キャサリン・ゴヴィエ、浅田次郎対談 カナダ大使館

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oui-470x279           『吉原格子先之図』葛飾応為

 

 

 

日加(日本・カナダ)修好85周年!

今日の冒頭の絵は、葛飾応為が描いた
『吉原格子先之図』という絵。

 

この絵を描いた葛飾応為を主人公にした小説のカナダ人作者と
日本の作家、浅田次郎さんとの対談を聞いてきました。

 

場所は、赤坂7丁目3−38にあるカナダ大使館

 

今年2014年は、カナダと日本の修好85周年にあたるそうです。

 

カナダと日本の外交関係は、1828年に始まり
カナダが日本にカナダ外交公館を開設したのは翌1829年。

 

この写真の方々が、1829年、東京に派遣された
最初のカナダ公使館員だそうです。

 

 

cdnlegation_j          (写真/「カナダ大使館」

 

 

対談の、カナダ側の作家、キャサリン・ゴヴィエさんは
元ペン・カナダ会長であり
浅田次郎さんは、現在の日本のペンクラブの会長。

 

またお二人は、2014年に
カナダのトロント大学でも対談をなさったとか。

 

前回がドイツ文化会館で、今回はカナダ大使館。
両者は、間に「高橋是清翁記念公園」を挟んで
歩いて3分と離れていない場所にあります。

 

 

140903hokusaitoouijoge            『北斎と応為』(下巻)

 

 

 

『The  Ghost  Brush』

この本が、対談をされた作家の書いた『北斎と応為』。

 

作者は、カナダ人女性の
キャサリン・ゴヴィエ(Katherine Govier)さん。

 

日本に住んでいらしたということもなく、また日本美術の研究家
でもない方がこのような本を書かれたとは本当に驚きます。

 

彩流社の『北斎と応為』の出版が、この催しに
間に合わなかったのがちょっと残念ではありますが。
上下巻の2冊。

 

翻訳は、モーゲンスタン陽子さん。
2年半の長きに渡って翻訳をされたそうです。

 

日本語の題名は『北斎と応為』ですが
カナダで2010年に出版された時の題名は『The Ghost Brush』。

 

 

kanagawaokihokusai     「神奈川沖浪裏」(「ボストン美術浮世絵名品展」)

 

 

 

2人の天才「北斎と応為」

「富岳三十六景」の作者として世界的有名な浮世絵師
葛飾北斎(1760?〜1849年)。

 

そして彼の娘で、離婚した後に父、北斎の元に戻り
彼が亡くなるまで父を支えたお栄、こと応為。

 

北斎が1849年に亡くなった後は、彼女はどこへ行ったのか
いつまで生存していたのかすらわかっていません。

 

キャサリン・ゴヴィエさんは、お栄・応為を
北斎のゴーストブラッシュとして物語を書きました。

 

ゴーストブラッシュといっても、もちろんお栄・応為が
北斎にかわってニセモノを描いていたという意味ではありません。

 

お栄・応為が北斎と共作し、または代作をして
北斎というブランドネームを支えていたのは周知の事実。

 

キャサリン・ゴヴィエさんは、ゴーストブラッシュという言葉に
それ以上の意味を含ませてもいるようです。

 

 

hokusaiakahuji             「凱風快晴」(同上)

 

 

 

応為の美術展

天才、北斎にして
「美人画は娘には適わない」といわしめたお栄・応為。

 

今日の冒頭の郭の絵についてキャサリン・ゴヴィエさんは
「お栄・応為という女性の視点から郭を描いている」
と説明されていました。

 

たしかに、美しく着飾った遊女というよりは
キャサリン・ゴヴィエさんの言葉で言うならば
「オリの中の女性」として遊女達は描かれています。

 

冒頭の浮世絵をはじめ、お栄・応為の作品とはっきり
わかっているものはそれほど数がないそうですが
それらの作品の展覧会が、2年前にあったそうです。

 

「葛飾応為 『吉原格子先之図』ー光と影の美」
と題して、原宿の浮世絵大田記念美術館で。

 

 

sumidagawa        隅田川(写真/「すみだ北斎美術館」

 

 

 

「応為」は「お〜い」?

ちなみに葛飾応為の「葛飾」ですが
これは北斎の出生地である、「すみだ」を含む地域が
武蔵国葛飾郡であったからだそうです。

 

北斎は、現在の墨田区に生まれて、89年という生涯で
90回以上の引っ越しをしたことでも有名。
生涯のほとんどを墨田区で過ごしたということです。

 

また「応為」の雅号ですが、北斎がお栄を
「お〜い」(「お〜い、お茶」の「お〜い」ね)
と呼ぶことからついた、と読んた記憶もあります。

 

 

 

ミステリーであること自体が……

キャサリン・ゴヴィエさんは
「ミステリーを解くのは学者の仕事。
ミステリーを創造するのは作家の仕事」

 

というような意味のことをおっしゃっていました。

 

また、お栄・応為が単に絵に自分のサインを入れたいと
思ったのではなく、認知、承認を求めていたのではないか、

 

人間は承認されることが必要ないきもの、
認知されることによって人は幸福を感じる、とも。

 

私はまだキャサリン・ゴヴィエさんの『北斎と応為』は
拝見してはいませんが、それには全く同感です。

 

ただ、私は天才、応為についてわからないことだらけ、
ミステリーであるという、そのこと自体が、女性の立場を
如実に表しているのではないかという気もしています。

 

 

yozakurazu             「夜桜図」葛飾応為

 




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