「イスラム教の信仰を捨てたために家族に殺される」とツイートした女性    「BBC」と「TBS」

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2019年1月12日(土)BBC News JAPAN

「家族の元に戻ったら殺されてしまう」

ツイッターでは数日前から、サウジアラビア人
女性のツイートが話題になっています。

 

その女性とは、ラハフ・ムハンマド
・アルクヌンさん18歳。

 

彼女はクウェートに住む家族の元から脱出して
タイにやってきて、バンコク空港のホテルの
一室からツイートを発していました。

 

「家族の元に戻されたら殺されてしまう。
私はタイに逃げてきました。
サウジ大使館が帰国させようとしているの
今、本当に危険な状態です」

 

 

 

 

 

フォロワーは4日で、24人から9万人へ

このツイートをしたのは、アカウントを
開いた1月5日のこと。
その日、フォロワーは24人でした。

 

しかし、「#SaveRahaf(ラハフを救え)」
のハッシュタグのついたツイートは、瞬く間に
多くの人の間を飛び交うことになります。

 

5日の24人の翌日は、すでに17000人に増え、
7日は57000人、8日には90000人にまで増え、
彼女が亡命を希望していたオーストラリアでも
トレンド入りを果たします。

 

 

ラハフ・ムハンマド・アルクヌン(18)さん
(写真/「 BBC  JAPAN」)

 

 

オーストラリアへ難民申請

タイとサウジアラビア両国の当局者が
彼女の難民申請を協議しました。
サウジ総領事はこのように言ったということです。

 

「タイ当局は、旅券ではなく
電話を取り上げるべきだった」と。

 

ツイッターでの多くの声に押されるように、
国連難民高等弁務官事務所が、オーストラリア
への難民申請の仲介をすることになります。

 

 

 

 

 

「あなたの翼を折らせないで」

この短期間での展開に一役も二役も
かったツイッター。

 

ラハフ・ムハンマド・アルクヌンさんは
「ツイッターのおかげで全てが変わった」
と言い、こう続けました。

 

「あなたの翼を、誰かにおられてはダメ!
(Don’t  let  anyone  break  your  wings,
you’re  free,  fight  and  your RIGHTS!)」

 

 

 

 

むか〜し、「翼をください」という曲がありました。
その歌詞も切ないほどに美しいものでしたが
今回のラハフ・ムハンマド・アルクヌンさんは、

 

「あなたの翼を、誰かに折られてはダメ」
と言います。

 

あなたもあなたのお友達も、そのお友達の
あまり好きではない人も含めて、全ての人の翼を
誰かに折らせてはいけない、のですね。

 

 

 

 

翼を折らせないための彼女の必死の願いは、
ツイッターの、そして多くの人の力を得て叶いました。
新しい年にふさわしい素敵なお話ですね。

 

 

 

 

追記

2019年1月13日(日) TB系S(JNN)

上記のBBCの記事の後に、新しい情報が
入りましたので、付け加えたいと思います。

 

前の情報では、国連難民高等弁務官事務所が
オーストラリアへの難民申請の仲介をする
ということでしたが、カナダ政府が、彼女を難民
として受け入れることを決めたということです。

 

ラハフ・ムハンマド・クヌンさんは、12日
トロント空港に着き、カナダのフリーランド外相
から、花束を受け取ったとあります。

 

 

 

 

(名前の表記も「ラハフ・ムハンマド・アルクヌン」
から「ラハフ・ムハンマド・クヌン」になっています)

 

フリーランド外相は、

 

「新しくカナダ人になる勇敢なクヌンさんを
新しい生活の地に迎えられて嬉しく思います。
彼女は私にカナダの寒さについて話しましたが、
これから暖かくなると伝えました」

 

と述べ、クヌンさんが疲れているため今はコメント
できないが、のちに改めてする旨を説明。

 

 

 

 

TBS系( JNN)のこの記事の、最終更新(1月13日
・日 18:43)では、次のような文でしめています。

 

「サウジアラビアでは、旅行するのに父や兄、夫と
いった男性親族の許可が必要とされるなど女性の
権利に対する制限は厳しく、クヌンさんの決断は
SNSを通じて国際的に注目されていました」

 

BBCの記事にあった「イスラム教」「家族に殺される」
という文字は消えて「家族の虐待などから逃れるため」
という表現になり、最後の文章で、「女性の権利に
対する制限」の厳しさと説明しています。

 

 

 

ツイッター上では今年の5日から、私たちの目に見える
ようになったこの問題ですが、ラハフ・ムハンマド・
クヌンさんにとっては数年前か、あるいは物心ついて
以来の問題なのかもしれません。

 

しばらくは安全な場所でゆっくりと羽を休めて
その後、彼女の望む人生に向かって、思い切り
羽ばたけますようにと願わずにはいられません。

 

 

 

再び追記

2019年1月14日(月)BBC News   JAPAN

    15日(火)   〃

昨日、一昨日の記事に追記をしたばかりですが
今日もまた、新しい情報がありましたので
付け加えておきたいと思います。

 

