エッセンシャルオイルの7つ分類

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エッセンシャルオイルのさまざまな香り

エッセンシャルオイル(精油)には、さまざまな香りが
ありますが、それらの特徴を大まかにまとめてみると
7つに分類することができます。

 

前回、御紹介をした2つの石鹸「タスマニア
ラベンダー」と「ブラックボーイローズ」は
お花の香りを使用したものでした。

 

このラベンダーオイルやローズオイルは
フローラル系と呼びます。

 

フローラル系以外では、シトラス系、ハーブ系、
ウッディ系、スパイス系、樹脂系、エキゾチック系
があります。

 

 


左が「ブラックボーイローズ」、右が「タスマニアラベンダー」

 

 

 

1 フローラル系

この精油は、多くは花から抽出された
もので、甘く優しい香りが特徴です。
精油といえばまず思い浮かべるのはこ
のフローラル系かもしれませんね。

 

エレガントで華やかな香りは、不安を和らげたり、
気持ちを落ち着ける働きをもっていますので、
ストレスなどでイライラが嵩じた時や、ちょっと落ち
込んでいる時、華やかさを感じたい時にも最適です。

 

ラベンダー、ローズ(ローズオットー/
ローズアブソリュート)、ジャスミン、ミモザ、
カモミール、ネロリ、パルマローザ、
イモーテルなどがフローラル系の精油です。

 

 

 

 

 

2 柑橘系(シトラス系

柑橘類の精油は、爽やかさで親しみやすく
ちょっと美味しそうな香りがします。
甘さとともに、柑橘類の酸味も含んで
いて誰にも好まれる香りです。

 

元気になったり、楽観的な気分にさせてくれたり。
胃腸の調子を整えるものも多いそうです。

 

そういえばグレープフルーツのエッセンシャルオイル
は、ダイエットにもいい、などと言われていましたね。

 

オレンジ、グレープフルーツ、レモン、ライム、
レモングラス、ユズ、シトロネラ、ベルガモット、
マンダリン、レモンバーム(メリッサ)、

 

ユーカリ・シトリオドラ(ユーカリ・レモン)、
バーベナなどがそうです。

 

 

グレープフルーツ

 

 

 

3 ハーブ系

植物のタネや、葉っぱ、花から抽出する精油。
爽快感とともにほろ苦さも感じる香りです。
気分をすっきりさせてくれたり
リラックスさせてくれます。

 

古くから民間薬としても使われ、またお料理
などに使うハーブと重なるものもありますね。

 

アンゼリカ、オリガナム、キャロットシード、
クラリセージ、ゲットウ、スイートマジョラム、
スパイクナード、スペアミント、セージ、セロリ、
タイム、タラゴン、バジル、パセリ、ヒソップ、
フェンネル、ペパーミント、マジョラム、マヌカ、
メリッサ、サロウ、ローズマリーなどです。

 

 

メリッサ

 

 

 

4 ウッディ系(樹木系、グリーン系)

樹木の皮や枝、葉などから抽出されたもので
森林を感じさせてくれる香りです。

 

すがすがしく深い落ち着きを感じさせてくれるので
ストレス解消やリラックスしたい時におすすめ。

 

カユプテ、クロモジ、サイプレス、シダーウッド、
ジェニバーベリー、ティートゥリー、ニアウリ、
パインニードル、パーチ、ヒノキ、プチグレン、
ユーカリ、ローズウッドなどがウッディ系。

 

 

 

 

 

5 スパイス系

こちらも、お料理でお馴染みでもあるスパイスの香り
ですが、お料理のものよりは少し柔らかい感じの香り。

 

スパイス類のタネから抽出する精油で、独特な
雰囲気を持ち、印象に強く残る香りでもあります。

 

体を温める作用もあるといいます。
刺激、活性化に優れ、ポジティブな気持ちに
させてくれますが、刺激が強いので
使い方には注意も必要な精油です。

 

