化学物質過敏症

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「化学物質過敏症」とは?

種々の微量化学物質に反応して、様々な
不調が現れる症状を「化学物質過敏症
(Chemical Sensitivity=CS)」といいます。

 

仕事で特定の化学物質を反復暴露したり、
農薬の散布、工場の煤煙・排気ガスによる
大気汚染など、揮発性化学物質が原因で
起こります。

 

1950年代にアメリカのセロン・ランドルフ
医師は、化学物質の暴露により過敏反応
が発生する可能性を指摘。

 

1987年には、マーク・カレンによって
多種類化学物質過敏状態という概念が
提唱されました。

 

エール大の  Mark Cullen  教授は、

かなり大量の化学物質に接触した後、
または微量な化学物質に持続的に接触
した後に、同じ化学物質に再接触した
場合に出てくる不愉快な症状

が化学物質過敏症であると定義しています。

 

 

 

 

 

「シックハウス症候群」とは別の概念

最初に反応していた化学物質は1種類だけで
あっても、後に多種類の化学物質に反応する
というように変化をすることもあります。

 

欧米ではこれを、「多種類化学物質過敏症
(Multiple  chemical  sensitivity= MCS)」
といいます。

 

「化学物質過敏症」は、前回、御紹介した
「シックハウス症候群」と混同されがちです。

 

しかし「シックハウス症候群」は、単一の
疾病を指すものではなく、住宅に関連する
種々の健康被害の総称ですので「化学
物質過敏症」とは別の概念といえます。

 

 

 

 

 

化学物質過敏症の症状

症状が多彩、かつ多いのが特徴です。

_____________________

自律神経症状

発汗異常、手足の冷え、めまい、疲れやすい

_____________________

神経・精神症状

うつ状態、頭痛、不安感、不眠などの睡眠障害、
思考力低下、記憶力低下、集中力低下、興奮性、
怒りっぽい、攻撃性、落ち着きがない、筋肉痛、
運動機能障害、四肢末端の知覚障害、関節痛、
筋力低下、起立性調節障害

_____________________

気道症状

のどの痛み、鼻の痛み、気道の乾燥感、
呼吸困難、風邪をひきやすい

_____________________

消化器症状

下痢、便秘、悪心、嘔吐、腹痛、過食、
食欲不振

_____________________

 

 

感覚器症状

目の刺激感、目の疲れ、まぶしい、視力低下、
ピントが合わない、鼻の刺激感、匂いに敏感に
なる、味覚異常、音に敏感になる、鼻血、
皮下出血

_____________________

循環器症状

動悸、不整脈、胸部痛、高血圧

_____________________

免疫症状

皮膚炎、じんましん、喘息、自己免疫疾患、
鼻炎、花粉症、発熱、リンパ節拡張

_____________________

泌尿生殖器・婦人疾患

生理不順、不正性器出血、月経前困難症、
頻尿、乏尿、排尿困難、尿失禁、膀胱炎

_____________________

 

 

 

 

 

オーストラリアでは

2018年にオーストラリアで、18歳から65歳
までの多種類化学物質過敏症者、1098名の
聞き取り調査を行いました。

 

それによりますと、74.6%の人が喘息または
喘息様症状と診断され、91.5%が香料による
体調不良を起こし、56.3%が呼吸困難を、
46.5%が頭痛を起こすと報告されています。

 

オーストラリアでは、多種類化学物質過敏症
の患者は100万人と推定され、その他にも
化学物質に過敏は人は200万にいると推定
されているということです。

 

 

 

 

 

日本では70万人〜100万人

日本では成人を対象に行った調査から、全国
で約70万人の発症者がいると思われ、子ども
を含めると100万人ほどと推定されています。

 

しかし、多くの医師は「化学物質過敏症」に
関心がないともいわれており、診療できる
医師は限られているのが現状。

 

そのため「精神疾患」や「更年期障害」、
あるいは別の疾患と診断されたり「原因不明」
と放置される潜在患者が多数います。

 

医師に、異常もなく気のせいだといわれ「化学
物質過敏症」との診断が下されるまでに、複数
の医療機関を訪ねる人も少なくありません。

 

また、異常がないという医師の言葉から、家族
からも理解されない発症者も少ないなく、症状
のみだけではなく孤独にも苦しめられています。

 

 

 

 

 

不特定アレルギー症状の一つに分類

日本では、2009年10月1日から厚生労働省は
これまでの調査研究報告結果からカルテや
診療報酬明細書(レセプト)に記載するための
病名リストに化学物質過敏症を登録しました。

 

病名を「ICD-10(国際疾病分類)の中毒の項
(T65.9)」に分類し、シックハウス症候群を
含む、不特定のアレルギー症状の一つとして
います。

 

 

 

 

これにより、今まで「シックハウス症候群」や
「うつ病」「自律神経失調症」等の他の病名で
治療を受けていた人も化学物質過敏症という
病名がつき、障害年金を申請することができる
疾病となりました。

 

2010年には、有機溶剤を扱う業種に勤務し、
化学物質過敏症による眼球運動障害を患った
男性が、労災と認定された判決も出ています。

 

しかし一方、シックハウス関連の厚生労働省
資料には「化学物質暴露と症状の関係は否定的」
「科学的には化学物質暴露と身体反応には関連
はなく、症状の原因が化学物質とはいえない」
という記載もあるということです。

 

 

 

 

 

毒性テストすらされていない化学物質の存在

今日、推計で5万種以上の化学物質が流通し、
また、わが国において工業用途として届け出
られるものだけでも毎年300物資程度の新たな
化学物質が市場に投入されています。
化学物質の開発・普及は20世紀に入って急速に
進んだものであることから、人類や生態系に
とって、それらの化学物質に長期間暴露される
という状況は、歴史上、初めて生じているもの
です」     (2003年版『環境白書』)

 

でありながら、

 

今日、市場に出回っている化学物質のなかで、
量として75%にあたるものについて、基本的な
毒性テストの結果すら公開されていない
(米国NGOの環境防衛基金
『Toxic Ignorance(毒性の無知)』1997年)

 

という状態のため「環境ホルモン」や「化学
物質過敏症」など、従来予想できなかった
新たな問題が表面化してきたともいえます。

 

 

 

 

 

発症者の反応を引き起こす主な化学物質

発症者の
____________________

90%以上に症状が出るもの

 家庭用殺虫剤、殺菌、防虫剤類

____________________

80%以上に症状が出るもの

 香水などの化粧関連用品類、
 衣料用洗剤類、防臭・消臭・芳香剤類、
 シャンプーなどのボディケア用品類、
 灯油などの燃料類、印刷物類、
 タバコの煙、ペンなどの筆記用具類

  (横浜国立大学・糸山景子氏らが発症者
   488名に行ったアンケート結果より)

____________________

このほか、発症者が反応するものとしては

 新建材、塗料から放散される化学物質、
 排気ガス、電磁波など

 

 

 

 

 

化学物質過敏症を予防するには

化学物質にできるだけ暴露しないように
することが大切で、予防のためには以下
のようなことが推奨されています。

 

・室内空気を汚さないように換気をする
(噴霧式・スプレー式殺虫剤、芳香剤、
消臭剤は使用しない
衣類用防虫剤は使用しないか
密閉容器の中でのみ使用する
あらゆるスプレー類は使用しないか、
戸外で使用する)

・合成洗剤はやめて石鹸にする

・住宅の新築・改修・改装に注意する

・適度な運動で汗をかく

  (「NPO化学物質過敏症支援センター」)

 




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