赤坂プリンス クラシックハウス「東京ガーデンテラス紀尾井町」

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kyurioketokyotei「赤坂プリンスホテル・旧館」  (「旧李王家東京邸」)

 

 

「旧李王家東京邸」

前回、私の友だちが興味をひかれた建物
というのが、冒頭の写真に写っている建物です。

 

東京ガーデンテラス紀尾井町の中に佇む
このレトロな館は、英国チューダー・
ゴシック様式の洋館「旧李王家東京邸」。

 

この建物は、旧宮内省内匠寮の公務長・北村耕造や
技士・権藤要吉らの設計により1930年に造られました。
2011年には、東京都指定有形文化財
にも指定されています。

 

赤坂グランドプリンスホテルの旧館として、長年
親しまれていた建物がリノベーションされて
レストラン・結婚式会場「赤坂プリンス
クラシックハウス」としてこの夏、オープンします。

 

 

 

李王家東京邸

赤坂プリンスホテル・旧館

現在 赤坂プリンス  クラシックハウス

 

 

 

丁寧に解体された「赤プリ」新館

赤プリの新館は、2011年3月31日に営業を終了した後、
4月9日から6月30日までは、福島の被災者を受け入れて
有終の美を飾り、解体作業は始まったのはその後でした。

 

当初は2011年9月からの予定だった解体は
諸事情により遅れて、2012年6月から始まり
2013年7月6日に完了しています。

 

赤プリ新館の解体は、国内では
最も高いビルの解体だったそう。

 

よくTVなどで高い建物を一瞬で爆破して解体する
シーンを見ますが、赤プリの新館は、1年という
長い年月をかけて解体されたのですね。
丁寧に解体されたことが、とても嬉しく感じられます。

 

 

2010akasakaprincehotelillumination解体された「赤坂プリンスホテル・新館」
「赤プリ最後のクリスマスツリー 2010年」

 

 

「目立たないように美しく解体することが
長年使われてきた建物への気遣いだ」と言うのは
工法を開発した大成建設建の市原英樹次長。

 

また日経新聞は「さらば『赤プリ』解体さえも美しく」
と、2013年1月17日の記事に記しています。

 

 

 

「テコレップシステム」で解体

工法については、以前お知らせした
「テコレップシステム」を採用しました。
「赤プリちっちゃくなってる!」

 

 

1302akasakapurinsuhoteruzansho小さくなった「赤坂プリンスホテル・新館」

 

 

10日毎に2階分、6,4メートルずつを解体するという
騒音や粉塵が少ない工法だったのですが、毎日見て
いると、小さくなるのがわからなかったほどです。

 

また、解体された廃材をクレーンでおろす
エネルギーで、発電照明などの電力をまかなう
という優れた工法でもありました。

 

 

akasakaprince「東京ガーデンテラス紀尾井町」
(西武プロパティーズ)

 

 

 

東京ガーデンテラスのシンボルに

かくして2013年7月に大きかった赤プリ新館は
なくなり、跡地に東京ガーデンテラス紀尾井町の
2つのタワーの建設が始まりましたが、今日の主役
「旧李王家東京邸」の「動き」も見逃せないものでした。

 

もちろん「旧李王家東京邸」は改装のうえ
「貴重な文化財を保存して、建て替え計画の
シンボルにしたい」(西武プロパティーズ
都市開発部・妹尾寛仁ジェネラルマネージャー)

 

というように建物自体は残るのですが
デンとその地にとどまるのではなく
文字通り「動いた」のです、それも2度も。

 

 

tokyougardenterassemap東京ガーデンテラス紀尾井町 建物の位置関係
(イラスト/「西武プロパティーズ」)

 

 

 

2回の「曳き家」

既にある建物まるごとを、そのまま曳いて
移動することを「曳き家」というそうですが
1回目の曳き家は、2013年11月に行われました。

 

「旧李王家東京邸」を、南東の方角に
44メートル移動させたのです。

 

新たに建設する2棟のスペースを作るためかと
思いきやさにあらず、「旧李王家東京邸」の
地下にオフィス・ホテル棟の駐車場やバス、
タクシー乗り場などを作るためなのだそうです。

 

そしてその作業が終了後の2014年8月には
2回目の曳き家をして、「旧李王家東京邸」
をほぼ元の位置に戻しました。

 

 

kyurioketokyoutei写真の手前側から向こうに移動した
「赤坂プリンスホテル・旧館』
(写真/「日経アーキテクチュア」)

 

 

 

8日で44メートルの移動

動かささずに工事をする、という案も検討された
そうですが、「費用と工期の両方を考えると
旧館をいったん曳き家をして動かした方が
有利だった」とのこと。(「日経アーキテクチュア」)

 

1回目の曳き家は、11月11日に開始し
19日までの8日間で移動しました。

 

建物の総重量5000トンを、毎秒0.5~1ミリメートル
の速さで動かすという、1日当たり
ほぼ6メートルの移動でした。

 

 

李王家東京邸

赤坂プリンスホテル・旧館

 

 

「見ていても動いていることが分からない
くらいの、ゆっくりとしたスピード」
と言うのは大成建設の小倉学作業所長。

 

スピードを要求される現代に、赤プリの新館、
旧館ともに、その解体や曳き家作業が、
見ていてもわからないほどのゆっくりとした早さ
だったというのも、何かおもしろく感じられます。

 

 

ステンドグラスが組み合わされた大階段室
李王家東京邸

赤坂プリンスホテル・旧館

現在 赤坂プリンス  クラシックハウス

 

 

 

「赤坂プリンス  クラシックハウス」として

今回、引用させて頂いた「日経アーキテクチュア」
は、2013年11月20日の報道ですが、その時点では
「旧李王家東京邸」の利用方法については
まだ明示されていませんでした。

 

「関係官庁と協議して、多くの人に利用してもらえる
施設にしたい」という妹尾ジェネラルマネージャー
の言葉が紹介されているのみです。

 

そしてようやく今回、赤プリ旧館がレストラン・
結婚式会場「赤坂プリンス  クラシックハウス」
として再デビューすることが正式発表されました。

 

 

李王家東京邸

赤坂プリンスホテル・旧館

現在 赤坂プリンス  クラシックハウス

 

 

とはいえ1月9日に見たときは
まだまだ工事中という感じでした。

 

あと数ヶ月で美しく生まれ変わる
「赤プリ旧館(旧李王家東京邸)」の完成を
楽しみに待つことにいたしましょう。

 




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