厳しかったために、お庭はあまり
歩きませんでしたが、枯れた草がそのまま氷
になった池は、いかにも英国の冬。

 

 


東京ミッドタウン

 

 

 

自分のワイナリー

クリスマスの日、元はステージだったという
広いキッチンで、K美さんの夫のPさんは
お料理に腕を振るってくれました。
毎年、クリスマスは彼がお料理を作るようです。

 

私はメインのお料理に添えられていた
お野菜がとても気に入り、名前を聞いた
のですが、忘れてしまったのが残念。
見かけは白っぽいニンジンで、味はお芋系でした。

 

彼のお手製のお料理を頂きながら、エリザベス女王の
クリスマスのスピーチをTVで聞く時の飲物は
彼が所有するブドウ畑で作ったワイン。

 

 

ミラーボーラー アークヒルズ

 

 

 

人生を思いきり楽しむ

その後、ワイナリーは手放したとK美さんから
聞きましたが、彼はクラッシックカーも数台所有して
いるということを、日本に帰ってきてから知りました。

 

帰ってきて少したった後、日本で発刊された
雑誌の創刊号に、彼等一家が登場していて
その記事に書かれていたのです。
改めて彼等はお金持ちなのだと実感した次第。

 

Pさんは、特にお金持ちの家に生まれたと
いうわけではなかったようですが
彼一代で財を築いたということでした。

 

とはいえ滞在時は、家があまりに大きく、私のスケール
を遥かに超えていたため、お金持ち云々には
考えが及ばなかったというのが正直なところ。
存分に人生を楽しんでいることは感じられましたが。

 

 

六本木ヒルズ

 

 

 

カードに書かれた「×」と「○」

クリスマスの日、K美さん一家からいただいた
プレゼントに添えられていたカードには
彼女と夫、男の子と女の子の名前とともに、

 

「××」と「◯◯」が一緒に書かれていました。
私はS子ちゃんに聞きました。
「✖️✖️ってなあに?」と。

 

するとS子ちゃんは教えてくれたのです。
「『 ✖️ 』はキス、『  ◯   』はハグなのよ」と。
そうなんだ、へえ〜っと私は思ったものでした。

 

 

 

 

もっともこれは「✖️(バツ)」ではなく
「X(エックス)」のようです。

 

「  >  」が左の人の口、「  < 」が右の人の口で
二つが合わさってキス。

 

「  ○  」は、手を広げて相手をハグする様子
をあらわしているということです。

 

「マル」と「バツ(エックス)」が、
「ハグ」と「キス」で
「hugs and kisses for you」ということなのだとか。

 

 

 

 

日本のヤフー知恵袋等には、これは女性だけが書く
とか特別な関係の人同士でなければしない等々
ということも書かれている一方、

 

そんなことはありませんよ、
男女共に普通の友だちにも使いますよとも。

 

おそらく後者なのでしょう、K美さん一家から私へ
贈られたカードに書かれていたということは。
よく手紙の最後に書く「Yours sincerity」
「Lots of love」と同じようにね。

 

 

 

 

 

私からももちへ「 ○x○x○x  」

ぼんやりしている私はすぐには思い至らずに
かなり時間がたってから気づいたことなのですが、
前回、ブログに書いたあれ(「ホントにももちが作った
んだよ」
)ってコレのことだったのでしょうか?

 

ももちが私に残してくれたメッセージは
これだったのかもしれませんね。

 

 

 

 

大きな「✖️」に小さな「✖︎」。
ハグの「◯」は木では作れないので「——」の
形にして、「hugs and kisses for you」。

 

私も、ももちへ贈りましょう「○x○x○x」、
「hugs and kisses for you」。
ももち、大好きだよ!

 

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