カルダモン、クローブ、クミン、コショウ、
コリアンダー、シナモン、ジンジャー、
スイートフェンネル、ナツメグ、ブラックペッパー、
ローレルなどです。

 

 

ジンジャー

 

 

 

6 樹脂系(レジン系

樹木からにじみ出た樹脂から
抽出した、濃厚で甘い香りの精油。
香りが長続きをするのも特徴。
粘度の高い精油が多いです。

 

樹脂系の精油には個性的な香りのものも多く
みられ、気持ちを落ち着けてくれる作用もあるため
儀式などに用いられることもある精油です。

 

カンファー、フランキンセンス(乳香)、
ベイゾイン(安息香)、ミルラ(マー、没薬)など。

 

 

イランイランの花

 

 

 

7 オリエンタル系(エキゾチック系)

東南アジアや中東の植物から抽出された
エキゾチックで濃厚で甘い香りの精油です。

 

とても個性的でもありますが、それはまたクセがある
とも表現できる香りで、官能的な雰囲気を持ちます。

 

イランイラン、サンダルウッド、パルマローザ、
バチュリ、ペチバー、ロータスなど。

 

 

ハス

 

 

 

エッセンシャルオイルをブレンドする時

主なものだけでも100種類近くあるという、エッセン
シャルオイルですが、これらをブレンドする時には
先ほど分類したエッセンシャルオイル同士ですと
香りの印象が似ているために違和感がなく調和します。

 

また同じ分類のものだけではなく、それぞれの
両隣に位置するエッセンシャルオイルも
相性が良い組み合わせとなりますので、いろいろ
試してみるのもおもしろいかもしれません。

 

そして、あなただけの香りを作るという
ちょっと贅沢で高度な香りの遊びも楽しいですね。

 

 

          フローラル系
      ↑ ↓         ↑ ↓
   エキゾチック系        柑橘系
   ↑ ↓            ↑ ↓

   樹脂系           ハーブ系
     ↑ ↓          ↑ ↓

     スパイス系  ←  ウッディ系
            →

 

 

 

注意点 !

ただ、とても奥深くお洒落なエッセンシャルオイル
のブレンドではありますが、注意しなくては
いけないこともあります。
それは以下の2点です。

 

1 妊娠初期の方は、エッセンシャルオイルの使用は
 避けた方が良いといわれています。

 

2 低血圧の人はエッセンシャルオイルの使用で
 疲労を感じてしまうこともあるそうですので
 注意しながら試してみる方がいいかもしれませんね。

 

 

 

 

 

ノート

香りの説明にはよく「ノート」という言葉が
出てきますが、これは香りが立ち上がって
から香る速度を表しています。

 

早いものをトップノート(Top note)、
中程度のものをミドルノート(Middle note)、
遅いものをベースノート(Base note)と呼びます。

 

香りは、揮発性が高いエッセンシャルオイルほど
立ち上がりのスピードが早くなります。

 

ですからトップ、ミドル、ベースを上手に
組み合わせることによって、より奥深く
厚みのある香りを作り出すことができます。

 

 

 

 

 

ノート別 代表的なエッセンシャルオイル

トップノート(Top note)

揮発性が高いため、最初にすぐ香るが
長続きしないタイプです。
30分から2時間程度。

 

レモンなどの柑橘系や、ペパーミントなどの
メントール系はトップノートです。

 

オレンジ、カユプテ、グレープフルーツ、コリアンダー、
シトロネラ、ジンジャー、スペアミント、タンジェリン、
ティートゥリー、ナツメグ、ニアウリ、パルマローザ、
バジルペパーミント、ベイ、ベルガモット、マンダリン、
メイチャン、ライム、ラベンダー、レモン、レモングラス、
レモンバーベナ、レモンユーカリ、ユーカリなど。

 

 

 

 

 

ミドルノート(Middle note)

中程度の揮発性をもち、トップノートに
続いて香る、いわば香りのメインをなすものです。
2時間〜6時間。

 

