テレビを多く観ることによる影響

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当たり前にテレビをつける!?

10年以上前のことですが、知人の車に乗って
用事を済ませた後に「うちに来ない?」と
誘われ、彼女の家を訪れたことがありました。

 

昼間でしたので彼女の夫と子どもはいません。
家の様子、キッチンや食器棚の中などを
見せてくれた後にリビングに行きました。

 

椅子に腰掛ける際に、彼女はあたかも
暑い日に冷房のスイッチを入れるような
当たり前の様子でテレビをつけたのです。

 

 

 

 

 

これは、普通なのでしょうか?

私は驚きました。
その時間に、彼女が楽しみにしている番組が
あるというわけでもなかったようでしたし。

 

2.3時間ほどいた間、テレビはずっとついたまま。
ちらっと視線を送ることはあっても、彼女が
テレビを観たい様子は全く感じませんでした。

 

さほど大きな音量ではなかったものの
正直なところ、テレビの音は話をする
のに少々、邪魔だったのですが。

 

 

 

 

 

「夫が見もしないのに、テレビをつけて」

それから数ヶ月ほど経った後、彼女の夫が
休日に一人で早めに起きて、テレビをつけて
うるさくてと彼女が愚痴っていました。

 

「すぐテレビをつけるんだよね、
見もしないのに……」と.
まあ、それは彼女も同様ではあるのですが
自分のことは気づかないのかもしれません。

 

とにかく彼女の家族は暗ければ電気をつけ、
適温でないと思えば冷暖房を入れるように
テレビをつけているようでした。

 

 

 

 

 

彼女の家族だけではなく

そしてその後、そのような人が決して
少なくないことを知りました。

 

「仕事がら、老人宅に行くことが多いが、
ほぼ100%テレビがついている。
そして半数以上が、会話が
始まってもテレビを消さない」

 

と書いている人がいて、テレビのない私には
驚くべき行動に映った彼女の行動も、特別に
驚くほどのものでもないのとわかったのです。

 

 

 

 

 

高齢になるほど多い視聴時間

年齢が進むにつれて、つまり高齢者に
なるほどテレビの視聴時間が伸びる
との調査結果もあるようです。

 

1日あたり何時間程度テレビを見ているか

 

20代 男性 1時間44分
  女性 2時間23分

50代 男性 3時間39分
   女性 4時間16分

60代 男性 4時間55分
   女性 4時間47分

70代 男性 6時間
   女性 5時間

 

80代、90代はどうなんでしょうね。

 

 

(グラフ/「全国視聴率調査」2017年)

 

 

 

高齢者はテレビに何を求めているか

「世の中の動き、出来事などを伝えてくれる」 29%

「世間の動きに遅れない」           12%
「感動を与えてくれる」              〃
「知らなかったことを知ることができる」     〃

「楽しい気分になれる」            10%

 

☆ 今回の話とは関係ありませんが、4番目の
「知らなかったことを知ることができる」は
もとは「知らなかったことを知れる」でした。
文章を書く専門家が「知れる」を
使うとはちょっと残念です。

 

 

 

 

 

受動的になった脳は認知症の原因にも

テレビは、次々と画面が勝手に切り替わって
くれますので、脳は受け身になってしまいます。
これは認知能力の低下にもつながりかねません。

 

受動的になった脳は、積極的に考えることを
しなくなり、認知症などの原因になる恐れも
あり、実際そのようなレポートも存在します。

 

また、テレビを多く見ていることで運動不足
にもなりやすく、脳の血流が悪化し認知症を
進行させる可能性も指摘されています。

 

 

 

 

 

若い頃にテレビを3時間以上見ていた人

一方、高齢者だけではなく若い人もテレビ
の影響から免れることはできないようです。

 

1日3時間以上テレビを見ていた人は、見て
いなかった人に比べて40、50代になると記憶力
が低下する確率が最大で約2倍も高いとか。

 

研究チームは「老いる」ことと関連づけて考え
られてきた認知症を食止める方策について、
「若い頃から考えるべきだ」と指摘。
視聴時間を減らすことを促しています。

 

 

 

 

 

25年間にわたる研究

この研究をまとめたのは、
サンフランシスコの医療センター
のティナ・ホワンさんと、
カリフォルニア大学サンフランシスコ校
のクリティン・ヤッフェさんの2人。

 

米医師会(AMA)の精神医学専門誌
『JAMAサイキアトリー』に発表されました。

 

調査は、シカゴやミネアポリス、オーク
ランドなど、全米各地の18〜30歳の男女、
計3247人を対象にしています。

 

驚くのはその長さ、1985年3月から2011年
8月31日までの25年間にわたって追跡しました。
実験開始時の参加者の平均年齢は25.1歳。

 

 

 

 

 

25年経過後に

調査開始から25年目に行ったテスト。

1 同じ図形を1分間にいくつ見つけ
 られるかをチェックする
 認知症テスト「DSST試験」

 

2 文字の意味と色との違いを判別させる
 「ストループテスト」

3 言語の記憶などに関する検査「RAVLT」

 

 

 

 

 

結果は……

1日にテレビを2時間以上視聴していた353人
(これは全体の約11%)は、それ以外の人よりも
記憶力が大きく劣っているという結果が出ました。

 

さらに3時間以上視聴している上、殆ど運動も
しないという107人は、3種類全てのテストでそれ
以外の人に比べ記憶力が半分程度だったのです。

 

ホアンさんは今回の研究結果を受け学会誌で、
「20代半ばに運動をせず長時間テレビを視聴する
ことが、中年に突入してからの記憶力の悪化に
関係していることが判明した」と結論づけました。

 

 

 

 

ただし、今回の調査は、テレビの視聴時間が
自己申告だった上に、参加者の約3割が途中で
離脱していることから、結果に疑問を抱く
研究者もいるということですが、

 

私自身は、25年にもわたる実験では
3割の人が離脱するということも、充分
考えられることのような気もします。

 

また記憶力が半分程度か、3分2だったか
という数字よりも、有意差があることが
判明したことに意味があると捉えました。

 




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