ラベンダーエッセンス 石けん「TILLRY(ティリー)」

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オーストラリアの老舗石けんブランド「TILLRY」

少し前にお友達からオーストラリアの
石けんを頂きました。

 

ピンク色とパープルの美しい石けんで
「TILLRY AUSTRALIA」とと記されていて
とても香りの高いもの。

 

この石けんを作っている「TILLRY(ティリー)」は
1865年、アーサー・ティリーが石鹸や香水を使った
製品を作るために起こしたコスメティックブランドで
160年以上の伝統を誇るオーストラリアのメーカーです。

 

 

 

 

ピンク色の石けんには「ブラックボーイローズソープ」。
ブラックボーイローズというバラの花びらが
練り込まれているようで、原料はヤシや
ココナッツオイル、シアバターと天然ビタミンEなど。

 

 

 

「タスマニアラベンダーソープ」

パープルの方は「タスマニアラベンダーソープ」。
タスマニアラベンダーのリッチで
魅惑的な甘い芳香が漂います。

 

リラックス効果といえば、まず最初にラベンダーの
名前があがる、というよりアロマテラピーといえば
まずラベンダーというくらい、ラベンダーは
超有名なエッセンシャルオイルですね。

 

ではありますが実は私は、ラベンダーの色は
大好きなのですが、香りはちょっと苦手でした。
ところがこの石けんは、不思議なことに平気です。

 

 

 

 

 

有名なのはタスマニアデビルだけじゃないよ

その理由はもしかしたら、このティリーの
石けんが使用しているものが、タスマニア
ラベンダーだからなのかもしれません。

 

ラベンダーも産地によって
かなり香りの違いがあるそうです。

 

もっともこれは石けんで、エッセンシャルオイル
そのものではありませんから、石けんから
発する香りとエッセンシャルオイルが
厳密に同じとはいえないと思いますが。

 

 

オーストラリアのウォーンバットとタスマニアデビル
ぬいぐるみ「ハンサ」東京ミッドタウン

 

 

タスマニアと聞いて私がまず真っ先に思い浮かぶ
のは、今まではタスマニアデビルだったのですが
タスマニアラベンダーも有名だそうです。

 

紫のラベンダーが一面に広がる夏の風景は
タスマニアの風物詩なのだとか。

 

特に、オーストラリアの北のロンセストンの近く
ナボーラにある、ブライドストー・ラベンダー
ファームの広さは、なんと44ヘクタール。
世界一の規模を誇るファームといわれています。

 

 

ラベンダーの花

 

 

それは単に広さだけではなく
このファームのラベンダーの純粋性、
オイルの香りや鎮静効果の優秀性もまた同様です。

 

1921年にロンドンの調香師・デニー一家が、本場フランス
アルプスに起源をもつ、真正ラベンダーの種子
「Lavandula angustifolia」をつかって栽培を始めた場所は
現在ファームがあるナボーラの北部、リリーデールでした。

 

デニーは品種改良とともに、純粋性を保つことにも
努めましたが、品種間の交配が進みやすいラベンダー
の純粋性を保つには難しいと考え、現在のナボーラに
移動し、90年以上の月日を重ねているのです。

 

フランスのアルプス地方からは地理的に、はるかに離れた
タスマニアの地とはいえ、人々の努力によって、真正
ラベンダーの純粋性においては、全く遜色なく保たれて
いるため、タスマニアラベンダーは高品質なのですね。

 

 

 

 

 

虫除けのための成分「カンファー」

ラベンダーは標高の高いところで出来た
ものの方が、低い方でできたものよりも
香りが良くなるといわれています。

 

その理由は、標高の高いところの方が
害虫が少ないからです。

 

害虫を寄せつけないようにするため、ラベンダーは
カンファーという成分を作りだしていますが、その
含有量は生育した場所により、1パーセントだったり、
15パーセントだったりとさまざま。

 

私は多分、ラベンダーに含まれている、この
カンファーの成分が苦手だったと思われます。

 

 


 

 

 

カンファーはクスノキ・樟脳の香り

とはいえ「カンファー=良くない香り」
というわけではありません。

 

カンファーは「クスノキ(樟木)」の成分でもある
衣類の虫除けなどに使う樟脳(しょうのう)の香りです。

 

(この「クスノキ」は漢字では
「樟木」と「楠」の2つがあります。
「楠」と書くと本来は別の木である
「タブノキ」を指すということです)

 

 

 

 

このちょっとツンとするカンファーを、好ましいと
思う人も少なくありませんし、また同一人物で
あっても体調や時によっては、同じ香りを好ましく
感じたりそうでなく思う時もありますからね。

 

ちなみに、樟脳のツンとする香りといって、
多くの人が思い浮かべるのは、実際は樟脳
ではなくナフタリンの香りだそうですよ。

 

カンファーの香りには刺激性がある一方、鎮静、
リラックスの効果もあるとされ、神経過敏や
興奮状態を沈めてくれる働きもあります。

 

