ひきこもり1 中年ひきこもり 初の全国調査

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実数は100万人と推計

2019年3月29日、内閣府は「中高年
ひきこもり」状態の人が、全国に
61.3万人いるとの推計を発表しました。

 

中高年のひきこもり(40〜64歳)の
全国規模の数が明らかになるのは
今回が初めてのことです。

 

当事者家族らは、従来30代までとして
いた調査対象の年齢制限を取り払って
高齢化などの実態を把握し、政策も
見直すように求める要望書を東京都
青少年課に手渡していました。

 

2015年の内閣府調査では約54万人という
ものの、当事者や家族で作るNPO法人
「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」
では、40歳以上も含めたひきこもり
は約100万人と推計しています。

 

 

 

 

 

「ひきこもり」の定義

国が用いる定義では、仕事や学校などの社会
参加を避けて家にいる状態が、半年以上続く
ことをいいます。

 

内閣府調査では、ほとんど自室や家から出ない
「狭義のひきこもり」に加えて、趣味の用事の
時だけ外出する人も含めた「広義のひきこもり」
を推計しています。

 

従来は、専業主婦(夫)や、家事手伝いはひき
こもりから除外していましたが、今回から変更
し、回答から最近半年間に家族以外との会話が
ほぼなかったとわかる人は、引きこもりに含め
ています。

 

 

 

 

 

若年ひきこもり <中高年ひきこもり

今までひきこもりは、青少年といった
若年期の問題と捉えられてきましたが
その長期化に伴い、高年齢化が課題と
なってきています。

 

2015年に内閣府が実施した調査の推計
では、15〜39歳の「若年ひきこもり」
は54.1万人。

 

今回とは調査方法が一部異なりますが
40〜64歳のひきこもりが61.3万人。

 

 

 

 

単純比較はできませんが、中高年の
ひきこもりの方が上回っているという
ことになります。

 

この数字は、以前から言われていた、中高年
で引きこもっている子どもと、高齢の親が
孤立する「8050(はちまるごーまる)問題」
が、深刻化することを示しています。

 

また、現在30代後半から40代後半の
「就職氷河期世代」の多くが40代に
達しているため、中高年の引きこもりが
増えているとの指摘もあるようです。

 

 

 

 

 

調査結果

今回の調査は、2018年12月に無作為抽出
した、40〜64歳、5千人を対象に実施
したものです。  (有効回答65%)

 

ひきこもっていた人の年齢層は、
  40代     38.3%
  50代     36.2%
  60〜64歳  25.5%

 

期間に関しては、5年以上の長期に
及ぶ人が半数を超え、20年以上の
人が2割弱を占めています。

 

 

 

 

性別では、
 男性  76.6%
 女性  23.4%

 

引きこもり状態にある人の比率は
全体の1.45%で、この比率から
全体状況を推計しています。

 

 

 

 

 

斎藤環氏の言葉(精神科医・筑波大教授)

「中高年のひきこもりが社会問題化して
こなかったのは、国による調査がなされ
なかった影響が大きい。

 

全国の自治体や研究者から、ひきこもりの
半数が40歳以上という調査結果が次々と出て
いたにもかかわらず、国は放置してきた。

 

こうした国の姿勢は「ひきこもりは青少年の問題」
という先入観を広げることにもつながった。
その責任は重い。

 

今回の調査をきっかけに、中高年の当事者の
ニーズを丁寧にくみ取った就労支援に加え、
当事者や経験者らが集まって緩やかに経験を共有
できる居場所を全国に作ることが必要だ。」

 

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名前も知らない鳥

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鳥のグルグル舞

昨日、用事があって高速バスに乗り
東京から少し離れた場所に行きました。

 

バスを降りてすぐ、スズメより少し
大きな鳥が、小さな茶色い虫を
追いかけているのが目に入りました。

 

最初はわからなかったものの地上1メートル
程の低さで、鳥がバタバタと飛び回るという
初めてのことに驚き、目を向けたのです。

 

しかも飛び方が、普通に空を飛んでいる
ようなスマートな飛翔ではなく、この家紋の
スズメのように羽をいっぱいに広げ、円形に
近い形になったまま虫を追いかけていたのです。

 

 

 

 

私は初めて見る鳥の姿に、かなり驚きました。
鳥って、あんな風にも飛べるのだなぁと。

 

その鳥は虫を捕まえられたのか、否かは
わかりませんが、私から2メートル位しか離れて
いない場所で起きたことにびっくりするばかり。

 

と長々書きましたが、鳥が虫を追いかけて
数字の「6」の字を書くように飛んでいた
のは、実際にはほんの数秒間のことです。

 

 

 

 

 

同じこの場所で

約2年前、退院して2か月少し過ぎた頃
だったでしょうか、この場所で私は
一人の女性に会いました。

 

彼女の住まいがうちの近くだったこと
にも驚きましたが、二人の境遇が
また驚くほど似ていたことにもびっくり。

 

二人の人間が出会って、きょうだいが2人
などというよくあることではなく、国民の
1%位と思われることが複数重なる確率
って、どのくらいあるのかなぁ?