ジャスミン、イランイランなどのフローラル系は
ミドルノートに分類されるものが多いです。

 

イランイラン、カモミール・ジャーマン、カモミール、
ローマン、クラリセージ、サイプレス、ネロリ、
ジャスミン、ジンジャー、ジェニバー、ゼラニウム、
ティートゥリー、パイン、フェンネル、プチグレン、
ブラックペッパー、マージョラム、マートル、メリッサ、
ラベンダー、ローズウッド、ローズオットー、
ローズマリー、ローズゼラニウムなど。

 

 

 

 

 

ベースノート(Basa note)

最も揮発性が遅いもので、他の香りが
消えた後も、ほのかに香るもの。
6時間〜数日程度。

 

樹木や樹脂系の香りの多くは
ベースノートに分類されます。

 

クローブ、サンダルウッド、シダーウッド、
シナモン、バチェリ、フランキンセンス、
ペチバー、ベイゾイン、ミルラなど。

 

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ラベンダーエッセンス 石けん「TILLRY(ティリー)」

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オーストラリアの老舗石けんブランド「TILLRY」

少し前にお友達からオーストラリアの
石けんを頂きました。

 

ピンク色とパープルの美しい石けんで
「TILLRY AUSTRALIA」とと記されていて
とても香りの高いもの。

 

この石けんを作っている「TILLRY(ティリー)」は
1865年、アーサー・ティリーが石鹸や香水を使った
製品を作るために起こしたコスメティックブランドで
160年以上の伝統を誇るオーストラリアのメーカーです。

 

 

 

 

ピンク色の石けんには「ブラックボーイローズソープ」。
ブラックボーイローズというバラの花びらが
練り込まれているようで、原料はヤシや
ココナッツオイル、シアバターと天然ビタミンEなど。

 

 

 

「タスマニアラベンダーソープ」

パープルの方は「タスマニアラベンダーソープ」。
タスマニアラベンダーのリッチで
魅惑的な甘い芳香が漂います。

 

リラックス効果といえば、まず最初にラベンダーの
名前があがる、というよりアロマテラピーといえば
まずラベンダーというくらい、ラベンダーは
超有名なエッセンシャルオイルですね。

 

ではありますが実は私は、ラベンダーの色は
大好きなのですが、香りはちょっと苦手でした。
ところがこの石けんは、不思議なことに平気です。

 

 

 

 

 

有名なのはタスマニアデビルだけじゃないよ

その理由はもしかしたら、このティリーの
石けんが使用しているものが、タスマニア
ラベンダーだからなのかもしれません。

 

ラベンダーも産地によって
かなり香りの違いがあるそうです。

 

もっともこれは石けんで、エッセンシャルオイル
そのものではありませんから、石けんから
発する香りとエッセンシャルオイルが
厳密に同じとはいえないと思いますが。

 

 

オーストラリアのウォーンバットとタスマニアデビル
ぬいぐるみ「ハンサ」東京ミッドタウン

 

 

タスマニアと聞いて私がまず真っ先に思い浮かぶ
のは、今まではタスマニアデビルだったのですが
タスマニアラベンダーも有名だそうです。

 

紫のラベンダーが一面に広がる夏の風景は
タスマニアの風物詩なのだとか。

 

特に、オーストラリアの北のロンセストンの近く
ナボーラにある、ブライドストー・ラベンダー
ファームの広さは、なんと44ヘクタール。
世界一の規模を誇るファームといわれています。

 

 

ラベンダーの花

 

 

それは単に広さだけではなく
このファームのラベンダーの純粋性、
オイルの香りや鎮静効果の優秀性もまた同様です。

 

1921年にロンドンの調香師・デニー一家が、本場フランス
アルプスに起源をもつ、真正ラベンダーの種子
「Lavandula angustifolia」をつかって栽培を始めた場所は
現在ファームがあるナボーラの北部、リリーデールでした。

