シロツメクサ

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シロツメクサ(白詰草)

和名 シロツメクサ(白詰草)

別名 クローバー(Clover)
  オランダゲンゲ
  馬肥(うまごやし)

学名 Trifolium repens
 (トリフォリウム・レペンズ)

英名 white clover、Dutch clover、
  Ladino clover

科名 マメ科

属名 シャジクソウ属

花期 4月〜8月

国花 アイルランド

 

 

 

ヨーロッパ原産の植物で、北アフリカや
アジア、南北アメリカ、オセアニアに
分布しています。

 

江戸時代(1846年・弘化3)にオランダ人が
日本へ送る品物の詰物に使用したことから
シロツメグサ(白詰草)の名前がつきました。

 

その後、明治初期に牧草や緑肥(土に漉き
込んで肥料とすること)として輸入され
日本全国に広まった帰化植物です。

 

別名や英名でもあるクローバー(Clover)
は、シャジクソウ(車軸層)属の三葉植物
全体を意味します。

 

学名の「Trifolium(トリフォリウム)」は
ラテン語の「treis(3)+  folium(葉)」
ということで「葉が三つ」、三つ葉ですね。

 

「Trifolium repens
(トリフォリウム・レペンズ)」の意味は
「Trifolium」は「シャジクソウ属」を
「repens」は「匍匐(ほふく)する」。

 

シロツメクサが匍匐するように
広がっていく形態を表しています。

 

 

 

 

 

四葉のクローバー

幸せの象徴といわれる四つ葉を探したことの
ある方も多いかもしれませんが、全てが四つ葉
になるように品種改良されたものもあります。

 

私は四葉のクローバーを栽培したことは
ないのですが、おもしろいのはタネを
植えて最初に出てくるのは全て三葉で
後に四つ葉が出てくるそうです。

 

四葉のクローバーの発生率は1万分の1、
あるいは10万分の1ともいわれています。

 

 

 

私の感覚ではそれよりはるかに多い
のではないかという気もするのですが。

 

 

 

別名の「ウマゴヤシ」は別の植物

またシロツメクサの別名である
「馬肥(うまごやし)」ですが、本来
は別の植物を指していたそうです。

 

同じマメ科・シャジクソウ属の
「コメツブウマゴヤシ」がそれ。

 

 

こちらが本来のウマゴヤシ「コメツブウマゴヤシ」」

 

 

確かにお花の色こそ黄色と異なって
いますが、全体の感じは似ていますね。
「コメツブ」とついていることから
わかるように、かなり小さいお花のよう。

 

本来、小さな黄色い花の咲く植物の名前だった
「ウマゴヤシ」が、いつの間にかシロツメクサ
の別名の一つになってしまったのですね。

 

 

 

薬用・食用に役立つシロツメクサ

シロツメクサは、飼料や緑肥、薬用にも
利用されたり食用にもなり、もちろん
ハチミツの蜜源植物でもあります。

 

ただ食用にする際は、必ず熱を加えること。
種類によっては青酸化合物が含まれている
こともありますので熱処理とアク抜きが必須。

 

食用にする場合は、沸騰したお湯にお塩を
入れて数分間茹でた後、冷水に五分ほど
浸しておいてから食しましょう。

 

 

 

 

 

栽培はやさしい?

肥料は、根粒菌で窒素を合成できるため
与える必要はなく、与えすぎるとむしろ
根腐れの原因にもなってしまいます。
前回、御紹介したレンゲと同じですね。

 

シロツメクサの栽培はとてもやさしい、
と園芸の本には書いてあるのですが
私はなんども枯らしてしまいました、

 

栽培自体は肥料の必要もなく簡単、
ではあるのですが、寒さと暑さには
弱いということです。

 

私が大切にしていた(つもりの)シロツ
メクサを枯らしてしまったのは真夏でし
たので多分、暑さが原因だと思われます。

 

シロツメクサは、極端な寒さには弱い
ようではありますがその一方、寒さが
ないと花が咲かないので屋内の鉢植え
は不向きとのことです。

 

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レンゲ(レンゲソウ・蓮華草・ゲンゲ)

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今日はレンゲだけ……

「レンゲ(レンゲソウ)」「シロツメクサ」
「アカツメクサ」はとっても似ていますが
別の植物です。

 

同じような場所で、同じような形の
お花を咲かせていますが、3者は
どのような違いがあるのでしょうか?

