本物の「純粋ハチミツ」を見分ける5つの方法 「本物」「ニセモノ」18

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本物の「純粋ハチミツ」を探して

ハチミツについて調べてみると,ミツバチやハチミツ
の全てが本当におもしろくて、興味が尽きません。
今回初めて知った「甘露蜂蜜」などは、是非
手に入れてみたいと思っています。

 

で須賀、ハチミツを購入する時は
ちょっと注意が必要なようです。

 

私は今までハチミツを買う時は、特にこだわり
もなく、ただボーッと選んでいただけでしたが
実はハチミツ選びって結構、難しいようですよ。

 

 

 

 

私のハチミツ購入歴の中ででは唯一、記憶に
うっすらと残っていることといえば
「純粋ハチミツ」の文字のみというお粗末さ。

 

今までは「純粋」だから良いハチミツ、と単純に
思っていたのですが、国内産は、

 

水分含有率は23パーセント以下、
外国産ですと水分含有率は20パーセント以下を
「純粋ハチミツ」と呼んでいます。

 

 

 

 

 

ハチミツの3つのタイプ

ハチミツは加工の仕方によって
3つのタイプに分けられます。

 

1 加工処理を加えていない、天然のままの
              「純粋ハチミツ」
2 水飴やブドウ糖、ショ糖をなどを加えてある
              「加糖ハチミツ」
3 加熱し、減圧釜などで脱色、脱香をした
              「精製ハチミツ」

 

「加糖ハチミツ」や「精製ハチミツ」は
ハチミツに含まれる有効成分が壊されていて
本来のハチミツの栄養分や香りは期待できません。

 

 

 

 

この2つがあまり良くないことは
何となく想像がつきますね。

 

それでは1の「純粋ハチミツ」ならばOKかと
いえばさにあらず、加熱処理をしたり、人工的な
甘味料を加えたハチミツも「純粋ハチミツ」
と銘打って売られていることもあるといいます。

 

 

 

ハチミツに加熱処理をする理由

そもそもハチミツのもつ特徴の1つとして
殺菌作用があるにもかかわらず、加熱処理を
施す理由としては次のようなものがあります。

 

 

 

 

① 本来はミツバチが行うハチミツの濃縮を、人間が代わりにする

ミツバチが花蜜を巣に持ち帰った時点では、
水分量は50〜60パーセントもあるので、それを
20パーセント位になるまで濃縮して保存します。

 

35度もあるという巣の中で、ミツバチの分泌する
酵素が混ざり、羽ばたいて風を送ったりするうちに
純度の高いハチミツが出来上がります。

 

 

 

 

このミツバチによるハチミツの濃縮を、人間が代わり
に行うことで時間の短縮を図ろうとして、ミツバチが
巣に持ち帰ったハチミツを、人間がすぐ取ってしまい
人間の手によって加熱処理をするのです。

 

人の手で濃縮されたハチミツは、確かに
短い時間で済むものの、栄養は壊されて
いて、いわば未完成のハチミツ状態。

 

厳密にいえば、本来のミツバチが作るもの
とは少々異なるものです。

 

 

 

 

 

② 容器に詰めやすくするため

また、出来上がったハチミツを工場で容器に
詰める際、加熱処理をすることにより
作業をしやすくしていることもあるとか。

 

ハチミツの栄養成分は、35°C位から
破壊されはじめて、60°Cでほ、
ぼなくなってしまうといいます。

 

そこで、ハチミツが破壊されない
35°C 以下に加熱してから詰めている業者も
あるそうですが、これならば安心ですね。

 

 

 

 

 

 

③ 結晶化(ニセモノと思われがちな)を防ぐため

本物のハチミツは、結晶化をすることがあります。
ところが消費者は誤った情報でこの結晶化を、
ニセモノのハチミツと思うことが多く
結晶化を防ぐために、加熱処理をするのだそう。

 

ハチミツに低温加熱すると結晶化しやすく
高温加熱をして濃縮すると、結晶化がしにくく
なるので、あえて高温加熱処理をするのです。

 