 

デニーは品種改良とともに、純粋性を保つことにも
努めましたが、品種間の交配が進みやすいラベンダー
の純粋性を保つには難しいと考え、現在のナボーラに
移動し、90年以上の月日を重ねているのです。

 

フランスのアルプス地方からは地理的に、はるかに離れた
タスマニアの地とはいえ、人々の努力によって、真正
ラベンダーの純粋性においては、全く遜色なく保たれて
いるため、タスマニアラベンダーは高品質なのですね。

 

 

 

 

 

虫除けのための成分「カンファー」

ラベンダーは標高の高いところで出来た
ものの方が、低い方でできたものよりも
香りが良くなるといわれています。

 

その理由は、標高の高いところの方が
害虫が少ないからです。

 

害虫を寄せつけないようにするため、ラベンダーは
カンファーという成分を作りだしていますが、その
含有量は生育した場所により、1パーセントだったり、
15パーセントだったりとさまざま。

 

私は多分、ラベンダーに含まれている、この
カンファーの成分が苦手だったと思われます。

 

 


 

 

 

カンファーはクスノキ・樟脳の香り

とはいえ「カンファー=良くない香り」
というわけではありません。

 

カンファーは「クスノキ(樟木)」の成分でもある
衣類の虫除けなどに使う樟脳(しょうのう)の香りです。

 

(この「クスノキ」は漢字では
「樟木」と「楠」の2つがあります。
「楠」と書くと本来は別の木である
「タブノキ」を指すということです)

 

 

 

 

このちょっとツンとするカンファーを、好ましいと
思う人も少なくありませんし、また同一人物で
あっても体調や時によっては、同じ香りを好ましく
感じたりそうでなく思う時もありますからね。

 

ちなみに、樟脳のツンとする香りといって、
多くの人が思い浮かべるのは、実際は樟脳
ではなくナフタリンの香りだそうですよ。

 

カンファーの香りには刺激性がある一方、鎮静、
リラックスの効果もあるとされ、神経過敏や
興奮状態を沈めてくれる働きもあります。

 

また、落ち込んでいる時にシャキッと
させてくれる効果もあるとか。

 

 


 

 

 

環境によって遺伝子を変化させるラベンダー

フランスのアルプス地方が原産地のラベンダーは
ギリシャ時代から栽培されていた植物で
タネから育つ実生植物です。

 

実生植物は環境の影響を受けやすいために、世代を
経るにしたがって遺伝子(DNA)が変化します。

 

もとは同じ品種だったとしても、生育場所に
よっては、カンファーを多く含むラベンダー
になったり。そうでなかったりするのですね。

 

香りの違いはカンファーの含有率の違いだけでは
ありませんが、日本で最も多く流通しているフランスの
ものでも、フランス産ラベンダーと一口に括れないほど
香りに違いがあるのは容易に想像ができるところ。

 

 

ルネ・ラリックの香水瓶「シダ」

 

 

 

国別ラベンダーの香りの違い

《フランス産》

シンプルで純粋な香り。
特に高地で生育したものはカンファーも
少なく、優しく甘い香りがします。

 

フランス産でも「スパイクラベンダー」と
記載されたものは、低地で生育した
ラベンダーで、少々きつい感じもあります。

 

スパイクラベンダーの、カンファー
含有率は、15パーセントほど。

 

ラベンダーには多くの種類があり「スパイクラベンダー」
はラベンダーの亜種の1つで、これ以外には
「ラバンディン」などがあります。

 

それらを区別するために、いわゆるラベンダーを
「真正ラベンダー」と呼ぶこともあり
「Lavandula officinalis」「L.angustifolia, L.vera」
と記載されているものは、真正ラベンダーです。

 

 

 

 

《ブルガリア産》

ブルガリアではラベンダーを栽培する土地は
標高が高いためカンファーは少なく、フランス産
より柔らかい、すっきりとした美しい香りが特徴。

 

ラベンダー栽培にはブルガリアが
最も適しているという人さえいます。

 

 

《タスマニア産》

柔らかで高貴な香り。
タスマニアは、日本のラベンダー産地として有名な
北海道と似ている土地といわれ、苗が越冬する
ことによりしっかりした香りになるそうです。

 

カンファーは少なく、「リナロール」と呼ばれる
フローラル系の香り成分を多く含むため
華やかな香りが楽しめます。

 

 

 

 

 

ラベンダーは火傷にも効果がある!