 

 

 

 

大きく異なるのは、私は25歳で死別するまで、
生んでくれた母親と暮らしましたが、彼女は
生母とは会ったこともなく名前も知らないこと。
それと、彼女は大金持ちで、私は貧しいことも。

 

ある日の電話で、以前から彼女に頼まれて
いたカウンセリングをしてほしいという願い
を、また更に強く頼まれたことがありました。

 

私は退院したばかりということもあって
体調にも自信がなく、今考えますと心遣い
に欠ける言い方で断ってしまったのです。

 

 

 

 

 

それ以降、途絶えた電話

彼女はかなり頻繁に電話をくれていたので
すがそれ以降、全く電話がなくなりました。

 

数ヶ月後、心配になった私が電話をかけると
「現在使われていません」とのアナウンス。
電話番号を変えたのかな?、と思いました。

 

あるいは、あんなに頼まれたのに私が
カウンセリングを受けなかったことを
怒っているのかもしれません。

 

でも、彼女が連絡をしたいと思えば
彼女は私の番号は知っていますので
彼女の意思に任せることにしました。

 

 

 

 

しかし、数ヶ月経っても半年
経っても、電話はありません。

 

こんなにも長い間、彼女が連絡を
とらないことは考えられないことです。
私は、少々不安な気持ちが
横切るようにもなっていました。

 

そして年も越して、今年の半ばのことです。
彼女が1年半位前に、既に
亡くなったことを知らされました。

 

ということは、私に電話をくれた直後
に、亡くなっていたことになります。

 

 

 

 

 

お店の人が知っているかも

教えてくれた方は、彼女とはあまり親しくは
なく、彼女と私が出会った場所にあるお店の人
ならば、もう少し知っているかもしれない
ということでした。

 

私は教えられたお店を訪ね、買うことができる
ものを選んでからレジに行き、お客さんが他に
いなかったので彼女のことを切り出しました。

 

そのお店の女性は、少々複雑な表情を見せ
ながらも、いくつかのことを話してくれました。

 

その言葉の端々には、彼女と父親に対して
決して好意とはいえないニュアンスが含まれて
いたことには気づかないふりをして反応をしな
かったのが、私が彼女にできた唯一のこと。

 

社会的に好ましくないことへの批判と、一方で
お金持ちであることへの嫉妬、トゲが含まれている
ような雰囲気の中で彼女は生きていたのでしょう。

 

 

 

 

 

「〇〇ちゃんなの?」

私はお店を後にして目的地に向かいました。
その途中、彼女が大好きだった、そして一月
に何度も訪れていた建物の前に来ました。

 

すると、高い声で鳥が鳴いています。
通り過ぎた彼女の好きだった場所の庭木に
いたようで、私は後ろを振り返りました。

 

先ほどのグルグル舞をしていた鳥でした。
といっても同一の鳥、という意味では
なくて、何の種類かわかりませんが
同じ種の鳥という意味ですが。

 

晴れやかに、楽しげにさえずっています。
私は思わず、「〇〇ちゃんなの?」と
ふざけて聞いてみました。

 

彼女は、この場所が大好きでしたから
彼女の魂というか思いが、この場所にいる
ことはごく当たり前のことに思われたのです。

 

 

 

 

 

道先案内

しばらくして私は、また
正面を向いて歩き出しました。

 

するとその鳥は止まっていた木から飛び立ち
私が歩いている右側から私を追いこすよう
に道を横切って飛び、今度は少し先にある
左側の建物の庭木に止まったのです。

 

私は、道先案内のように私の前を
飛んでいく鳥の行動に、少々驚きました。

 

私が歩みを進めるにつれて鳥は、今度は道の
左側の庭木から、先ほどとは反対に、少し先に
ある右側の建物の庭木に飛んで行ったのです。

 

ですが、鳥の道先案内はそこまででした。
私は、その鳥が本当に彼女自身か、あるいは
彼女の思いのような気がしてきました。

 

 

 

 

 

