「杏仁霜」の英語表記は「アーモンドパウダー」??  ゼリー杏仁「アラボンヌー」

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150924arabonnu

 

 

上は果物、下は杏仁

「アラボンヌー」の「ゼリー杏仁」。
実はこの写真、かなり前に買ったもので
「アラボンヌー」は季節毎に違うケーキが出て
きますので、現在これはないかもしれません。

 

今日のケーキを買ったのは、季節的にはちょうど
今と反対の夏付近に買ったように記憶しています。

 

次の写真のように、雨で正面に見えるプルデンシャル
タワーが霞む日が続き、何ともぼやけた写真しか
撮ることができなかった頃でした。

 

「ゼリー杏仁」の上部は、果物の涼しげなゼリー、
下は杏仁ゼリー。

 

一番上にのっている赤いものは
何だったか忘れてしまったのですが
クコ(枸杞)の実でしょうね、杏仁ですので。

 

 

150923zerianninアラボンヌー「ゼリー杏仁」
靄でぼやけた日に、ぼやけた写真でごめんなさい

 

 

 

漢方薬で使用する時は「きょうにん」

ところでこのケーキの名前は「ゼリー杏仁」ですが
「杏仁豆腐(あんにんどうふ)」の「杏仁」ですね。

 

お菓子として「杏仁」を使う場合は「あんにん」と
呼びますが、漢方薬で薬として使用する時は
「きょうにん」といい、苦味が強い「苦杏仁
(くきょうにん、Prunus maximowiczii)」が使われます。

 

それに対して杏仁豆腐等に使われるものを
「甜杏仁(てんきょうにん)」ともいいます。

 

今ではデザートの定番の杏仁豆腐も
本来は薬膳料理の一種でした。

 

苦味が強い「苦杏仁(くきょうにん)」に
甘みを加えなめらかにして、食べやすくと
考えられたのが、現在の杏仁豆腐だったのです。

 

 

杏仁豆腐

 

 

 

すでに3世紀からお薬だった「杏仁」

漢方薬としての杏仁は、すでに3世紀
三国時代に編集された最も古い漢方薬書
である『傷寒論』にも登場しているお薬。

 

肺と腸を潤す働きがあるといわれ、喘息や咳止めに、
またタネに含まれる油分が整腸作用をもつことから
便秘を解消する働きもあるといわれています。

 

「毒のある薬味」ともいわれる杏仁は、使う分量を
慎重に決めるようにともいわれる薬ですが
その理由は、アーモンドやビワの葉にも含まれる
アミダグリンという成分を含むから。

 

 

 

 

 

アミダグリンを含みますが……

アミダグリンそのものには毒性はありませんが
エルムシンという酵素により加水分解される、
ベンズアルデヒドとシアン化水素を発生します。

 

(青酸、猛毒ですが、長期に保存すると
分解されて無害になります)

 

エルムシンは、アミダグリンを含む未熟な果物に
含まれていることがありますが、果物が熟するに
したがいエルムシンの作用によりアミダグリンが分解
されるために濃度が下がり、青酸もなくなっていきます。

 

 

 

 

ですからアミダグリンを含む、アンズやウメなどを
食べも、青酸中毒になる心配はほとんどないとのこと。

 

確かにエルムシンは動物の体内のある酵素ですので
高濃度のアミダグリンを含む果物を食べると加水分解
され青酸を発生し、中毒を起こすことも考えられます。

 

ですが致死量は未熟な梅を、100〜300個ほど食べた場合
ということですので、あまり心配する必要はないようです。

 

 

 

「杏仁(あんにん)」

「杏仁」とは「杏(アンズ・アプリコット)」
という字がついている通り、アンズの種の中
にある仁(さね)を取り出したもの。

 

 

ドライアプリコット

 

 

写真の右側の半分に割ったアンズの実の中に
タネが見えますね?
このタネの殻を取り除いたものが「杏仁」。

 

下の写真でいいますと、右下の小さい四角の写真に
写っている、カボチャのタネのように平たいものが
「杏仁」で、硬い皮の中に白い実が入っています。

 

 

anninsou左が「杏仁霜」  右下が「杏仁」

 

 

 

「杏仁霜(杏仁粉)」

その杏仁をすり潰したものが
左の写真のお皿の上に乗っているもの。

 