アロマテラピーという名前の命名者ともいわれる
フランスの調香師であり化学者でもあったルネ・
モーリス・ガットフォセ(1881〜1950年)
のこんな有名なお話があります。

 

彼が実験をしていて手に火傷を負ってしまった時、
そばにあったラベンダーオイルの容器に手を入れた
ところ、痛みが消え傷跡も残らなかったというもの
で、様々な場所で喧伝されているものです。

 

 

 

 

ところが実際の事故はもっと大変なものだったとか。
実験室の爆発事故により引火された物質を浴びた
ガットフォセは、芝生の上を転がって消火。
その後、両手は急速にガス壊疽で覆われてしまいます。

 

ガス壊疽とは、傷口から細菌が入って
筋肉が壊死する致死性の疾患。

 

その大変なガス壊疽が、ラベンダーエッセンスで
一度洗浄しただけで、食い止めることができた
というのが、実際の体験だったそうです。

 

 

 

 

 

ラベンダーエッセンスで洗うだけ

ラベンダーエッセンスがガス壊疽にだけ効果が
あって、火傷やその他の傷には効果がない
というわけではないので、「伝説」の内容が
間違っているというわけではありません。

 

ですが、大抵のこの類の話は事実より、広まった
話の方が尾ひれがついて膨らんでいるという
ように思われますが、逆なのも面白いですね。

 

実際に負った傷の方が、はるかに
ひどいように思えますから。

 

それが、たった一度のラベンダーエッセンスの洗浄でよく
なったとは、本当に驚くべきことですが、ラベンダー
エッセンスを洗浄に使うのは、ガットフォセが考えだ
したことではなく、昔から行われていたことでした。

 

 

 

 

 

語源は「(洗う)ラワーレ」から?

ラベンダーの語源と思われている言葉は
いくつかあるようですが、その一つはラテン語の
「ラワーレ(洗う)」からきたというものです。

 

これは古代ローマの人々が、消毒作用、
傷の洗浄および普段の沐浴時にも、浴槽に
ラベンダーを入れていたことによります。

 

それほどラベンダーで洗うということは
普通のことだったわけですね。

 

 

 

 

ちなみにもう一つは、花の色を表す「Liveo
(青みがかった鉛色)」という言葉からきたとも
いわれていますが、いずれにせよラベンダーを直に
肌につけることが火傷に効くということは事実のよう。

 

よくエッセンシャルオイルは
肌に直につけないようにといわれますが。

 

わっ〜、試してみたい、という好奇心がむくむく
湧いてきて、なにやら火傷をするのを待ち望んで
いるかのような気分にもなっている今日この頃です。

 

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オーストラリアのエミューってどんな鳥?

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

 

 

オーストラリアの国獣であり国章

カンガルーとエミューはオーストラリアの国獣でも
あり、また国章にもなっている動物です。

 

オーストラリアといえば何となく、カンガルーと
コアラが思い浮かびますが、コアラは非公式だそう。

 

ダチョウ目のエミューは、ダチョウに
次ぎ、世界で2番目に背の高い鳥。

 

ダチョウは、体高さ2.5メートル、体重は120キロに
なりますが、エミューは体高1.5〜2.0メートル、
体重は40〜60キロ位だそうです。

 

ダチョウもエミューもともに走る鳥、走鳥類といわれ
走るスピードは早いものの、飛べない鳥。
オーストラリアのお隣のニュージーランド
にいるキーウィもそうですね。

 

