レンゲは空気中の窒素を根(根粒菌)で肥料に変える

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植物の肥料の三要素

植物が生きていくために必要な栄養分
「必須要素」は、17種類あります。

 

その中で肥料としてい施す
必要があり重要なのが、

 

「窒素(N)」
:「リン酸( P)」
「カリウム( K)」

 

の3種類で肥料の三要素といわれます。

 

 

 

 

 

「窒素(N)」=「葉肥(はごえ)」

なかでも窒素は、光合成には欠かせない
葉緑素(クロロフィル)の材料でもあり
植物にとって最も多量に必要なものです。

 

窒素がないと植物は生育することが
できず、極端に不足した場合は葉や
茎の成長が思うようにいきません。

 

特に葉や茎を食用にする葉菜類では
窒素を多量に必要とし、足りないと
葉が黄色くなったりします。

 

トマトやトウモロコシの場合は紫色素
のアントシアニンの蓄積による葉柄や
下葉、茎の紫化を招き落葉することも。

 

植物の生育初期に、窒素は効果的な働き
をしますのでので、その時期に窒素が土
に充分に含まれていることが必要です。

 

とはいえ多すぎも問題で、葉ばかりが大きく
茂り花や実がつかない、また植物が肥満化
して弱くなっているため害虫の食害を受け
やすくなったり病気にもなります。

 

 

ピーマンの花

 

 

 

「リン酸( P)」=「実肥(みごえ)」

リン酸は、遺伝情報の伝達や、タンパク質
の合成などを担う核酸(DNA、RNA)の
構成成分として重要なものです。

 

開花や結実を促すほか、植物全体の生育、
枝分かれ、根の伸長などの促しますが、

 

リン酸が不足すると、下葉から赤紫色
に変色したり、株全体が衰えてきて
開花、結実の品質が低下してしまいます。

 

 

ピーマンの白い花が赤い実になりました

 

 

 

「カリ(K)」=「根肥(ねごえ)」

水に溶けるカリウムイオンの形で植物の
なかで存在するカリは、葉で作られた
炭水化物を根に送り、発育を促します。

 

植物を丈夫にして、病気や寒さなど
への抵抗力を高める働きもあります。

 

カリの不足は、リン酸不足同様、下葉
の先端から葉が黄色くなって枯れ始め
果実の品質も悪くなるということです。

 

 

 

 

 

空気中の窒素を窒素肥料に変えるレンゲ

植物の生育に重要な窒素は、空気中の
元素の約80%を占めますが、植物は窒素
をそのまま吸収することはできません。

 

今の季節に、野原で可憐な紅色の花を
咲かせるレンゲは、空気中の窒素を窒素
肥料に変えることができる植物です。

 

レンゲの根の部分には、所々に「根瘤」
という器官があり、中に「根粒菌」という
バクテリアの一種の細菌が住んでいます。

 

 

レンゲ(レンゲソウ)

 

 

根粒菌は大気中の窒素を、アンモニアに
変換し(窒素固定といいます)、植物の
生育に必要な窒素を提供するのです。

 

窒素には色々な状態があり、植物
が使える状態は限られています。

 

レンゲは、根粒菌に住まいを提供する
代わりに、根粒菌が作る窒素肥料を利用
して育つという共生関係にあるのです。

 

 

 

 

 

イネの肥料として使われたレンゲ

ということでレンゲ全体が、窒素を蓄えた
肥料のようなものですので、かつてレンゲ
はイネの肥料として使われていました。

 

田植えの前にレンゲを作っておき、機械
で土の中にレンゲの葉や茎をすき込むと
窒素成分が土に溶け出し田んぼが肥えます。

 

これを「緑肥(りょくひ)」といい、以前
はお米作りに利用されていましたが、現在は
化学肥料の使用へと変化しているそうです。

 

 

 

 

化学肥料のアンモニアは、1000気圧という
超高圧で、500度という高温のもと、窒素
と水素の化学反応で工業的に作られます。

 

この膨大なエネルギーを費やす作業を
可憐なレンゲが、いとも簡単にこなし
ているというのもおもしろいですね。

 

また、レンゲのみならずマメ科の植物は根粒
菌の助けを借りて、空気中の窒素を窒素肥料
に変える能力をもっているということです。

 

 

 

 




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