 

レンゲを書いたら長くなってしまいました
ので、こちらにはレンゲを、次の記事で
シロツメクサとアカツメクサを御紹介します。

 

 

 

レンゲソウ(レンゲ・蓮華)

 

和名 レンゲソウ(蓮華草)

別名 紫雲英・翹揺(共に「ゲンゲ」)

学名 Astragalus sinicus L.
 (アストラガルス・シニクス)

英名 Chinese milk vetch

科名 マメ科( Fabacese)

属名 ゲンゲ属( Astragalus)

花期 4月〜6月

県花 岐阜

茎、葉等に毛がはえています

 

 

 

学名からわかること

学名の「Astragalus sinicus L.」
ですが、学名はラテン語表記です。

 

「 L.」は、カール・フォン・リンネ
(Carl von Linné)さんが命名者です、
ということを表します。

 

「Astragalus」は「ゲンゲ属」
「sinicus」   は「中国の」の意。

 

この学名は、レンゲソウが東アジアから
中国が原産であることを示し、中国、長江
(揚子江)の南の湖水地域では、約1000年
前から栽培されていたということです。

 

日本へは、小野妹子、あるいは奈良の唐招提寺
を建立した唐僧鑑真が持ち込んだとの説もあり
ますが、詳しいことはわかっていません。

 

17世紀ごろに渡来し、明治以降急速に広まった
と記載されているものが多いようですが、
小野妹子とでは10世紀の差がありますね。

 

なお、ラテン語の学名「Astragalus sinicus
【アストラガラス】」はギリシャ古語で
「くるぶしの骨」を指すとのことです。

 

と聞きますと、レンゲのお花の形、くる
ぶしの骨に似ていなくもありませんね。

 

 

ハス(蓮)の花

 

 

 

和名の「蓮華」はハスの花に似ているから

「蓮華(れんげ)」という名前は
花の姿がハスの花を連想させる
ということからついた名前です。

 

蓮華は日本のみでの名称で、中国では
読み方はわかりませんが「紫云英
( zi yun ying)」というそうです。

 

また、中華料理なので使うスプーンを
「レンゲ(散り蓮華)」と呼びますが
これはレンゲの花びらに似ていること
からつけられました。

 

 

今はなくなってしまった東京ミッドタウン
にあった「アンリ・ルルー」のサンドイッチ
ピクルスがレンゲにのせてありました

 

 

 

別名「ゲンゲ」は紫の雲の棚引く様

日本での別名は、「紫雲英」ですがこの字で
「ゲンゲ」とも「シウンエイ」とも読むそう。

 

また、「紫雲英」と「翹揺」は
共に「ゲンゲ」と読みます。

 

「紫雲英」の読み方
  「シウンエイ」or「ゲンゲ」

 

「紫雲英」「翹揺」
  読み方はともに「ゲンゲ」

 

 

レンゲの実(タネ)
マメ科のお花だということが一目瞭然
(写真/「季節の花300」)

 

 

この「ゲンゲ」という名前は、

 

「遠くからレンゲソウが一面に咲いている
のを見ると、低く棚引く紫の雲のように
見える」

 

ことからついた名前だといいます。
次の写真はレンゲではなくアカツメクサです
が、まさに「低く棚引く雲」のようですね。

 

 

こちらはレンゲではなくアカツメクサですが
レンゲ畑ってこんな感じなのでしょうか?

 

 

子どもの頃に「ゲンゲ、ゲンゲソウ」と
聞いて「レンゲ」のなまった言い方、
あるいは特定の地方での呼び方かな?

 

と思っていたのですが、そうではなく
むしろ「ゲンゲ」の方が正式との説
もあるようです。

 

なお、英名の「Chinese milk vetch
(中国のミルクのスズメノエンドウ)」
というなんじゃもんじゃというような
名前は、レンゲの葉をヒツジが食べると
乳が増えるところからきた名称だとか。

 

 

 

 

 

基本の花の色は紅紫色

ゲンゲの花の色は、紅紫色が普通ですが
珍しいものでは白いもの「シロバナゲンゲ
( form. albiflorus)」もあります。

 

なかには、受粉後に紅色に変化
するゲンゲもあるそうです。

 

そういえば、オオオニバスの花も
受粉後に白から紅色になる花でした。
「世界で一番大きな葉  オオオニバス」

 

 


1日目の白い花から2日目の紅色へ

 

 

 

様々な方面で役立つレンゲ

レンゲは、根にある「根粒菌」で空気中の
窒素から肥料を作ることができ、以前は
お米つくりに利用されていたスグレモノ。

 

これだけでもかなり凄い働きですがレンゲ
の持つ能力はそれだけではありません。
昔は花や葉、茎を薬用としても活躍し解毒
や喉の痛みなどに使われていたそうです。

 

その他、レンゲの若芽はおひたしとして
花は天ぷらにと食用にもなります。
もちろん、蜂蜜の蜜源植物としても有名。

 

 

レンゲの花(写真/「草の花  マイ図鑑」)

 

 

 

「レンゲは減少しつつある」

そうそう、今回蓮華を調べていた一つ
とても気がかりなことを見つけました。

 

私はレンゲ、シロツメクサ等々がとても
好きなのですが実は、レンゲの実物を
見たことがありません。

 

もしかしたら、遠目に咲いているのを
見た記憶を忘れているのかもしれませんが
それとて、あったとして1〜2回でしょう。

 

大好きなので見たい、見たいといつも
思っているのですから、見ていたら
忘れることはないはずです。

 

 

