「あぷりのお茶会」へようこそ!
お料理上手なカメラマン
随分前のことになりますが、本業以外のちょっと
ハードな数ヶ月の仕事が終わった後に、素敵な
お食事会に誘っていただいたことがありました。
お料理を作ってくれたのは男性の
カメラマンで、当時、ダムに沈み行く
村の人々の写真を撮っていた人でした。
筑紫哲也さんがお元気な頃の「ニュース23」
に何度かそのことで出演していたようです。
彼がダムに沈みゆく村へ撮影で通っているうちに
そこに住むおばあちゃんたちから、色々な
お調理を教えてもらうようになったのだそうです。
その日のお食事会に作ってくれた煮物も
おばあちゃんたちから教えてもらった
お料理の一つということでした。
「まま母(継母)がかわいそう」
その日、彼の家に伺ったのは数人でしたが
私は誘ってくれた友人以外は初対面の方ばかり。
その中のお一人に、詩を書く女性がいらしたのですが
彼女のお話がとても面白くて印象に残っています。
彼女は小さい頃、物語の中でまま母が継子を
いじめる話に何度も出会ったといいます。
確かにその類のお話って多いですものね。
「継母になる!」
「まま母が継子をいじめるという話が多過ぎて
*あまりにまま母が可哀想」と彼女は思ったそうです。
「そんなまま母だけじゃないのに……」と。
これも同感です。
そしてそこまでは多くに人が思うことかもしれません。
しかし、違うのはそこからです。
私は将来まま母になって、継子を可愛がる
母親になる、と思ったというのです。
念願の継母に
そしてなんと数十年後、彼女は本当にその時
思った通りに、まま母になりました。
夫よりも、先妻の長男の方が彼女と年が近く、
その長男と話があって楽しかったといいます。
そして幼い頃に誓った(?)ように立派な
まま母となり、子どもを可愛がったそうです。
おかしくもあり、また同時に
何とも微笑ましいお話でした。
「世間」とは?
世の中には変な思い込みがいっぱいあります。
常識や世間という鎧をまとい大手をふって……。
太宰治も書いてますね。
「世間とは、あなたのことでしょう?」と。
私はこの言葉がとても好きです。
また、こんな言葉をありますよ。
「その他大勢の意見の雑音に自分の内なる声、
*心、直感を掻き消されないことです」
これは先頃亡くなったスティーブ・ジョブスの言葉。
実態があるようでない「世間」の常識などにとらわれず
自分の心からの声に耳を傾けたいものですね。