チューリップの花びらは開閉を繰り返すうちに2倍になっている

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八重咲きチューリップ「ベイビーアンジェリケ」

 

 

つぼみが開くための「刺激」

チューリップは、つぼみが開き始めてから
枯れるまで「朝に開いて夕方に閉じる」と
いう開閉運動を約10日間するそうです。

 

普通、つぼみというのは、大きくなった
ら自然に開く、と思いがちなもの。

 

ところが、多くの植物のつぼみが開く
ためには、そのための刺激として「温度」
や「明るさ」の変化が必要だそうです。

 

チューリップの開閉運動は、典型的な
温度に対する反応で朝、気温が上がると
開き、夕方気温が下がると閉じます。

 

この操作、部屋の中の温度を上げたり下げ
たりを意識的にすると、チューリップの花
を咲かせたり閉じさせたりが出来るのです。

 

 

これはオランダのロイヤル・デルフト
のチューリップ用の花瓶
こんな風に1本、1本活けるのですね

 

 

 

閉じたり、開いたり=「傾性運動」

植物の花弁や葉が開いたり、
閉じたりする運動のことを
「傾性(けいせい)運動」と呼びます。

 

傾性運動が起こる原因は
チューリップのように温度が
関係しているといわれます。

 

いくつかの実験では、光は関係して
いないという結論も出ているよう
ですが、これはちょっと意外ですね。

 

 

オランダのティヒラー社の花瓶
ロイヤル・デルフトのものとは
違いますが、やはり1輪ずつ
入れるようにできています

 

 

 

なぜ温度の上下で傾性運動が起こるのか?

花びら(花弁)には表と裏がありますが
閉じている時に気温が上昇すると花びらで
包まれた内側の温度は外気より高くなります。

 

一定の温度内では、温度が高い方が成長が
速くなるため、気温の高い内側の方が成長
して花びらが開くことになるのです。

 

そして気温が下がった時は、内側は直接に
影響を受けやすいため、外側の表皮よりも
成長速度が低下し、花びらを閉じます。

 

このように多くの花の開閉は、花びらの
表と裏の成長差によって起こります。

 

 

 

 

 

1953年  イギリスのウッドの実験

1枚のチューリップの花びらを、外側
と内側の2層に剥ぎ分けて水に浮かべ
水温を変化させてみました。

 

水温を上げると、
花びらの内側が伸び 外側は伸びない

 

水温を下げると、
花びらの内側は伸び 外側が伸びない

 

ということは、気温が上がると、花びら
の内側が伸びるのに外側は伸びないため
花びらは反り返って開くことになります。

 

反対に、気温が下がると、花びらは外側に
伸びるのに内側には伸びないので、外側へ
の反りがなくなって花が閉じるのです。

 

 

「チューリップ(スプリンググリーン)」

 

 

 

10日間で2倍にもなるチューリップ

花びらが開く時には内側が伸び、閉じる時
には外側が伸びる、という開閉を繰り返す
うちに花は大きくなっていきます。

 

チューリップは約10日間咲いていますので
開き始めた初日と比べると、なんと2倍も
大きくなっているということです。

 

まさか2倍にまでなっているとは
考えたこともありませんでした
ので私は結構、驚きました。

 

ぼ〜っと生きているせいでしょうか?
あまり実感がないのですが今度、機会が
あったらしっかり観察したいと思います。

 

 

チューリップ
左「ブラックパロット」
右「ビンセント・バン・ゴッホ」

 

 

 

様々な「傾性」

チューリップの花は、開いたり閉じたりと
いう傾性運動を温度によって行う「温度傾性」
の植物ですが、傾性運動は温度以外の刺激に
よっても生じます。

 

タンポポの花は、日が昇ると開く「光傾性」で
オジギソウの葉っぱは、触れると閉じて下垂
(お辞儀をする)をする「接触傾性」です。

 

このオジギソウの葉っぱの下垂(お辞儀)は
「膨圧(ぼうあつ)運動」という反応です。

 

葉の付け根にある「葉枕(ようちん)」と
呼ばれるふくらんだ部分の細胞の膨圧が
変化することによって葉が下垂します。

 

葉枕の下部の細胞から、上部の細胞にカリ
ウムイオンが移動し、それによって水が
下部から上部へ移動することにより、
上側の細胞が膨らみ、下側がしぼむこと
によって葉が下垂するのだとか。
(わかった? 私は……わからない)

 

このように細胞の浸透圧の変化と、それ
にともなる膨圧変化により起こる運動を
「膨圧運動」というのだそうです。

 

 




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