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香害の原因のトップは柔軟剤
前回のアンケートの結果にもあり
ましたように、特に問題になるのが
「洗濯物の香り」の柔軟剤です。
2000年代後半に、店頭に
並ぶようになったものです。
日本石鹸洗剤工業会の「洗浄剤等の年間
製品販売統計」によりますと、2019年の
1年間に販売された柔軟剤は37万5000トン。
これは、2000年の21万7000トンの1.7倍
にものぼり、売上額で見ると約2倍です。
2000年 21万7000トン
* 2019年 37万5000トン 売上額約2倍
マイクロカプセル化
ここ数年、洗剤や柔軟剤などの香りが
強くなったように感じますが、その大き
な原因は香料のマイクロカプセル化。
ミクロのプラスティック粒子が、香り
(あるいは消臭成分)を包み込み込んで
いるものをマイクロカプセルといいます。
このカプセルが、摩擦や湿度によって
中身が飛び出すことにより、香り
(あるいは消臭効果)が持続します。
衣類の洗濯時に、マイクロカプセルが
繊維に吸着され、洗濯後に着用する際
や着用後、体を動かす度にカプセルが
破れて中身の香料が放出されるのです。
香りをプラスする時だけではなく、マイナス(消臭)時も
おもしろいのは、香りをプラスする時
だけではなく、消臭、つまり香りをマイ
ナスする際にもこのカプセルは働くこと。
プラスの場合は、「香りがした」
と感じることはあると思いますが、
マイナス時は、「あっ、今消臭した」
とは普通、感じませんよね?
感覚として実感はなくても、それでも
マイクロカプセルは作動し、体は
「化学物質」を認識しています。
マイクロカプセル技術 2008年・アメリカ
アメリカで柔軟剤の香料に
マイクロカプセル技術が導入され
たのは、2008年のことでした。
普通、洗濯により香料は
* 合成洗剤で 1〜2%
* 柔軟剤で 10%ほど
が残るといわれます。
それがマイクロカプセルですと
* 合成洗剤 20%
* 柔軟剤 50%
に跳ね上がります。
この技術おかげで、香料使用量は3割
も節約できるようになり、技術はあっ
という間に日本にも導入されました。
アメリカは使用量が減り、日本は増加
しかし興味深いのは、当のアメリカでは
2007年から2015年にかけて、若い世代
の柔軟剤使用が減っていることです。
それにひきかえ、日本では
柔軟剤の売上額はうなぎのぼり。
この違いは、日本でマイクロカプセル
の有害性が報道されないことでは
ないか、と指摘する方もいます。