 

オーストラリアのエミュー

 

 

 

「Australia」と「Ostrich」

ダチョウは漢字では「駝鳥」と書きますが、
ダチョウの皮(革)を使ったバッグやお財布などを
「オーストリッチ」といいますので、オーストラリア
の鳥のような気がしてしまいますがアフリカ大陸の鳥。

 

(「皮(Skin)」は
   そのままでは腐ってしまう原皮の状態をいい、
「革(Leather)」は
   それをなめして加工したものを指します)

 

ダチョウは皮はもちろん、肉の需要も近年増えて
きたためにヨーロッパ、北米、中国、イスラエル、
オーストラリアでも飼育されていますので、現在は
ダチョウもオーストラリアにはいることになりますが。

 

「オーストリッチ」と「オーストラリア」という
日本語表記が少々、似ているため混乱しがちですが
ダチョウの オーストリッチは「Ostrich」で、
     オーストラリアは「Australia」。

 

 

 指が3本のエミューの足跡

 

 

 

エミューとダチョウの違い

エミューは、足の指が3本あるのに対して
ダチョウは、2本しかありません。

 

飛べないけれど早く走ることができる鳥
として有名なのに、足の指が2本しかないとは
不思議、安定感がないような気もしますが。

 

またダチョウは飛べませんが羽は残っています。
一方、エミューの方はほとんど
退化してしまっているそうです。

 

羽毛自体の形態も異なっていて、エミューは
鳥類では唯一、2本が対になっているのに対して
ダチョウは1本1本が分かれています。

 

 

左側からロリキート、マガモ、エミュー、ダチョウの卵
(写真/「富士花鳥園 公式ブログ」)

 

 

ともに大きな卵として有名ですが、ダチョウの卵は
1.5キロ以上もあり(ニワトリの卵は約50グラム)、
色はクリーム系の白。
殻の厚さは2ミリ程度で人が乗っても割れないとか!

 

上の写真のエミューの卵は縦が14センチ、横は9センチ、
重さは600グラムほどですが、深い緑色が特徴的ですね。
味はニワトリの卵より淡白であっさりしているといいます。

 

ダチョウの卵はもっとあっさり
というか水っぽく、薄い味だそう。

 

また火を通しても白身の部分は半透明のままで
エッグアートに使用するにはよさそうですが
食べるのはちょっと……かもしれませんね。

 

 

オーストラリアの国章にもカンガルー
と共に描かれているエミュー

 

 

      エミュー      ダチョウ
________________________

指の本数    3本        2本

 羽    ほとんど退化    残っている

羽毛の形態  1本1本別々  1本が対になっている

卵の色    深緑      クリーム系の白

 

 

 

エミューはイクメンだった!

エミューはメスがオスより少し大きい鳥ですが
「エミュー(Emu)」という名の語源は
ポルトガル語の「Ema(大きい鳥)」からきています。

 

飛べない鳥なので、外敵に襲われた時はジグザグに
走って、時速50キロにも達するスピードで逃げますが
逃げるだけではなく足で攻撃することもあるそうです。

 

繁殖期は南半球で11月〜4月(北半球では5〜6月)で
このような濃い緑色の卵を5〜20個産みます。

 

 

右から2番目がエミューの卵、右端はダチョウの卵

 

 

この卵を温めるのはオスのみだそうで、なんと
8〜10週間の間、卵を温めヒナを孵しますが、その間は
食べることはおろか、飲むことも一切しないため
体重は約半分ほどに減ってしまうといいます。

 

孵化後、2〜3カ月はオスが外敵からヒナを守りますが
メスも飼育に参加することもあり、最高2年ほど
ヒナたちはオスと暮らすそうです。

 

 

 

エミュー(Emu)戦争

ダチョウ目、ヒクイドリ科、エミュー属の
エミューは現在、1種がのこるのみです。
同種あるいは近縁種がいましたが絶滅してしまいました。

 