「杏仁霜」あるいは「杏仁粉」というそうです。
「杏仁霜」と書いて「あんにんそう」と読みます。

 

つまり「杏仁霜」とは、アンズのタネ(仁)を
粉末にしたもののことで、これに甘みと牛乳を加え、
ゼラチンや寒天などで固めたものが杏仁豆腐。

 

 

150924arabounuアラボンヌー「ゼリー杏仁」

 

 

 

意外に高価な「杏仁霜」

この「杏仁霜」というのは高価なものだそうで
香りが似ている安価なアーモンドパウダー
(エッセンス)で代用されることもあるようです。

 

また、ブドウ糖やコーンスターチなどの粉と
混ぜて販売されていることも多い製品なのだとか。

 

つまり「杏仁霜」といっていても
本物の「杏・アプリコット」のタネの中から
取り出したものは少ないということです。

 

 

ほぼ中央の「a」が「アラボンヌー」の位置です

 

 

 

ちょっと信じられない「?」なお話

とここまでは比較的、わかりやすい話だったと
思うのですが(だよね?)、ここからは
私にはちょっと理解がしがたい話なのですが……。

 

「杏仁霜」といっても多くのものがアーモンド
パウダーの代用品で、本物はなかなかないのだよ、
といわれると、それならば本物を手に入れてみたい
と思った私は、ネットで検索をしてみました。

 

すると私がみたものは全てかなり安価なもので
これが本当にアンズの仁からとったものなのだろうか?
と不安が頭をもたげます。

 

原材料を見るとコーンスターチなどは加えて
あるものの、「甜杏仁」とも書いてあるのですが
表記は「杏仁霜 アーモンドパウダー」です。

 

やっぱり本物ではなくアーモンドパウダーなのだ、
と思ったその後のことでした、
めくるめく混乱が私を襲ったのは!

 

 

「アラボンヌー」
〒107-0052 港区赤坂4-3-13
Tel.03-3583-7665

 

 

 

「杏仁霜」は英語で

「アーモンドパウダー」?!

 

「杏仁霜」は英語で「ALMOND   POWDER
(アーモンドパウダー)」というと書いてあるのです。
だから「杏仁豆腐」を英語でいうと
「almond jelly」となるのだそう。

 

本物の「杏仁霜」の代わり、つまりニセモノとして
アーモンドパウダーが使われているというのに
本物の「杏仁霜」の英訳が「アーモンドパウダー」
では、わけがわからないではありませんか!

 

と思ったら、やはりその辺りを疑問に思った方
がいて、ブログで書いていらっしゃいました。

 

 

アラボンヌー「ゼリー杏仁」

 

 

その方の説明はこのようなものです。
(「ようこのニュージーランド日記
〜女将の本音ブログ〜」)

 

「本家本元の中国で、あんにんとアーモンド
の区別がされていないらしいのです。
ではなぜそんなことになってしまったのか
というと、
杏の種の核と、アーモンドが
見た目似ていることと、
匂いが似ている
からなのだそうです。」

 

そして、どちらかわからない「杏仁霜
(アーモンドパウダー)」を買ってきた後に
作ってみて、初めてそれが本物の「杏仁豆腐」
か、あるいは「アーモンド風味の牛乳寒天」
なのか、やっとわかるということでした。

 

「杏仁霜」は高価なので、ブドウ糖や
コーンスターチ、香りが似ている
アーモンド
パウダー(エッセンス)で代用するニセモノ
が多い

 

といいながら、

 

「杏仁霜」の英語表記が「アーモンドパウダー」
であるということは、ホンモノの英語表記が
ニセモノの名前というわけなの?

 

 

赤坂「うまや」の「杏仁豆腐」

 

 

 

「アーモンド風味の牛乳寒天」!