レンゲの花を上から見たところ
(写真/「草の花  マイ図鑑」)

 

 

そのレンゲさん、
「外来の一年草という性状から定着は
困難なようで、ゲンゲは減少しつつある」
ということです。

 

「手に取るな  やはり野に置け  蓮華草」
という有名な句は、瀧瓢水は播磨(兵庫県)
の俳人です。

 

「滝野瓢水(たきのひょうすい)」と書
かれたものが多いようですが、正しくは
「瀧瓢水(たきひょうすい)」だそう。

 

(「レファランス共同データべース」
で教えていただきました)

 

 

 

 

いつかはどこかの野で
レンゲに巡り会いたいものです。

 

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レンゲは空気中の窒素を根(根粒菌)で肥料に変える

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

 

 

植物の肥料の三要素

植物が生きていくために必要な栄養分
「必須要素」は、17種類あります。

 

その中で肥料としてい施す
必要があり重要なのが、

 

「窒素(N)」
:「リン酸( P)」
「カリウム( K)」

 

の3種類で肥料の三要素といわれます。

 

 

 

 

 

「窒素(N)」=「葉肥(はごえ)」

なかでも窒素は、光合成には欠かせない
葉緑素(クロロフィル)の材料でもあり
植物にとって最も多量に必要なものです。

 

窒素がないと植物は生育することが
できず、極端に不足した場合は葉や
茎の成長が思うようにいきません。

 

特に葉や茎を食用にする葉菜類では
窒素を多量に必要とし、足りないと
葉が黄色くなったりします。

 

トマトやトウモロコシの場合は紫色素
のアントシアニンの蓄積による葉柄や
下葉、茎の紫化を招き落葉することも。

 

植物の生育初期に、窒素は効果的な働き
をしますのでので、その時期に窒素が土
に充分に含まれていることが必要です。

 

とはいえ多すぎも問題で、葉ばかりが大きく
茂り花や実がつかない、また植物が肥満化
して弱くなっているため害虫の食害を受け
やすくなったり病気にもなります。

 

 

ピーマンの花

 

 

 

「リン酸( P)」=「実肥(みごえ)」

リン酸は、遺伝情報の伝達や、タンパク質
の合成などを担う核酸(DNA、RNA)の
構成成分として重要なものです。

 

開花や結実を促すほか、植物全体の生育、
枝分かれ、根の伸長などの促しますが、

 

リン酸が不足すると、下葉から赤紫色
に変色したり、株全体が衰えてきて
開花、結実の品質が低下してしまいます。

 

 

ピーマンの白い花が赤い実になりました

 

 

 

「カリ(K)」=「根肥(ねごえ)」

水に溶けるカリウムイオンの形で植物の
なかで存在するカリは、葉で作られた
炭水化物を根に送り、発育を促します。

 

植物を丈夫にして、病気や寒さなど
への抵抗力を高める働きもあります。

 

カリの不足は、リン酸不足同様、下葉
の先端から葉が黄色くなって枯れ始め
果実の品質も悪くなるということです。

 

 

 

 

 

空気中の窒素を窒素肥料に変えるレンゲ

植物の生育に重要な窒素は、空気中の
元素の約80%を占めますが、植物は窒素
をそのまま吸収することはできません。

 

今の季節に、野原で可憐な紅色の花を
咲かせるレンゲは、空気中の窒素を窒素
肥料に変えることができる植物です。

 

レンゲの根の部分には、所々に「根瘤」
という器官があり、中に「根粒菌」という
バクテリアの一種の細菌が住んでいます。

 

 

レンゲ(レンゲソウ)

 

 

根粒菌は大気中の窒素を、アンモニアに
変換し(窒素固定といいます)、植物の
生育に必要な窒素を提供するのです。

 

窒素には色々な状態があり、植物
が使える状態は限られています。

 

レンゲは、根粒菌に住まいを提供する
代わりに、根粒菌が作る窒素肥料を利用
して育つという共生関係にあるのです。

 

 

 

 

 

イネの肥料として使われたレンゲ

ということでレンゲ全体が、窒素を蓄えた
肥料のようなものですので、かつてレンゲ
はイネの肥料として使われていました。

 

田植えの前にレンゲを作っておき、機械
で土の中にレンゲの葉や茎をすき込むと
窒素成分が土に溶け出し田んぼが肥えます。

 

これを「緑肥(りょくひ)」といい、以前
はお米作りに利用されていましたが、現在は
化学肥料の使用へと変化しているそうです。

 

 

 

 

化学肥料のアンモニアは、1000気圧という
超高圧で、500度という高温のもと、窒素
と水素の化学反応で工業的に作られます。

 

この膨大なエネルギーを費やす作業を
可憐なレンゲが、いとも簡単にこなし
ているというのもおもしろいですね。

 

また、レンゲのみならずマメ科の植物は根粒
菌の助けを借りて、空気中の窒素を窒素肥料
に変える能力をもっているということです。

 

 

 

 

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