なかでも1932年に行われたエミューの大量殺戮は有名。
オーストリア西オーストリア州キャンピオン地区で
エミューによる、農作物の被害が大きかったため
有害野生動物管理作戦が行われました。

 

これには機関銃で武装した兵士が動員されて、
「エミュー戦争(The Emu War)」
「エミュー大戦争(The  Great  Emu  War)」
と呼ばれた歴史に残るものでした。

 

 

オーストラリア大使館

 

 

 

軍隊が出動

1932年11月2日〜8日までで、2500発の弾薬が発射され
それにより死亡したエミューは50〜500頭といわれて
いますが、地元メディアの「わずか数頭のみ」
と否定的な報道もあります。

 

一度、撤収した後、上院において国務大臣は
エミューの農業に与える脅威を力説し、再び軍隊が
エミューに立ち向かい、1932年11月13日〜12月2日まで
毎週100頭が銃殺されたと報告。

 

12月10日の報告では、9860発の弾薬で986頭のエミュー
を殺害、即死ではなかったものの負傷した2500頭の
エミューが死亡したとされていますが、この戦争は
あまりに馬鹿げ、国費の浪費であるとの声もあがりました。

 

 

 

 

 

1種以外は絶滅、数も激減

とはいうものの地元の農家からは、1934年、
1943年、1948年の3回にわたって、
同じような軍事支援の要請が出されてました。

 

これらはいずれも政府が却下し
代わりに報奨金制度を導入。

 

軍事支援よりこちらの方が効果があったようで
1934年の6カ月の間に、57,034件の
報奨があったとの記録も残っています。

 

これらに対して「希少種エミューの根絶」
に反対をする人もいました。

 

オーストラリアの鳥類学者、ドミニク・サーベンティは
「エミューを大量殺戮しようとする試み」
と批判しています。

 

農家の被害は甚大だったのは確かで、何らかの
対策は必要だったと思われますが、現在
エミューは1種を残して他の種は絶滅、
全体数も激減ということもまた事実です。

 

 

現在は1種のみになり、全体数も激減したエミュー

 

 

 

日本でも飼育が始まる

機関銃で武装した兵士の手強い敵であった
エミューですが、草や花、昆虫を食べる
おだやかで人懐っこい動物だといいます。

 

何万年もの間、過酷な環境のもと生き延びてきた
エミューは、寒暖の差にも強く、砂漠地帯でも生息
できる丈夫な生き物で、飼育しやすく、日本でも
北海道でエミュー飼育が始められているようです。

 

肉は高タンパクで低カロリー、
豚肉の4倍もの鉄分も含みます。

 

羽はもちろんのこと、皮や骨、内蔵まで商品となる
そうですが、中でも有名なのはエミューオイルですね。

 

 

 

 

 

人気のエミューオイル

オイルはエミューの脂肪からとれますが、オーストラリア
のアボリジニは、傷や火傷、関節炎、筋肉痛、打撲、
虫さされなどの炎症鎮痛として、また皮膚炎などの
万能薬として長年、使ってきたということです。

 

1980年代にはオーストラリア政府の支援により
エミューオイルの研究分析・臨床検査が公式に
進められて、TGA(豪州治療医薬品局)の
定める「医薬品」として認められました。

 

動物性でありながら植物性脂肪を構成
する不飽和脂肪酸を多く含んでいて
べたつきのないさわやかな使用感が魅力。

 

肌への浸透が高い「オレイン酸(オメガ9系)」
潤いを保つ「リノール酸(オメガ6系)」
抗炎症作用「α-リノレン酸(オメガ3系)」

 

これら3つをバランスよく、人の皮膚の成分に
近い割合で含んでいるのが特徴です。

 

エミュー戦争に遭遇してしまった、不幸な
経験を持つ生き物であるイクメンエミューは
人間に役立ってくれる動物だったのですね。

 

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