「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!
卵:バター:砂糖:小麦 1:1:1:1
東京ミッドタウンにあるディーン&デルーカ
で買った「マドレーヌ」です。
原材料名は、
卵、バター、砂糖、小麦粉、
アーモンドプードル、はちみつ、香料、膨張剤。
「マドレーヌ」の材料は、おおざっぱに言えば、
原材料名の最初の4つ、
「卵」「バター」「砂糖」「小麦粉」が同量で、
*1 : 1 : 1 : 1
それにベーキングパウダー等を加えたものです。
それにレモンの表皮をすりおろしたり、
バニラエッセンスやブランデーを加えたり
アレンジとしてチョコチップ等を
入れることもありますね。
今日のディーン&デルーカの「マドレーヌ」
は基本的な「マドレーヌ」でした。
マドレーヌさんが作ったお菓子
マドレーヌいうフランスの女性の名前が
ついている理由は、この焼き菓子を最初に
作ったのが、マドレーヌという名前の
女性だったからといわれています。
ただし「マドレーヌ」を考案した
といわれているマドレーヌさんは
一人ではなく、何人かいるようです。
ということは焼き菓子の「マドレーヌ」
の発祥については、はっきりとしたこと
はわからないということですね。
マドレーヌ・ポルミエ説
1755年、フランスのロレーヌ公・スタニスラス
のために、マドレーヌ・ポルミエが
作ったといわれている説があります。
マドレーヌ・ボルミエはスタニスラス
の館で召使いとして働いていました。
ところが、その館のパティシエと料理長が
喧嘩をして(!)出て行ってしまったために
彼女が急遽、作ったお菓子が「マドレーヌ」
だったというわけ。
彼女は台所にあった材料を
ホタテガイの貝殻で焼きました。
このお菓子は、彼女がおばあちゃん
から教えてもらったもの。
マドレーヌ・ボルミエは、フランス
のコメルシー出身の女性ですが
コメルシーではお菓子の「メドレーヌ」
が、現在でも名物として売られて
いるそうです。
マドレーヌ・シナモン、他
次は、マドレーヌ・シナモン説です。
こちらは1661年といいますので
ロレーヌの「マドレーヌ」発祥説より
約100年ほど前のことになりますね。
枢機卿のポール・ドゥ・グロンディが
お抱え料理人、マドレーヌ・シナモンに
作らせたお菓子が「マドレーヌ」。
この他には、スペインのサンティアゴ・
デ・コンポステーラへの巡礼のために
マドレーヌという女性が作ったという説
もあるようです。
「マドレーヌ」は丸い形のものもあります
がなんといっても、やはりホタテガイの
かたちが特徴的でかわいいです。
今日の記事を書いて初めて知りましたが
本物のホタテガイを使って「マドレーヌ」
を焼いたのですね。
びっくり!
「マドレーヌ」といえば『失われた時を求めて』
そしてもう一つ、「マドレーヌ」といって忘れて
ならないのは、マルセル・プルーストの『失われた
時を求めて(A la Recherche du Temps Perdu)』
という超々長編小説。
紅茶に浸したマドレーヌをスプーンで口元に
運んだ主人公の脳裏に、鮮やかに浮かんだ
幼い頃の思い出、そこから物語は始まります。
たしかにものと場所は異なっても
このような経験は、誰にでもあることでしょう。
キンモクセイが連れて行ってくれる幼い日
例えば私は、キンモクセイの香りを嗅ぐと
小学生のある日、放課後に野原に
友だちと行ったことを思い出します。
その日が特別な日だったわけでも
特に嬉しいとか悲しいとかの思い出に残る
感情が伴っているわけでもありません。
一緒に行った友だちが、誰だったかすら覚えて
いないというのに、キンモクセイの香りは
いつも決まって「その時」に私を運ぶのです。
大脳新皮質にダイレクトに
それは、キンモクセイの花を見たから
「あの時」を思い出したというのではなく
キンモクセイがあるのを知らなかったと
しても同様の結果をもたらします。
嗅覚は他の視覚や聴覚等と違い、香りを
嗅いだ時に鼻の粘膜から、脳に直接に
働きかけるので、そのような現象が
起こるのだそうです。
嗅覚以外の感覚からの情報は
まず「大脳新皮質」にいき、
その後に「大脳辺縁系」に届きますが、
嗅覚だけはその情報が「大脳新皮質」を
通さずに、直接「大脳辺縁系」に送られます。
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嗅覚以外 → 「大脳新皮質」→「大脳辺縁系」
嗅覚 → 「大脳辺縁系」
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このイラストでは「大脳辺縁系」を「古い脳」
と表記してありますが、大脳辺縁系は喜怒哀楽
の情動の表出や、食欲等の本能、睡眠や夢など
に関連し、原始的な部分を司っているものです。
「大脳新皮質」の「新しい脳」の意味は
進化的に新しい部分の意味。
大脳新皮質は、合理的、分析的な考えや創造性、
意欲、長期的な記憶、言語機能を司るものです
ので、下等生物より高等生物の方が大きいよう。
「プルースト効果」
『失われた時を求めて』では「マドレーヌ」の
香りが過去の記憶を引き起こしますが、このよう
な心理現象を「プルースト効果」と呼びます。
ところで「マドレーヌ」で有名な
(って、逆ですが!)20世紀を代表する
フランスの作家、マルセル・プルーストの
『失われた時を求めて』を私は数十年前に
読んだ記憶があります。
ちなみにマルセル・プルーストの名前ですが
ヴァランタン=ルイ=ジョルジュ=
ウジェーヌ=マルセル・プルースト、
(フランス語では、
Valentin Louis Georges Eugène Marcel Proust)
という長いものだそうです。
私は長い名前のプルーストさんが書いた長い小説
『失われた時を求めて』を読んだことは読んだの
ですが、残念ながらあまり覚えていなくて……。
覚えていることは、ただ、ただ長い!、
という情けない感想のみです。