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夜は部屋に植物は置かない方がいい?
植物は昼間は太陽光で光合成を行い酸素を
出しますが、夜は二酸化炭素を出すので夜は
部屋に置かない方がよいという方もいます。
特に病気の方へのお見舞いなど、夜間は
体に負担がかかるので部屋には置かない
などと聞いた記憶もあります。
しかし、結論を先に言ってしまいますと
確かに夜間は二酸化炭素を排出するものの
微量なので気にすることはないとのこと。
夜の二酸化炭素排出量はごく微量
植物は昼も夜も、酸素を取り入れて、
二酸化炭素を出すという呼吸をしています。
昼間は、
呼吸(酸素を入れ 二酸化炭素を出す)と
光合成(二酸化炭素を入れ、酸素を出す)
の両方をしています。
ただし、呼吸で出す二酸化炭素より、光合成
で出す酸素量の方が多い(酸素>二酸化炭素)
ので問題はありません。
夜間は、光合成をせずに呼吸だけしているため
二酸化炭素を出しているということになります
が、問題にするほどの量でないのです。
胡蝶蘭は夜、光合成のための二酸化炭素を吸収
と書きましたのは一般的な植物のこと
であり、中には例外ももちろんあり
胡蝶蘭は例外的な植物の一つです。
胡蝶蘭は、光合成のための二酸化炭素の取り
込みを夜間に行い、昼間までためていて
デンプンなどの有機物の固定を行います。
胡蝶蘭の生育場所は水分が少ないことが多く
昼間に気孔を開けてしまうと、そこから水分
が蒸発しやすく、水を失ってしまうからです。
胡蝶蘭(写真/「Hitohana」)
胡蝶蘭と聞いてすぐイメージする
いわゆる贈り物タイプのものより
こちらの方が遥かに美しく感じます
胡蝶蘭は「着生蘭」
胡蝶蘭は「着生蘭」といい、土壌に根をおろ
さず、上の写真のように樹上や岩の割れ目
などで生きる植物です。
カトレアやバンダなども同様。
蘭の中でも土に根を下ろして生活するものは
「地生蘭」といい、パフィオペディラムやエ
ビネ、シュンラン、サギソウなどがあります。
着生蘭の胡蝶蘭は、自生地でも根は空気中
に出ていて、水分も栄養も期待できない
結構、過酷な環境で暮らしています。
そこで胡蝶蘭は、葉に水分や栄養を蓄える
ことができるように肉厚になっていたり
光合成のための二酸化炭素を夜に取り入れ
たりしているのです。
カトレア
(写真/「南米コロンビア・雲と星が近い町から」)
カトレアも着生種
この写真はコロンビアのフサガスガ市の
カトレアの原種Trianaei(トゥリアネー)です。
フサガスガ市のトゥリアネーが
世界で初めて発見されたカトレア
の原種だということです。
この写真は樹木に着生したカトレアです
が、フサガスガ市街の電柱にも着生して
いて見た人は、目が点になるなるとか。
(「南米コロンビア・雲と星が違い街から」)
CAM(型光合成)植物
このような光合成をする植物を
「CAM植物」といいます。
水分が少ないところで暮らす植物と
いえばすぐサボテンが思い浮かびます
が、サボテンもCAM植物です。
通常の光合成では水分を大量に使いますが
それができない場所で生息している植物が
CAM型光合成をするようになったようです。
後発組の悲劇?
「着生蘭」は樹上や岩の割れ目に、
「地生蘭」は薄暗い樹林内の地中という
ように、共に生活環境として理想的とは
いえない場所で暮らしています。
そのせいで水分が充分に使えずに独自の
光合成をしているわけですが、なぜこの
ような場所に生息しているのでしょう?
この理由は、蘭は植物進化の中では最も遅く
誕生した植物なので、彼らが地球上に誕生
した時には、条件のよい場所はもう他の植物
に占領されていたということなのだそうです。