「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!
今日はレンゲだけ……
「レンゲ(レンゲソウ)」「シロツメクサ」
「アカツメクサ」はとっても似ていますが
別の植物です。
同じような場所で、同じような形の
お花を咲かせていますが、3者は
どのような違いがあるのでしょうか?
レンゲを書いたら長くなってしまいました
ので、こちらにはレンゲを、次の記事で
シロツメクサとアカツメクサを御紹介します。
レンゲソウ(レンゲ・蓮華)
和名 レンゲソウ(蓮華草)
別名 紫雲英・翹揺(共に「ゲンゲ」)
学名 Astragalus sinicus L.
* (アストラガルス・シニクス)
英名 Chinese milk vetch
科名 マメ科( Fabacese)
属名 ゲンゲ属( Astragalus)
花期 4月〜6月
県花 岐阜
茎、葉等に毛がはえています
学名からわかること
学名の「Astragalus sinicus L.」
ですが、学名はラテン語表記です。
「 L.」は、カール・フォン・リンネ
(Carl von Linné)さんが命名者です、
ということを表します。
「Astragalus」は「ゲンゲ属」
*「sinicus」 は「中国の」の意。
この学名は、レンゲソウが東アジアから
中国が原産であることを示し、中国、長江
(揚子江)の南の湖水地域では、約1000年
前から栽培されていたということです。
日本へは、小野妹子、あるいは奈良の唐招提寺
を建立した唐僧鑑真が持ち込んだとの説もあり
ますが、詳しいことはわかっていません。
17世紀ごろに渡来し、明治以降急速に広まった
と記載されているものが多いようですが、
小野妹子とでは10世紀の差がありますね。
なお、ラテン語の学名「Astragalus sinicus
【アストラガラス】」はギリシャ古語で
「くるぶしの骨」を指すとのことです。
と聞きますと、レンゲのお花の形、くる
ぶしの骨に似ていなくもありませんね。
ハス(蓮)の花
和名の「蓮華」はハスの花に似ているから
「蓮華(れんげ)」という名前は
花の姿がハスの花を連想させる
ということからついた名前です。
蓮華は日本のみでの名称で、中国では
読み方はわかりませんが「紫云英
( zi yun ying)」というそうです。
また、中華料理なので使うスプーンを
「レンゲ(散り蓮華)」と呼びますが
これはレンゲの花びらに似ていること
からつけられました。
今はなくなってしまった東京ミッドタウン
にあった「アンリ・ルルー」のサンドイッチ
ピクルスがレンゲにのせてありました
別名「ゲンゲ」は紫の雲の棚引く様
日本での別名は、「紫雲英」ですがこの字で
「ゲンゲ」とも「シウンエイ」とも読むそう。
また、「紫雲英」と「翹揺」は
共に「ゲンゲ」と読みます。
「紫雲英」の読み方
* 「シウンエイ」or「ゲンゲ」
「紫雲英」「翹揺」
* 読み方はともに「ゲンゲ」
レンゲの実(タネ)
マメ科のお花だということが一目瞭然
(写真/「季節の花300」)
この「ゲンゲ」という名前は、
「遠くからレンゲソウが一面に咲いている
のを見ると、低く棚引く紫の雲のように
見える」
ことからついた名前だといいます。
次の写真はレンゲではなくアカツメクサです
が、まさに「低く棚引く雲」のようですね。
こちらはレンゲではなくアカツメクサですが
レンゲ畑ってこんな感じなのでしょうか?
子どもの頃に「ゲンゲ、ゲンゲソウ」と
聞いて「レンゲ」のなまった言い方、
あるいは特定の地方での呼び方かな?
と思っていたのですが、そうではなく
むしろ「ゲンゲ」の方が正式との説
もあるようです。
なお、英名の「Chinese milk vetch
(中国のミルクのスズメノエンドウ)」
というなんじゃもんじゃというような
名前は、レンゲの葉をヒツジが食べると
乳が増えるところからきた名称だとか。
基本の花の色は紅紫色
ゲンゲの花の色は、紅紫色が普通ですが
珍しいものでは白いもの「シロバナゲンゲ
( form. albiflorus)」もあります。
なかには、受粉後に紅色に変化
するゲンゲもあるそうです。
そういえば、オオオニバスの花も
受粉後に白から紅色になる花でした。
(「世界で一番大きな葉 オオオニバス」)
1日目の白い花から2日目の紅色へ
↓
様々な方面で役立つレンゲ
レンゲは、根にある「根粒菌」で空気中の
窒素から肥料を作ることができ、以前は
お米つくりに利用されていたスグレモノ。
これだけでもかなり凄い働きですがレンゲ
の持つ能力はそれだけではありません。
昔は花や葉、茎を薬用としても活躍し解毒
や喉の痛みなどに使われていたそうです。
その他、レンゲの若芽はおひたしとして
花は天ぷらにと食用にもなります。
もちろん、蜂蜜の蜜源植物としても有名。
レンゲの花(写真/「草の花 マイ図鑑」)
「レンゲは減少しつつある」
そうそう、今回蓮華を調べていた一つ
とても気がかりなことを見つけました。
私はレンゲ、シロツメクサ等々がとても
好きなのですが実は、レンゲの実物を
見たことがありません。
もしかしたら、遠目に咲いているのを
見た記憶を忘れているのかもしれませんが
それとて、あったとして1〜2回でしょう。
大好きなので見たい、見たいといつも
思っているのですから、見ていたら
忘れることはないはずです。
レンゲの花を上から見たところ
(写真/「草の花 マイ図鑑」)
そのレンゲさん、
「外来の一年草という性状から定着は
困難なようで、ゲンゲは減少しつつある」
ということです。
「手に取るな やはり野に置け 蓮華草」
という有名な句は、瀧瓢水は播磨(兵庫県)
の俳人です。
「滝野瓢水(たきのひょうすい)」と書
かれたものが多いようですが、正しくは
「瀧瓢水(たきひょうすい)」だそう。
(「レファランス共同データべース」
で教えていただきました)
いつかはどこかの野で
レンゲに巡り会いたいものです。