メッセージを鳥に託して

彼女の死にショックを受けている私に
「心配しないでね、今、私は幸せだから!」
と伝えてくれいるような気がしてなりません。

 

幸せであってほしい、という願望からの
ものではなく、あのように生きた彼女は
今、幸せに違いありませんでした。

 

この世の外に飛び出した彼女には
先ほどのようなトゲを含んだ空気の中を
飛び続ける必要はないのです。

 

私には、一人で暮らしの友人が何人かいます。
一人で暮らしていても家族がいれば、また違い
ますが、家族がいない場合は、友達にもしもの
ことがあっても、私に連絡はきませんし、
私が死んでも友達に連絡はいきません。

 

〇〇ちゃんは、大好きだった場所に飛んできて
これ以上ないほど、幸せで安らいだ気持ちで
いることを伝えてくれたような気がしました。

 

 

 

 

〇〇ちゃん、カウンセリング受けて
あげなくて、本当にごめんね。
でも今は、もうそんな必要がない
ほど幸せだってわかって嬉しい。

 

これからは一生懸命、カウンセリングするよ、
〇〇ちゃんにしてあげたかったように……。

 

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生活困窮者たちに無料で食事を提供するグルメなレストラン「Refettorio」

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

 

「レフェットリオ(Refettorio) 」の創設者
マッシモ・ボットゥーラシェフ(写真/「Forbes JAPAN」)

 

 

「チャリティーではなく、文化的なアクション」

前回、日本で年間8000億円もかけて食品廃棄物
を処理しているお話をしましたが、今日はそれ
を廃棄物にせずに利用する素敵なレストランを
御紹介します。

 

パリのシックな界隈にあるマドレーヌ寺院
の地下のレストラン「レフェットリオ」は
食品廃棄物になる食品を調理して路上
生活者や難民たちに無料で提供しています。

 

レフェットリオは、フードロス問題に取り組ん
でいる「オステリア・フランチェスカーナ」の
オーナーシェフ、マッシモ・ボットゥーラさん
の提案によるもので、1号店は2015年にミラノ
にできました。

 

 

 

 

彼は、2016年「世界ベストレストラン50」で
世界1位、ガストロノミーの頂点に立つシェフで
あると共にフードロスに対しても積極的に行動。

 

国際連合食糧農業機関の算定では、現在
世界で年間13トンのフードロスが出ており、
8億1500万人の人が飢餓に苦しんでいます。

 

廃棄される食品を使って飢餓に苦しむ人を
なくすことはできないか、と彼は考えました。

 

 

 

 

レフェットリオについて彼は
「チャリティーではなく、文化的なアクション」
と語ります。

 

このプロジェクトはドキュメンタリー映画
『ライフ・イズ・シネマ』になり、また食品
廃棄問題をテーマにした映画『Wasted! The
Story of Food  Waste』にも出演。

 

残念ながら日本ての公開は未定だそうですが。

 

 

パリの「レフェットリオ」
(写真/「Forbes JAPAN」)

 

 

 

 

スーパーへ売れ残り品を仕入れに

2018年3月にオープンしたパリにある
「レフェットリオ」は、ミラノ、モデナ、
ボローニャ、ナポリ、リオデジャネイロ、
ロンドンで展開する、同じコンセプトの
お店を合わせると7店舗目となるお店。

 

昼間は一般客向けの有料レストランで、夜
は路上生活者を対象とする無料レストラン、
月に数回は世界中からマッシモさんの友人
である著名なシェフも料理を作ります。

 

パリ「レフェットリオ」のシェフは、フランス
の首相府の厨房で見習い料理人をしていた
マキシム・ボナブリー・デュバルさんです。

 

 

「レフェットリオ」のスタッフ
マキシム・ボナブリー・デュバル(写真/「Brut Japan」)

 

 

火曜日の朝は特にお肉を調達しにスーパー
へ行き、火、水、木曜日の3日間はお肉を、
残りの2日はヴェジタリアンメニュー。

 

スーパーの担当者は、彼の質問に
「なんでもあるよ! ステーキ肉と
ハラールのサーロイン、カルパッチョ用
ヒレ肉、そしてもちろんイベリコ……」

 

と次々にブロック肉を示し、その日
彼は45kgものお肉を仕入れました。

 

 

 

 

ついでにお米も足りないからと尋ねると
開き口が開いてしまって販売できない
お米を、6か月分ほど渡してくれました。

 

仕入れた食品をソーシャルレストラン
「レフェットリオ」に運んで収納。

少し休憩をした後、彼は夜に再び戻って来て
同僚とメニューを考えて一緒に作ります。

 