今が調べた限りでは、ネットで売られている
「杏仁霜(アーモンドパウダー)」は「杏仁霜」
とともに「コーンスターチ」を初めとした粉類と
「エッセンス(香料)」を含んでいます。

 

そしてかなりお値段が安いのも
共通していて気になるところ。

 

現在はないようですが一昨年、ネットでおそらく
本物の「杏仁霜」が販売されていましたが
それなりのお値段だった記憶があります。

 

ということは安価な流通品は「杏仁霜」を
含んではいてもごく少量で、香料と記して
あるものは「アーモンドエッセンス」なの
ではなかろうかと思った次第。

 

 

150924zerianninアラボンヌー「ゼリー杏仁」

 

 

購入して作ってから「杏仁豆腐」か「アーモンド風味
の牛乳寒天か」わかるとはいっても「杏仁霜」と
書いてあるから本物と思い込んでいる人には
比較することさえ考えつかない気もしますし。

 

まあ、美味しい杏仁豆腐だなぁ、
と思うならばそれでいいのかな。

 

今日は、ホンモノも食べてみたいと思うしのぶっち
の小さな親切、大きなお世話のお話でした。

 

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ヘーゼルナッツのロースト方法 ヘーゼルナッツ(ロースト)「フルーティヤフーズ」

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初の「ロースト」ヘーゼルナッツ

今回、初めて「ロースト」をした
ヘーゼルナッツを買いました。

 

以前は同じ「フルーティヤフーズ」で
ヘーゼルナッツの生タイプを買ったことが
ありましたが、今回はローストを。

 

本当は,生を買って使うたびに自分で「ロースト」
した方が酸化が少なくて健康にはいいと思うのですが
どうも自分で上手に「ロースト」する自信がないので
手っ取り早く買ってしまったのです。

 

「ロースト」と聞きますと,まずはローストビーフ
やローストチキン、などという言葉が浮かびますが
「ロースト」ってどのような意味なのでしょうか?

 

 

ヘーゼルナッツの総生産量の75パーセントはトルコ産
日本に輸入されるヘーゼルナッツの95パーセントもトルコ産

 

 

 

「ロースト」とは?

『語源由来辞典』によりますと、
「肉などをあぶり焼きにしたり、蒸し焼きに
したりすること。また、その料理。」
のことで、「ロースト」の語源・由来としては
英語の「roast,」からの外来語だそう。

 

「あぶり焼き」を意味するゲルマン祖語の
「raustjan」が、12世紀にゲルマン系のフランク語
「rostir(ロスティール)」となり、
13世紀に英語に入り「roast」になりました。

 

一般的に「ローストチキン」や「ローストビーフ」
など肉料理に使い、「あぶり焼き」や「蒸し焼き」
を意味するが「ローストナッツ」のように
「豆類を炒る」意味でも用いられるとのことでした。

 

 

木になっているヘーゼルナッツ

 

 

 

生のヘーゼルナッツはちょっとクセがある

やっと最後になって,豆類のローストが登場
しましたが、結局は豆(ヘーゼルナッツ)
を炒ったものということですね。

 

一般的にナッツ類は、加熱によって栄養成分が
失われてしまいますので、健康のためや美容上の
効果を期待してヘーゼルナッツを摂る場合は
生のままの方が良いようです。

 

とはいえ、ヘーゼルナッツは生ですと少々、クセが
あり食べにくいという方もいらっしゃることでしょう。
そんな方には、自宅でのローストを是非、お勧めします。

 

 

ヘーゼルナッツの形には、1丸型( ROUNDED)、
2尖形(POINTED)、3長形(LONG)の3種類がある
これは1の丸型

 

 

 

ヘーゼルナッツのローストの方法

1 フライパン
まずは一番簡単なフライパンでローストする方法です。
弱火で、薄いキツネ色になるまでローストするだけ。

 

2 オーブン
160℃〜180℃のオーブンで10分ほどローストします。
香ばしい風味が立ち上ってくるロースト法です。
フライパンでのローストは焦げつきに注意が必要です。

 

3 ホームベーカリー
この方法は今回初めて知りましたが、ホームベーカリー
でもナッツのローストが出来るということです。

 

 

英語で「ヘーゼルナッツ(Hazelnut)」
フランス語で「ノワゼット(Noisette)」
日本語では「ハシバミ(榛)」

 

 

 

ロースト後にハチミツ漬けで保存

本当は、ヘーゼルナッツを使用するたびに
ローストするというのが理想なのかもしれません
が、そうはいっても、毎回は面倒ですよね。

 

ある程度の量を一度にローストして、それを保存
しながら少しずつ使う、というのが普通のようです。

 

ただそれでも、出来るだけ酸化をおさえたい
ということもあって、ローストをしたヘーゼル
ナッツの保存には、ハチミツ漬けをしている人が
かなりいらっしゃるよう。

 