これなどは、消費者が事実を知ってで正しい選択が
できるようになれば、改善されることのように思えます。

 

 

「桜ハチミツリーフ」浅野屋
東京ミッドタウン

 

 

 

ハチミツの歴史が短い日本

加熱処理済みの「にせ・純粋ハチミツ」は本物と
比べると「色が少し黒く」焦げ臭い香りがする
そうですが、ハチミツに詳しい人でないと
見分けられない気もしますね。

 

「ニセ・純粋ハチミツ」のなかには、ほとんどの
成分が水飴で、風味を出すためにだけハチミツが
使われているに過ぎない、という紛い物もあるとか。

 

またここまで酷くはなくても、良いハチミツを作ると
思われていた会社の「純粋ハチミツ」から、人工甘味
料が、20パーセントも検出されこともあったそうです。

 

 

 

 

日本では、一般の人がハチミツを手に入れられる
ようになったのは、1881(明治14)年に
セイヨウミツバチの輸入されて以降のこと。

 

また、本物を見分けられない消費者が多いことが、この
ようなニセモノを蔓延らせている原因といわれています。

 

 

 

 

 

 

ハチミツの品質基準を示す数値「HMF」

例えばドイツでは、ハチミツの品質基準に
関しては、「ハチミツ純正法」という
とても厳しい基準があるそうです。

 

ハチミツが作られる過程でどの程度、加熱処理がされて
いるかが「HMF(ヒドロキシメチルフルフラール)」
という物質の量で表示されていますので、それを
見れば一目瞭然というわけです。

 

「HMF(ヒドロキシメチルフルフラール)」とは
糖の熱分解によって生成される有機化合物のこと
といっても、よくわかりませんが
要は、低い数値を選びましょうということです。

 

 

 

 

 

「HMF」数値の低いものが良いハチミツ

この数値が多いと、熱処理をされていたり、保管状態
が良くなかったハチミツということを表していますの
で数値が低い方が、高品質のハチミツというわけです。

 

とはいえ熱帯周辺の国々場合は、当然のことながら
数値は多めに出ますので、その辺りは考慮があるよう。

 

国際規格では
「加工、または混合したハチミツのHMF含有量
は40mg/kg以下。
熱帯周辺の国々、または地域を原産国している
ハチミツ、もしくはこれらの化合物の場合は、
HMF含有量は80mg/kg以下でなければならない」
と定められています。

 

 

 

 

 

本物の「純粋ハチミツ」を見つける手がかり

1 透明度が低く、濁っているのが本物

ハチミツには花粉などが含まれている
ため前方を透かして見た場合は、前の方
が見えないのが普通ということです。

 

実はこの情報は、私にはちょっと意外でした。
本物のハチミツは透明ではないのですね、
ということは、以前、私の買ったものは
ニセモノだったのかもと思って、今日
スーパーで見てみましたが、透明でしたよ。

 

アカシアのハチミツなど、透明なハチミツも
ありますので、必ずしも、透明ハチミツは
ニセモノとも言い切れないようです。

 

また悪質な業者は、本物に見えるように
敢えて透明度を低くすることもあるそう
ですので、気をつけてくださいね。

 

 

 

 

2 キメの細かい泡が出るのは本物

ビンを逆さまにするなど動かしてみると本物は
小さな細かい泡が立つことが多いということです。

 

ハチミツには色々な酵素が含まれているので
酵素がビンの中で発酵して泡が出るのです。

 

またこれは購入後の中尉になりますが、
あまり温度の高い場所に置いておくと発酵が
進みすぎて酸っぱくなることもありますので
冷暗所に保存するのがよいよう。

 

 

 

 

3 結晶化するハチミツが本物

本物のハチミツは温度が下がると結晶化しますが
水飴などを加えたハチミツは、決して結晶化は
しないそうですので、店頭ですでに結晶化して
いるハチミツを選ぶのも良いかもしれません。

 

とはいえ、果糖が多く含まれるハチミツは、結晶化
しにくいので、結晶化しないものが必ずしも
加熱処理済みハチミツとは限りません。

 

日本人は結晶化しているハチミツは、お砂糖が
混じっていると思って敬遠しがちだそうですが
これは花粉を中心として、ブドウ糖が結晶化
したものですのでむしろ本物の証といえます。

 

 

 

 

4 「公正取引マーク」は、ほどほどの信用マーク

販売している業者が「全国はちみつ公正取引協議会」の
会員である場合は、公正取引マークがついています.