また、落ち込んでいる時にシャキッと
させてくれる効果もあるとか。

 

 


 

 

 

環境によって遺伝子を変化させるラベンダー

フランスのアルプス地方が原産地のラベンダーは
ギリシャ時代から栽培されていた植物で
タネから育つ実生植物です。

 

実生植物は環境の影響を受けやすいために、世代を
経るにしたがって遺伝子(DNA)が変化します。

 

もとは同じ品種だったとしても、生育場所に
よっては、カンファーを多く含むラベンダー
になったり。そうでなかったりするのですね。

 

香りの違いはカンファーの含有率の違いだけでは
ありませんが、日本で最も多く流通しているフランスの
ものでも、フランス産ラベンダーと一口に括れないほど
香りに違いがあるのは容易に想像ができるところ。

 

 

ルネ・ラリックの香水瓶「シダ」

 

 

 

国別ラベンダーの香りの違い

《フランス産》

シンプルで純粋な香り。
特に高地で生育したものはカンファーも
少なく、優しく甘い香りがします。

 

フランス産でも「スパイクラベンダー」と
記載されたものは、低地で生育した
ラベンダーで、少々きつい感じもあります。

 

スパイクラベンダーの、カンファー
含有率は、15パーセントほど。

 

ラベンダーには多くの種類があり「スパイクラベンダー」
はラベンダーの亜種の1つで、これ以外には
「ラバンディン」などがあります。

 

それらを区別するために、いわゆるラベンダーを
「真正ラベンダー」と呼ぶこともあり
「Lavandula officinalis」「L.angustifolia, L.vera」
と記載されているものは、真正ラベンダーです。

 

 

 

 

《ブルガリア産》

ブルガリアではラベンダーを栽培する土地は
標高が高いためカンファーは少なく、フランス産
より柔らかい、すっきりとした美しい香りが特徴。

 

ラベンダー栽培にはブルガリアが
最も適しているという人さえいます。

 

 

《タスマニア産》

柔らかで高貴な香り。
タスマニアは、日本のラベンダー産地として有名な
北海道と似ている土地といわれ、苗が越冬する
ことによりしっかりした香りになるそうです。

 

カンファーは少なく、「リナロール」と呼ばれる
フローラル系の香り成分を多く含むため
華やかな香りが楽しめます。

 

 

 

 

 

ラベンダーは火傷にも効果がある!

アロマテラピーという名前の命名者ともいわれる
フランスの調香師であり化学者でもあったルネ・
モーリス・ガットフォセ(1881〜1950年)
のこんな有名なお話があります。

 

彼が実験をしていて手に火傷を負ってしまった時、
そばにあったラベンダーオイルの容器に手を入れた
ところ、痛みが消え傷跡も残らなかったというもの
で、様々な場所で喧伝されているものです。

 

 

 

 

ところが実際の事故はもっと大変なものだったとか。
実験室の爆発事故により引火された物質を浴びた
ガットフォセは、芝生の上を転がって消火。
その後、両手は急速にガス壊疽で覆われてしまいます。

 

ガス壊疽とは、傷口から細菌が入って
筋肉が壊死する致死性の疾患。

 

その大変なガス壊疽が、ラベンダーエッセンスで
一度洗浄しただけで、食い止めることができた
というのが、実際の体験だったそうです。

 

 

 

 

 

ラベンダーエッセンスで洗うだけ

ラベンダーエッセンスがガス壊疽にだけ効果が
あって、火傷やその他の傷には効果がない
というわけではないので、「伝説」の内容が
間違っているというわけではありません。

 

ですが、大抵のこの類の話は事実より、広まった
話の方が尾ひれがついて膨らんでいるという
ように思われますが、逆なのも面白いですね。

 

実際に負った傷の方が、はるかに
ひどいように思えますから。

 

それが、たった一度のラベンダーエッセンスの洗浄でよく
なったとは、本当に驚くべきことですが、ラベンダー
エッセンスを洗浄に使うのは、ガットフォセが考えだ
したことではなく、昔から行われていたことでした。

 

 

 

 

 

語源は「(洗う)ラワーレ」から?

ラベンダーの語源と思われている言葉は
いくつかあるようですが、その一つはラテン語の
「ラワーレ(洗う)」からきたというものです。

 

これは古代ローマの人々が、消毒作用、
傷の洗浄および普段の沐浴時にも、浴槽に
ラベンダーを入れていたことによります。

 

それほどラベンダーで洗うということは
普通のことだったわけですね。

 

 

 

 

ちなみにもう一つは、花の色を表す「Liveo
(青みがかった鉛色)」という言葉からきたとも
いわれていますが、いずれにせよラベンダーを直に
肌につけることが火傷に効くということは事実のよう。

 

よくエッセンシャルオイルは
肌に直につけないようにといわれますが。

 

わっ〜、試してみたい、という好奇心がむくむく
湧いてきて、なにやら火傷をするのを待ち望んで
いるかのような気分にもなっている今日この頃です。

 




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