 

 

 

 

ローストしたヘーゼルナッツに限らず、ナッツ類
のハチミツ漬けは、単に酸化を防ぐという意味
だけではなく,おいしいということも魅力。

 

作り方は,というほど説明の必要もないほど
簡単で、ローストしたヘーゼルナッツが
かぶる程度の蜂蜜を入れるだけです。

 

 

殻付きのヘーゼルナッツ

 

 

 

ヘーゼルナッツの効果

ヘーゼルナッツは、栄養価が高いといわれる
ナッツ類の中でも、特に生活習慣病の予防や
老化防止などに効果があるナッツとして有名です。

 

老化防止に効果を発揮する抗酸化作用を持つ脂肪酸
であるオレイン酸の含有量は、アーモンドの1.6倍。

 

そのほかには美肌効果や、腸内環境を整える
効果もあり、また骨粗しょう症の予防にも
期待できるといわれています。

 

 

 

 

 

ヘーゼルナッツの栄養価
(可食部100グラムあたり)

エネルギー        684キロカロリー

タンパク質         13.6グラム

脂質           69.3グラム

炭水化物          13.9グラム

ビタミンE         28.3ミリグラム

ビタミンB2          0.28ミリグラム

カルシウム         130ミリグラム

食物繊維           7.4グラム

 

 

 

 

 

ヘーゼルナッツを効果的に食べるには

先ほどヘーゼルナッツの効果として、抗酸化作用を
もつオレイン酸が、アーモンドの1.6倍も多く含むと
お伝えしましたが、これを最大限に活かすには
ヘーゼルナッツを食べるタイミングが重要なようです。

 

最もオレイン酸がよく働くといわれて
いるのは、食事の30分から1時間半前
までに食べるのがよいのだそうです。

 

なにやらお薬の服用のような感じもしますが、これが
抗酸化作用を最大限に活かせる時間帯なのだとか。
また1日の摂取目安は、約20粒ともいわれています。

 

 

こちらはカシューナッツ

 

 

ですが、まあこれは本当にお薬ではないのですから
これより少なくても多くてもよいのではないかと
いっぱい食べたい私は思いますが。

 

栄養効果を期待して摂るのもよいでしょうが、私は
それ以上に味を楽しみ、美味しくいただく方が
結果的には健康にもよいような気がしています。
食物ですもの、美味しい方がいいですよね。

 

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「ラタトゥイユ」と「カポナータ」の違い ラタトゥイユ「ピエール・ガニョール パン・エ・ガトー」 

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151220ratatouille

 

 

パンなのにラタトゥイユ?

ちょっと前のことなのですが、ANAインターコンチ
ネンタルホテル東京の2階にある「ピエールガニョール
パン・ヱ・ガトー」で冒頭の写真のパンを買おうと
した時に、表示されていた文字に驚きました。

 

そこには「ラタトゥイユ」と書かれていたからです。
パンなのに「ラタトゥイユなの?」と。

 

そういえば以前、ここで「穀物バン」と書いてあった
のを、「動物パン」と読んでしまった私は、
「何の動物ですか?」と聞いて「穀物バンです」
と少々冷たく言われたことがありましたっけ……。

 

 

「ピエールガニョール パン・ヱ・ガトー」の
「動物パン」ではなくて「穀物パン」

 

 

こちらがその「ピエールガニョール
パン・ヱ・ガトー」の穀物パンです。

 

「動物パン」だと思い込んでいた時は、カタツムリ
にも似ているし、下を向いているハトのようにも
見えるし……、なんて思ったりして。

 

そんな悲しい過去(?)がありましたので
読み違いではないかと、もう一度よく見てみた
のですが、やっぱり「ラタトゥイユ」です。

 

四角いパンの中にラタトゥイユが
入っているとのことでした。

 

半分に切ったところがこの写真。
コロコロの四角いふわふわパンの中に
ラタトゥイユが結構みっしりと詰まっています。

 

 

151219ratatouille「ピエールガニョール パン・ヱ・ガトー」の
パン「ラタトゥイユ」を半分に切ったところ

 

 

ラタトゥイユとはちょっと関係ありませんが、バター
がたくさん含まれた美味しそうな「ピエールガニョール
パン・ヱ・ガトー」のパン生地、という感じが
この写真でもおわかりいただけるかもしれませんね。

