「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!
路面の悪さに牛が鳴く
赤坂の坂3回目は「弾正坂」を、
4回目は「弾正坂」と同じ場所から始まっている
「九郎九坂」を御紹介しました。
ピンク色が「弾正坂」で、紫色が「九郎九坂」でした。
そして今日、御紹介するのは
緑色で表示した「牛鳴坂(うしなきざか)」です。
「弾正坂」は青山通りを越えて、そこからまた
「弾正坂」が続いていますが、今日の「牛鳴坂」は
「九郎九坂」とは少々場所も離れていますので、
独立した「牛鳴坂(牛啼坂)」の名を持っています。
短い坂
青山通りから「牛鳴坂」に入ったすぐの場所がこの
写真で、住所は赤坂4丁目1番から8番の間になります。
この写真で、道の突き当たりに見えるのが
冒頭にあげたラクダが3匹いる場所で
「牛鳴坂」はそこで終わります。
もし「牛鳴坂」がここで終わらずに、「弾正坂」
まで延びていたら「弾正坂」「九郎九坂」、
「牛鳴坂」の三つの坂で二等辺三角形ができたのに
残念(!)ですね。
悪路だった「牛鳴坂」
「牛鳴坂」の名前の由来が
次のように説明されています。
「赤坂から青山に抜ける厚木道で、路面が悪く
車を引く牛が苦しんだため名づけられた。
さいかち坂ともいう。」
と書いてありましたが、牛さん、可哀想だなぁ〜。
あまり泣き言をいわず、黙々と働くあの牛達が
鳴かずにはいられないというのは、よほどの
ことだったに違いありませんからね。
さほど急な坂ではないのに、なぜ牛が鳴くのかと
思っていたのですが、路面が悪いという理由
だったのですね、納得。
ところで標識の説明文の中に「厚木道」
という言葉がありますが、「厚木道」
とは厚木街道のことだそうです。
今、地図で神奈川県の厚木街道から
赤坂まで、ずっと辿って確認しました。
(車を運転しないので、道の名前がわからないもので)
ラクダのオブジェ
「牛鳴坂」という名前以上に不思議なのが
このラクダたちなのです。
3匹の黄金のラクダの存在。
結構大きくて、3匹とも帽子なんか
かぶっちゃってます。
数年前にうちの郵便受けに投函されていた地域
情報紙「MYタウン 赤坂 青山」によりますと
(今までとってあったのだよ、この日のために)。
80年代のバブル全盛期、この近くに
ディスコがあったそうな。
六本木の「ジュリアナ」は有名ですが
赤坂にも「ムゲン」、「HWITE HOUSE」
というディスコがありました。
その「 WHITE HOUSE 」が
* ↓
*「 BLACK & WHITE 」
* ↓
* 「キャメル」
と名を変えて営業していたそうですが
現在では赤坂彫金学園になっている
と「MYタウン 赤坂 青山」には書いてあったので
すが何か違うような気がして調べてみましたら、赤坂
彫金学園は、既に2012年3月で閉校していました。
謎の黄金のラクダ
そこでまた、ラクダに戻りますが
「MYタウン 赤坂 青山」20号によりますと、
「どうしてこのオブジェを建てたのかは、
元のオーナーも亡くなり、所有者も変わり、
詳しいことはわからなくなってしまいました。」
ということだそうですよ。
お店の名前が「キャメル」という名前だった
当時に作られたものなのでしょうか?
そんなに昔のことでもないのに、
そして黄金のラクダはまだ健在なのに、
わからなくなってしまったとは不思議ですね。
今に残るは「牛鳴坂」の名前のみ
たった30年ほどしか経っていないのに、ディスコは
次々と名前を変え、そこにいる3匹のラクダの由来
もわからないままに、その場所は赤坂彫金学園に。
今は、その赤坂彫金学園もなくなってしまいました。
人の世の移り変わりの早さには驚くばかり。
そして今は、路面の悪さに牛も鳴く、と言われて
名づけられた「牛鳴坂」の名前が残るのみです。
それにしても牛さん、可哀想だなぁ……。
(2017年8月9日:追記)
写真に写っているラクダさんですが
この夏、解体されてしまったそうです!
「ご近所さん」さん(!)にコメントで
教えていただいて驚いています。
寂しいなぁ……、
実は少し前に、60年以上前からこの近くにお住まい
だった方に、この辺りのことを聞いたばかりでした。
その方は数ヶ月前に赤坂を離れてしまいましたので
ラクダさん解体を早速、教えてあげなくては!
「ご近所さん」様、ありがとうございました!