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真っ赤な海老
今日の溜池山王駅アートは海老です。
ググッと力強い形と色。
これを最初に見た時は、風呂敷かあるいはタンス
にかけておくものなのかぁ、とも思いました。
素材は綿のようですし。
ところがこれは「幟(のぼり)」だそうです。
漁師さんの船の幟に使われたものだということ。
確かにこの力強さは、船の幟にぴったりですね。
筒描き
この「海老の幟」は筒描という
手法で書かれたものです。
筒描と書いて「つつがき」と読みます。
古い建物を壊したときなどに出る、ふすまの裏
に張ってある薄い日本紙を筒状にして、柿の渋を
何度か塗り乾燥させた筒のことをいいます。
この渋筒は使い始めて2週間ほど
でだめになってしまうものだそうで、
現在はあまり使われていないようです。
第一、古い建物を壊す時に出るといっても
現在は、そのような家はあまりないですしね。
渋筒
ただ渋筒というものは実際には見たことが
なくても、何となく想像はつきますよね。
こちらは材料が古くて薄い日本紙ではなく
セロファンですが要は、ケーキのクリーム
を絞るもののような形状ですよね。
もちろん、もっと繊細なものなのでしょうが。
私は、実際には見たことがありませんが
着物の模様を描いている場面などで
何度がTVで見た記憶があります。
米糊が色と色の防波堤に
米糊を渋筒から絞り出しながら
布の上に線をひき、この大胆な真っ赤な
海老が形作られていったんですね。
渋筒で線を描くといっても、この米糊
が、色と色の防波堤のような役目で
色が混じり合わないようにするわけです。
もっとも、この「海老の幟」は線も太く
大胆ですが、渋筒では小さい細やかな
模様を書くこともあります。
地色の藍と、海老の赤。
溜池山王駅アートの中でも
最も力強さを感じさせるものです。