 

ですが残念なことに、この協議会の検査方法が
信頼に足るものではないということですので
公正取引マークがついているからといって
あまり信用の基準にはならないかも。

 

会費を納入すれば誰でも会員になれるという
ゆるさからも、信用を保証するマークと
考えるには、少々無理があるようです。

 

 

 

 

 

5 紅茶に入れると黒っぽく変色する

これは購入してからでないと、確かめることは
できませんが、私も幼い頃から経験しています
ので、納得される方も多いかも。

 

紅茶の色が黒っぽくなるのは、紅茶に
含まれるタンニンに、ハチミツの鉄分が
反応するために起こる現象です。

 

といってもこれも絶対とはいえず、輸送中に
ブリキ缶などに入れられていると、ブリキ缶の
鉄分がハチミツに溶け込んで黒くなることも
あるそうですので、なかなか難しいところ。

 

 


 

 

 

目的に合わせたハチミツ選びを

このようなことが本物の「純粋ハチミツ」
を選ぶ基準のようです。

 

ただ、加熱処理がしてあるといっても、有害な保存料
等の添加物ではありませんので、お砂糖感覚で使う
のであれば気にすることはないのかもしれません。

 

また、加熱処理をしていないハチミツを一生懸命
探しても、高温になる調理に使用するのでしたら
そこまで神経質になる必要もないわけです。
(ハチミツは60°Cになるとビタミン等
の栄養分は破壊しますので)

 

 

 

 

目的に合わせたハチミツを探して、おいしい
ハチミツライフを是非、楽しんでくださいね!

 

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ハチミツ「甘露蜂蜜」「単花蜜」「百花蜜」

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ハチミツ、色々

この写真に写っている、瓶入りのものはハチミツです。
薄い黄色のようなものから、濃い茶色に見えるもの
まで様々な色がありますが、全部ハチミツ。

 

ミツバチが集めてきた花の種類によって
ハチミツの色は異なるのです。

 

同じ花からできたハチミツでも、咲いていた
場所や気候によっても色は違うようですので
本当に千差万別といったところ。

 

世界中で、1000種類を超える
ハチミツがあるということです。

 

ハチミツといえば花の蜜、とばかり思って
いましたが、それだけではなく、木の液、
樹液から取れるハチミツ(甘露ミツ、甘露蜂蜜)
というものもあるそう。

 

 

 

 

 

ヨーロッパ伝統の「森の蜜」

甘露蜂蜜はヨーロッパの家庭で伝統的に
用いられ、愛されてきたハチミツで
「森の蜜」の名でも親しまれています。

 

甘露ハチミツとは、木の樹液を吸ったあとの虫が
樹木の幹や葉っぱに、糖分(シロップ)だけを
分泌し残していったものを、ミツバチが集めて
ハチミツに仕上げたもの。

 

木々の樹液が朝露のように光ることから「ハニーデュー
(honeydew)甘露蜜」と呼ばれることもあります。

 

 

 

 

樹液の出る木とは、マツやモミ、カシ、
ブナ、トウヒなどで樹液を吸う虫というのは
カイガラムシやアリマキ等々。

 

それらの虫が分泌した糖分を、ミツバチが採取して
ハチミツにする、ということは、甘露ハチミツ作り
には2種類の昆虫が関わっているために、二重の
酵素が含まれているということになります。

 

虫たちは、樹皮に口針(こうしん)を
突き刺して樹液を吸います。

 

樹液には、虫の必要とする量以上の
多くの糖分が含まれているので
余った糖分は体の外に分泌されます。

 

 

メカルファ(写真/「 Wikipedia」)

 

 

