「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!
お祝い事の席で頂いた「ゆべし」
お祝いでしたので「紅白ゆべし」ですね。
私はこのような形の「ゆべし」
は初めて見ました。
実は、紅白ののしのかかった箱を
頂いた時は、紅白のおまんじゅう
が入っているのだと思いました。
うちに帰って開けてみると
あっ違った「すあま」?、でもないし……。
少しして「この手裏剣型のお菓子
は「ゆべし」ではなかろうか、
とようやく思い至ったのです。
よくある「ゆべし」の形
こちらはお馴染みの「ゆべし」。
と書いていて、急に思い出しました。
そういえば、あれも「ゆべし」
ではなかったでしょうか?
柚子の中に入っている、あれ。
そもそも「ゆべし」という名前は、柚子
からきているのではありませんでしたっけ?
そもそも「ゆべし」
石川県輪島にある柚餅子総本店の
「中浦屋」の柚餅子(ゆべし)。
柚子と中に詰めたものと一体化してしまい
一瞬、「からすみ?」と見まごう「ゆべし」。
ゆべしの歴史ははっきりとはしないそう
ですが、かなり古いことは事実のようです。
源平時代ともいわれて、その当時は
お菓子というよりは、保存食であり
携帯食でもあったようです。
「 柚餅子(ゆべし)」の作り方
ゆべしが輪島の代表的なお菓子となったのは
輪島塗の行商をしていた人たちが携帯して
いたとか、また、お客さんへの手みやげに
したからといわれています。
この柚子をくり抜いて容れ物にした中に
詰めてあるものは、もち米と秘伝の材料
を調合したものだそうです。
丁寧に柚子の中身をくり抜いたものに
この秘伝の調合物(!)をいれて
せいろで蒸したものを自然乾燥させます。
それで終わりではなく、また蒸して
自然乾燥をさせて、ということを
何度も繰り返すとても手間のかかるもの。
だからこそ長期保存も出来るというわけです。
丹念に、丹念にと半年近くの時間を
かけることにより、この「飴色」の
ゆべしが出来上がります。
そして当然のことながら、一年に一度
しかできないものでもありますね。
ゆべしのカマンベールチーズのせ
(写真/「中浦屋 丸柚餅子のレシピ」)
お菓子ではない「柚餅子(ゆべし)」
「中浦屋」のサイトには「丸柚餅子の味わい方」
には、こんなふうに書かれています。
そのまま薄く切ってお茶やお酒のおつまみに。
千切りにして、茶碗蒸しやお吸い物に。
そして一番のお薦めは、厚めに切って
炭火などで軽くあぶること。
(注意としては、加熱ムラや
破裂のおそれがあることから
電子レンジはむかないとのこと)
「ゆべしのカマンベールチーズのせ」を見た後では
とっても普通に見える「ゆべしサラダ」
(写真/「中浦屋 丸柚餅子のレシピ」)
紅白手裏剣「ゆべし」に戻って
今日の「紅白ゆべし」は東北は
福島県郡山市の「かんのや」
というお店の「ゆべし」です。
「柚餅子(ゆべし)」は、本来は先ほど
書きましたように、柚子の実を使った
お菓子ですが、全国各地で様々な形、味、
製法の「ゆべし」が作られています。
「かんのや」のある東北地方では、先ほど
のように、柚子を使わずにクルミを入れた
四角形の餅菓子が一般的な「ゆべし」だそう。
独特な「かんのや」の「ゆべし」
ですが、東北地方でもこの「かんのや」の
「ゆべし」は、また少々、変わっています。
よくある四角形の「ゆべし」ではなく
円形の薄いゆべし生地を、三角の
手裏剣のように包み込んであります。
そして私は、これが一番驚いたことなの
ですが、「あん入りゆべし」だったこと。
「かんのや」のサイトにのっている「ゆべし」
は、先ほどのようなうす茶色のものでした。
今回頂いた「紅白ゆべし」は、お祝いの
ための特注品だったのかもしれません。
×「手裏剣」 ◯「鶴が翼を広げた形」でした!
先ほど手裏剣などと書いてしまい
ましたが、今見ましたら違ったようです!
これは、手裏剣ではなく
「鶴が翼を広げた形」とのこと。
いや〜、雅なものだったのですね。
謹んで訂正をいたします……。
その昔、三春城主であった「田村義彰公」の
祖先である「坂上田村麻呂」が、2羽の鶴に
育てられたとの故事に由来しているそうです。
「かんのや」のサイトには三春の滝桜
(みはる たきざくら)の写真と
説明が添えられていました。
三春の「滝桜」といえば、
岐阜県の「薄墨桜」、山梨県の「神代桜」
とともに日本三大桜の一つです。
「三春の滝桜?」
「三春の滝桜」といえば、赤坂サカスの
シンボルツリーである、しだれ桜が
「三春の滝桜」の子孫でした。
また、赤坂に戻ってきましたね。