最初の記事は12日(土)、「BBC 」、
昨日(13日・日)の追加記事は、「TBS」、
そして14日・15日(月・火)は、再び「BBC」。

 

 

 

 

 

より詳細になったBBC報道

今日の BBCの記事は、最初の報道よりかなり長い
もので、14日のタイトルは
「SNSで助け求めたサウジ少女、難民認定先の
カナダに到着」

 

なお名前の記載の仕方ですがBBCは、一昨日と同じく
「ラハフ・ムハンマド・アルクヌン」です。
TBSでは「ラハフ・ムハンマド・クヌン」。

 

昨日のTBSでは、全く触れられていない
「イスラム教を捨てた」ことに関しては、14日、
15日のBBCは、より詳しく説明がされています。

 

名前についてですが、彼女の名前は
「ラルフ・ムハンマド・アル=クヌン」ですが、
家族に勘当されたため「アル=クヌン」の使用をやめ
今は「ラルフ・ムハンマド」を名乗っているそうです。

 

 

 

 

 

イスラム教を捨てるのは死刑に処せられる罪

ラハフさんは、イスラム教を捨てたと話していますが
これはサウジアラビアでは死刑に罰せられる罪に
あたるということです。

 

続いてラハフさんは、「自分の国では盤踞も就職も
できない。だから自由になってやりたいように
勉強と仕事がしたい」とも話しています。

 

AFPの取材によりますと、ラハフさんは髪を
切ったことにより6ヶ月間も自室に閉じ込められ
家族から心身に虐待を受けたそうです。

 

彼女の家族の代理人によれば、
家族はコメントするつもりはなく、ただラハフさん
の安全を気にしていると述べたそうです。

 

 

 

 

 

サウジアラビアの女性は……

「大事な事柄を自分で決められない
父親や兄弟、夫や息子など男性保護者の許可が必要だ」

 

「就職:政府機関・企業は男性保護者の同意を求める」

「教育:女性の入学には男性保護者の許可が必要」

「結婚:女性は男性保護者の許可がないと結婚できない」

「旅行:
 旅券や身分証の入手には男性保護者の同意が必要」

「刑務所:
 男性保護者が出迎えなければ女性は釈放されない」

 

というBBCのビデオが添えられていました。

 

特に最後の刑務所から保釈されない、というのが
なんとも……、まあ、該当する人は少ないでしょうが
何ともいえない理不尽さが胸をつきました。

 

 

 

赤坂のカナダ大使館

 

 

「カナダは、常に世界中の人権と女性の権利の

ために立ち上がることを明白にしてきた」

また、昨日の築城でご紹介したカナダのクリスティア
・フリーランド外相の言葉に加えて、ジャスティン
・トルドー首相の言葉も紹介されています。

 

「カナダは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
の要請を受けて難民として認定した」とし、

 

「カナダは、常に世界中の人権と女性の権利の
ために立ち上がることを明白にしてきた」
とも述べています。

 

 

 

 

国連難民高等弁務官事務所は、ラハフさんを
合法的な難民だと認識しており、カナダが
難民認定を下したことを歓迎するとしています。

 

フィリッポ・グランディ難民高等弁務官は、
『国際難民法と、何よりも重要な人権の勝利だ」
と語りました。

 

実はカナダは以前にも、サウジアラビアに女性の
権利活動家を解放するよう求めたことがあります。

 

その時、怒ったサウジアラビアは、駐サウジ・
カナダ大使を強制送還した上、新規貿易案件を
全面的に凍結するという報復措置をとりました。

 

 

前カナダ・ペン会長
キャサリン・ゴヴィエの「北斎と応為」

 

 

 

バンコクにいた理由

15日の記事では、最初にこのことを知った時に
なぜラハフさんはバンコクにいたのか?
という疑問についても説明されていました。

 

ラハフさんは本来、家族と共にクウェートへ行く予定
でしたが、バンコク行きの便に逃げ込みます。

 

しかし、バンコクで飛行機を降りたところでサウジの
外交官にパスポートを没取され立ち往生してしまいます。

 

ただし、バンコクのサウジ領事館は、ラハフさん
の拘束に関わったことを否定しています。

 

 

 

 

タイ当局は当初、ラハフさんの件を「家族の問題」と
しており、翌日にもラハフさんをクウェートへ
強制送還する予定だったといいます。

 

確かに、13日のTBSの報道ですと
まさに彼女の「家族の問題」と読めますね。

 

そこで彼女は、ツイッターで助けを求めました。
その後、タイはラハフさんの滞在を認め、国連が
彼女の難民申請を検討することになったのです。

 

 

カナダ大使館で飾られていたお花

 

 

ラハフさんは、カナダ紙、トロント・スターに対して
「失うものは何もなかった」と話しています。

 

「私たちはもの扱いされている、奴隷のように」、
「私の話と、サウジの女性がどういう目に逢うか、
大勢に話したかった」

 

「こういう展開になる確率は1%だと思っていた」
また、「カナダにいて、とても安心している。
カナダは人権を尊重する国なので」とも語りました。

 




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