 

2種類の昆虫が作るハチミツ

この写真の虫は「メカルファ(Metcalfa Pruinosa)」
と呼ばれる白くて小さい虫で、アブラムシや
カメムシと同じような昆虫だそう。

 

日本語名は不明ですが、英語名は
「Citrus flatid planthopper」です。

 

このメカルファが、樹木のリンパ分泌液から
タンパク質だけを消化し、余分な糖分を
分泌して葉っぱに残したものが次の写真。

 

 

葉についている白いものが虫が分泌した糖分
これを使ってミツバチが甘露ハチミツを作る
(写真/「イタリア発ハチミツづくり」

 

 

私にはこれが何の木なのかはわかりませんが
葉っぱについている白っぽいものが、メカルファの
分泌したもので、ハチミツの原料となる甘露
(英語「Honeydew」、イタリア語「Melata」)
だそうです。

 

 

 

花のない季節のハチミツ材料

北イタリアの農業地帯では、7月半ばから8月は
とても暑く乾燥していて花があまり咲かないため
ミツバチたちはこの甘露蜜を、花蜜がわりに
せっせと持ち帰って、ハチミツづくりをします。

 

 

 

 

メカルファという虫は、1980年代に北米から
北イタリアのヴェネト州にやって来た虫です。
天敵がいなかったことも幸いして
近隣のヨーロッパ諸国に広がっていきました。

 

このメカルファ、実は果樹園やワイナリーに
とっては害虫なのだそうですが、養蜂家に
とってはありがたい存在だということ。

 

人間の都合により害虫でもあり、
益虫にもなるわけですね(…複雑…)。
    「イタリア発ハチミツ作り」)

 

 

 

 

 

ミネラルが豊富に含まれる
「甘露蜂蜜(Honeydew honey)」

樹皮由来といわれる様々な精油(エッセンシャルオイル)
を含むために、独特の芳香をもつ「モミのハチミツ」
や、「マツのハチミツ」と呼ばれる甘露ハチミツは
ドイツの最高級品ハチミツといわれています。

 

花蜜で作られるハチミツの10倍ともいわれる
豊富なミネラル(亜鉛、鉄、マンガン、銅など)
の他、タンパク質、有機酸を多く含みます。

 

また、ブドウ糖や果糖が多いハチミツとは異なり
ショ糖が多く含まれるのも甘露ハチミツの特徴です。
色は濃い目のものが多いとか。

 

 

 

 

 

「単花蜜」と「百花蜜」

甘露ミツ以外のハチミツは、花の蜜から作られたもの
ですが、花蜜ハチミツも2種類に分けられます。

 

1 一種類の花の蜜から作られたハチミツ「単花蜜」
2 数種類の花の蜜から作られたハチミツ「百花蜜」

 

1の「単花蜜」という言葉ですが
ちょっと不思議な気もしませんか?
ミツバチたちは、どこにでも飛んでいけるのですから
色々な花の蜜を集めてくるような気もしますよね。

 

 

 

 

ところが不思議なことに、ミツバチたちは
豊富なミツがある場所を見つけると、その花が
咲いている間中はその場所に行き、1種類の
花の蜜だけを集める習性があるのだそうです。

 

ミツバチたちは、ダンスで花の位置を教えあっている
ということでしたので(「ミツバチダンス ミツバチ
の言葉(The  Language  of  Bee  )」
)、みんなで
同じ場所に行き、同じ種類の花蜜を集めるのです。

 

とはいえ、正確にいえば他の花の蜜が混じっている
可能性がゼロとはいえないようですが、それでも
「ほとんど同じ花」といって差し支えない程度だとか。

 

 

 

 

 

「単花蜜」

草花系
  文字通り野原やお花畑で咲いている
  草花から作ったハチミツ
*  (アザミ、クローバー、菜の花、
   タンポポ、ひまわり、レンゲ等)

 

樹木系
  木の香りのして、結晶化がしにくいハチミツ
:  (アカシア、トチ(栃)、ハゼ、菩提樹)

 