 

 

 

 

週500kgのフードロスから美味しい食事を提供

フランスでは2016年から、面積400㎡以上
の大型店は、期限切れ直近の食品は慈善
団体へ寄付することが義務づけられました。

 

果物と野菜は、フードバンクから毎朝配達さ
れ、彼は週に500kgの食品ロスを手に入れて
利用し、お客さんに食事を提供しています。

 

彼(マキシム)とソレーヌはレフェットリオ
のスタッフで、その他約15人のボランティア
が厨房とサービスを分担。

 

 

 

 

実はこのボランティアが大人気で、ボラン
ティアを希望する人は、毎日ウェブサイト
をチェックし、急遽空きが出たとわかると
仕事を切り上げて来るほど、なのだとか。

 

 

 

美しさを強調し、自尊心を取り戻せる場所に

マキシム
「毎日80人から100人のお客さんが食べにきます。
ほとんどは社会参画できない不安定な状況に
ある人たちです。
お客さんたちに夕ご飯を食べてもらうため
ボランティアの力を借りて料理を作っています」

 

 

「レフェットリオ」のスタッフ、ソレーヌ・ガラー
(写真/「Brut Japan」)

 

 

ソレーヌ・ガラー レフォットリオ副料理長
「素敵な空間を作りました。
美しさを強調しています。
特別な場所だと感じられるように。
生活が不安定でも、孤立した状況でも。
みんなでシェアして食品ロスも減らし
美しさを強調しながら、彼らが自尊心を
取り戻せられる場所なのです」

 

ボランティアたちは
「仕事で数字ばかり見ている毎日ですが
ここには、本当の人と人とのふれあいがある」

 

「美しい建物の中でみんなが幸せそうに
食事をしている、この空気が好き。
自分が浄化された気持ちになる」

 

 

 

終了後、キャンセル分のお料理を分け合う
ボランティア パリ「レフェットリオ」
(写真/「Forbes JAPAN」)

 

 

発案者のマッシモ
「私は忙しくなったが、訪れるたびに
とても大切なものを受け取っている。
自分は取るに足りない存在だと思って、
無表情だった人たちが、自分は価値ある存在
だと感じられるようになり、徐々に笑顔を
取り戻していくこと、その様子を見るのが
何よりも嬉しい」
(参照/「Brut Japan」「Forbes JAPAN」)

 

 

「レフェットリオ(Refettorio) 」の創設者
マッシモ・ボットゥーラシェフ(写真/「Forbes JAPAN」)

 

 

 Viva Italia!

ここまで書いて、そういえば……と
思いだしたことがあります。

 

イタリアの最高裁は、2016年5月12日に
「何も食べられないような苦しい状況で、
少量の食べ物を盗むのは犯罪ではない」

という判決を下していたことを。

 

36歳のホームレスの男性が1本のソーセージ
とチーズを盗んだ罪で逮捕され、2013年に
懲役6か月の実刑判決が言い渡されましたが
最高裁が、この有罪判決を覆したのです。

 

 

 

 

「飢えをしのぐために少量の食物を
盗むことは、犯罪には当たらない」

 

「窃盗が起こった時、被告は今すぐに
でも何かを食べなければ生きていけ
ないような状態にあった。
必要に迫られた行為であることは明白だ」
とのコメントを最高裁が出しています。

 

それに少し前にお知らせしたように
イタリアは精神病院もなくしたのでしたね。
「精神病院をなくしたイタリアと、
世界の精神病床の1/5を有する日本」

 

 

毎年、8月6日にローマ・パンテオン前
で行われる原爆の日の式典
(写真/「藤村シシン1/7映画ミューズアカデミー」」)

 

 

また日本人の多くの人は知らないようですが
毎年8月6日には、ローマのパンテオン前で
原爆記念日の式典を行っていますし……、
「イタリア大使館と、ローマで行われて
いる日本人への式典を知っていますか?」

 

イタリアってすごいですね。
イタリアといえば文化、芸術という言葉に
素晴らしい芸術作品が思い浮かびます。

 

しかし、その底流にはこのような思想や
哲学、そして人間性が脈々と流れている
からこその芸術作品なのかもしれません。

 

 

 

 

「レフェットリオ(Refettorio) 」の創設者
であるマッシモ・ボットゥーラシェフがいう
「チャリティーではなく、文化的なアクション」
なのです。

 

チャリティーや施しではなく、「文化的な
アクションで」あるという言葉に、イタリアの
文化の厚みと底知れぬ成熟度が垣間見えます。

 

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