 

 

 

お料理の「ラタトゥイユ」

今日の「ピエールガニョール  パン・エ・ガトー」の
「ラタトゥイユ」ではなく、お料理の「ラタトゥイユ」
あるいは「ラタトゥユ」というのは、フランス南部
プロヴァンス地方のお料理「ratatouille」を指しています。

 

ニースの郷土料理で、夏野菜を煮込んだものですので
私の中では「ラタトゥイユ」は夏のお料理という
イメージがあったのですが、「ピエールガニョール
パン・エ・ガトー」で見たのは年末の真冬。

 

「ラタトゥイユ」の語源は、「Rata(軍隊の
スラングでごった煮)」「かき混ぜる」という
意味の「Touille」という言葉だそうで、書籍に
最初に登場したのは1778年といわれています。

 

 

フランスのプロヴァンス地方
ニース名物のお料理「ラタトゥイユ」

 

 

軍隊のスラングで、ごった煮を意味する「Rata」
がついていることからも察せられるように
元は軍隊や刑務所で出されるお料理だったそう。

 

日本語でも刑務所で出される食事を指して「臭い飯」
などという言葉もありますが、「ラタトゥイユ」
もそのような、あまり褒め言葉とはいえない感じ
で使われることもあるとか。

 

ですから決して高級料理を意味する言葉というわけでは
ないようですが、新鮮な材料と腕自慢のシェフの手に
かかった「ラタトゥイユ」は、ニースの名物とも
いわれる、美味しいお料理に変身します。

 

 

ズッキーニ

 

 

 

しっかり炒めるのが、美味しさの秘密?

「ラタトゥイユ」の作り方を簡単にいってしまいますと
夏野菜(ナス、スッキーニ、ピーマン、パプリカ、
タマネギ、ニンジン)をニンニクとオリーブオイルで
炒めて、白ワイン、ローリエ、ドライオレガノ
などを加えてトマトで煮込んだもの。

 

ベーコンなどを加えることもありますが
味付けの基本は塩とコショウです。
「ラタトゥイユ」について
料理研究家の脇雅世さんは、

 

「ラタトゥイユは『野菜のトマト煮込み』
ではないんです!
野菜をていねいにしっかり炒めてから煮ることで
どの野菜も「主役」の味に仕上がりますよ」

 

とおっしゃっています。
確かに私も以前作った時は、この「野菜をていねいに
しっかり炒め」てが充分ではなく、ちょっとぼやけた
味に仕上がってた経験があります。

 

「ラタトゥイユ」はしっかり炒めることが
ポイントのようですね。

 

 

イタリアのシチリア島および
ナポリの伝統料理「カポナータ」

 

 

ところで上の写真ですが、ちょっと「ラタトゥイユ」
に似ていますが、これは夏野菜をトマトで煮込んだ
もので「カポナータ」という、イタリアのシチリア島、
およびナポリの伝統的なお料理です。

 

「カプナータ(Capunata)」あるいは「カプナティーナ
(Capunatina)」と呼ばれる、シチリアおよびナポリの
伝統料理ですが、イタリア全土でも有名なもので
スペインのカタルーニャ地方からきたということです。

 

「カポナータ」という言葉は、すぐにお料理を提供
することができる「居酒屋」を意味するラテン語の
「カウボーナ」から来ているといいます。

 

 

「カポナータ」に使うシチリア名産のナス
(写真/クサマヒサコの野菜ノート」)

 

 

 

「ラタトゥイユ」と「カポナータ」の違い

      ラタトゥイユ    カポナータ
  * _______________________________________________

 国     フランス      イタリア
     プロバンス地方、   シチリア島、
       ニース      およびナポリ   

 

メイン野菜 (どちらかといえば) (シチリア名産の)
        ズッキーニ      ナス

 

調理法   炒めてから煮込む   ナスを揚げてから煮込む

 

味付け 基本的には塩コショウ  甘酢煮(酢と砂糖)

 

 

なお南イタリアでは「チャンボッタ(Ciambotta)」と
いう、やはり夏野菜の炒め煮があるそうですが、こちら
は野菜の種類が異なる他、最も違う点は甘酸っぱい
味付けにしない、甘酢煮でないことだそうです。

 

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