ハーブ系
  いわゆるハーブの花から作られた
  ハチミツで、強い香りを持つ
*  (セージ、タイム、ラベンダー、
   ローズマリー、ユーカリ)

 

ナッツ系
  ナッツの香ばしい香りと色のハチミツで
  個性的な強い味をもつ
*  (アーモンド、クリ)

 

フルーツ系
  爽やかなフルティーな香りのハチミツ
*  (オレンジ、サクランボ、ミカン、
   ブラックベリー、ラズベリー)

 

 

 

 

 

2種類の「百花蜜」

2の「百花蜜」の方は、厳密にいいますと
2つに分けられるようです。

 

1種類の花の蜜で作った「単花蜜」に対して
たくさんの種類の花の蜜で作られたハチミツ、
という意味の「百花蜜」が一つ。

 

もう一つは、セイヨウミツバチではなく、
ニホンミツバチが色々な花から集めたミツで作った
ハチミツを指して「百花蜜」と呼ぶこともあります。

 

日本固有のニホンミツバチは、セイヨウミツバチより
かなり数が少ないので、日本で販売されているハチミツ
のほとんどはセイヨウミツバチが作ったものです。

 

 

 

 

 

ニホンミツバチが作る「百花蜜」

ニホンミツバチが作ったものは、日本でのハチミツ
流通量のわずか1パーセントを占めるに過ぎません。

 

単花蜜を作るセイヨウミツバチに比べると、
飼育が難しいといわれるニホンミツバチですが
ハチミツの収穫量は、かかる手間暇に反比例して
セイヨウミツバチの  1/5  から  1/10  程度。

 

それらのことが相まって、作られる量が
少ないニホンミツバチのハチミツは、独特の
風味の豊かさから貴重品として扱われています。

 

 

 

 

 

ハチミツの分類

1「単花蜜(single flower honey)」

  草花系、樹木系、ハーブ系、ナッツ系、フルーツ系

 

2「百花蜜」
a   セイヨウミツバチが、色々な花から
   集めた蜜で使ったもの
   こちらを英語でいうと「mixed flower honey」

 

b ニホンミツバチが作ったハチミツ
   こちらは「Polyfloral honey made
        by the Japanese honeybee 」
   あるいは「Wildflower honey made
        by the Japanese honeybee」
   ということです(「Yahoo知恵袋」)。

 

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「ハチミツ」と「ロイヤルゼリー」

「あぷりのお茶会 赤坂店麻布店六本木」へようこそ!

 

 

 

 

 

「花蜜」と「ハチミツ」の成分は異なる

ハチミツは、ミツバチが花の蜜から作ったもの
ではありますが、それぞれの成分は異なります。
自然界の中で、最も甘いものといわれるハチミツ。

 

その原料である花の蜜自体には
ハチミツほどの甘さはありません。

 

ハチミツに含まれる糖分の大半は
ミツバチが、花蜜を体内に入れることによって
作られたものであり、ミツバチがいなければ
人間はハチミツを作り出すことはできないのです。

 

 

 

 

最初、私はたくさん花からほんの少しずつのミツを
集めるという、膨大な手間のかかる仕事をミツバチに
してもらい、集めたミツを人間がいただいている
と思っていました。

 

要は、花からのミツ集めを効率よくしてもらうと。
ところが実際は、それよりはるかに重要な役目を
ミツバチは果たしていたのです。

 

 

 

 

 

ハチミツを作ることができるのはミツバチだけ

花の蜜をミツバチが集めて「加工」すること
により、初めてハチミツが出来上がります。

 

またハチならば、どの種のハチもハチミツを作る
ことができるのかというとそうではなく、ハチミツを
作ることができるのはミツバチだけだそう。

 

ミツバチの主なエネルギー源であるハチミツは、
1 花が咲かなくなる季節の食料や、
2 幼虫を育てる時の餌に、
3 ハチの巣を作る蜜蝋(ミツロウ)の
  原材料にもなります。

 

 

 

 

これらに使う以外のハチミツは
巣の中で濃縮され、貯蔵されます。

 

ハチミツが不足をすると、群れが増えなくなり
蓄えていたハチミツがなくなってしまうと
ミツバチは餓死してしまいます。

 

 

中央に見えるちょっと大きめのものが
女王蜂専用の飼育部屋「王台」

 

 

 

ハチミツ→ミツロウ(蜜蝋)

蜜蝋は、働きバチの「蝋線」と
呼ばれる器官で作られるものです。

 

分泌した瞬間は液状ですが、空気に触れると
固まる性質があり、お腹から分泌した蜂ロウを
足ですくい取って口まで運んで巣作りをします。

 

巣板の下に、女王蜂専用の飼育部屋・王台が作られ
ますが、幼虫の成長に従って、王台は増築されて
最後にはピーナッツの殻ほどの大きさにまでなります。

 

ミツロウは、これもまたハチミツ同様、ミツバチたち
から人間がいただいているものでもあり、古くから
ロウソクの原料として重宝してきたものでもあります。

 

 

 

 

 

花蜜+ミツバチの消化酵素=ハチミツ

ミツバチたちは花から花蜜を吸いとると
ミツバチの胃袋である「蜜胃」という
容れ物の中にためて、巣まで持ち帰ります。

 

この時にミツバチの体内の消化酵素や唾液酵素が
ミツに加わることにより、科学変化が起こります。

 

花の蜜はお砂糖と同じように、主成分はショ糖ですが
ミツバチの体内酵素等によりショ糖が、
ブドウ糖果糖に分解、熟成されて、巣に戻る
までの間に、花蜜はハチミツへと変化しています。

 

 

 

 

巣に戻った働きバチは、ハチミツを
仲間に口移しで渡します。

 

受け取った側の働きバチは、35度前後の巣温の中で
羽根を羽ばたかせて、ハチミツの水分を蒸発させ
糖度が80パーセントになるまで濃縮します。

 

こうして濃縮されたハチミツは、サラサラとした
花蜜から、トロリとしたハチミツに変わっていて
この状態になったハチミツを、働きバチは
貯蔵部屋に移して蓋をします。

 

 

       花の蜜   →    ハチミツ

_______________________

水分量   70パーセント →  20パーセント

 成分      ショ糖    →  果糖+ブドウ糖

 

 

 

 

 

「天然ハチミツ」

人間がハチミツを利用する場合、水分が80パーセント
になった時点で採取し出荷されるものを
「天然ハチミツ」と呼んでいますが、正確な定義はなく
少々、曖昧に使われているというのが現状のよう。

 

ミツバチにより、自然に水分が80パーセントになる
まで寝かせておくのは、時間がかかって効率が悪い
ために、機械を使って早く水分を飛ばすハチミツも
かなり流通しているようです。

 

公正取引規約では「ハチミツの水分量は21パーセント
以下」と定められていますが、その数値にするために
ミツバチに任せるか、あるいは人間が機械で
処理するかについての規定はないからです。

 

ただし、味の差は歴然だとか。

 

 

「ビーポーレン(beepollen)」花粉団子

 

 

 

花粉→花粉団子(ビーポーレン)

働きバチが花の中で蜜を吸う時に、花粉が
働きバチの体の毛についてしまいます。

 

ミツを吸い終わった働きバチは、足に生えている
ブラシ状の毛に、ミツを少しだけつけて
湿り気を与え、体についた花粉を湿らします。

 

そして器用なことに、飛んでいる間に
それらをまとめるのだそうでです。

 

前足と中足で花粉をまとめ終わると、後ろ足の
体毛でカゴのようになっている花粉カゴに入れ
1本の長い毛に花粉を団子のように串刺しにします。

 

この花粉団子は、ミツバチ(bee)の花粉( pollen)で
「ビーポーレン(beepollen)」と呼ばれるものです。
「ミツバチのパン」とか「蜂パン」ともいいます。

 

 

花粉カゴに花粉団子を入れて運ぶミツバチ

 

 

串刺しにして持ち帰った花粉団子は、巣の中の
働きバチに渡され、噛み砕かれて巣房に蓄えられます。
その後、ハチミツを塗られて
「蜂パン」と呼ばれる保存食になります。

 

 

 

花粉は大切な食糧

働きバチの幼虫は孵化後、3日までは女王バチと
同じように、ロイヤルゼリーを与えられますが
それ以降は、花粉にハチミツを混ぜたもの
が食料になります。

 

アミノ酸、脂質、ビタミン、ミネラル等を豊富に
含んでいる花粉は、ミツバチの体の基になる重要な
食糧ですので、巣の大きさにもよりますが、年間に
集める花粉量は、10〜30キログラムにもなるそう。

 

一匹の幼虫が成虫になるまでには、0.1グラムほどの
花粉が必要ですが、これは働きバチ一匹の重さと同じ
くらいの量であり、それが1日に1000匹、2000匹と
孵るのですから、大量の花粉が必要というわけです。

 

 

 

 

 

貯花粉量をどのように認識しているのかは不明

巣に花粉が足りなくなると、働きバチの免疫力が低下し
たり、寿命が短くなったりして、働きバチが卵や幼虫を
食べてしまうこともありますので、蓄えている花粉が
少なくなると、花粉を集めに行く働きバチが増えます。

 

幼虫がフェロモンを出して、働きバチたちに
花粉集めを促進させるといわれていますが
群れが必要とする花粉量をどのように認識して
いるのかは、まだ解明されていないようです。

 

ミツバチは幼虫の時が、最も花粉を必要とする
ようで、羽化した働きバチは羽化後、10日ほどで
育児係になった時までが花粉消費量が最大となり、
その後は急激に少なくなります。

 

羽化後20日以降、門番係や外回りになると
あまり花粉を必要としません。

 

 

 

 

一方、ハチミツを作る花蜜は、巣に蓄えているハチミツ
の量に関わりなく、いつでも集めてくるのだそうです。

 

働きバチの仕事の変化
 生後3日〜    掃除、世話 巣の掃除、幼虫の給餌、
         女王蜂の世話

 生後7日〜    巣作り、ロイヤルゼリー作り

 生後10日〜  貯蔵 採集してきた働きバチから
        受け取ったミツを貯蔵

 生後14日〜  門番 出入口で敵の侵入を防ぐ

 生後20日〜 外回り 花蜜、花粉の収集

 

 

 

 

 

花粉→ロイヤルゼリー

花粉はミツバチたちの食料であるとともに
女王バチの食料のロイヤルゼリーの材料でもあります。

 

巣房に蓄えられている「蜂パン」を働きバチが
食べると腸に送られた花粉は、アミノ酸となって顎に
ある唾液腺に送られ、そこで生合成が行われます。

 

他のハナバチ類では、花粉と花蜜をただ混ぜ
合わせるだけですが、ミツバチは、一度体内に
取り込み、生合成を経ることにより、栄養価の
高いロイヤルゼリーが出来上がるのです。

 

ロイヤルゼリーは、ハチミツのような甘さはなく、酸味
が強く、舌を刺激するような収斂性があるのが特徴です。

 

 

 

 

 

栄養成分の違い

ハチミツは、80パーセントが果糖で、残りはほぼ水分。
そのうち数パーセントにビタミンやミネラルが含まれます。

 

ロイヤルゼリーは、糖分は10パーセントに過ぎず、
水分が60パーセント、後の30パーセントは
40種類以上もの豊富な栄養素で構成されています。

 

中にはロイヤルゼリーにしか含まれていない
「デセン酸」成分などを含んでいるのも特徴の一つ。

 

 

 

 

文献に初めてローヤルゼリーが現れたのは
古代ローマ時代で、アリストテレス(B.C.384~
B.C.322)の著書の『動物誌』の中に「濃厚な蜂蜜
に似た淡黄色の柔らかいもの」と記されています。

 

また「ロイヤルゼリー」という名前は、約200年前
から使われていて、フランソワ・ユベールの
『ミツバチの新観察』には、「ゼレー・ロワイヤル」
という言葉が見えるそうです。

 

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