ベジタリアンタコライス「イート・モア・グリーンズ」麻布十番

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

161014eatmoregreens

 

 

今年、3月12日リニューアルオープン

麻布十番パティオにある「カフェ  ラ・ボエム」は
前回、ご紹介しましたが、今日はそこから少し
麻布十番駅の方に歩いたところにあるお店です。

 

ベジタブルカフェ&ベーカリーのお店で
「イート・モア・グリーンズ」という名前で
麻布十番駅の4番出口から146メートルと書いて
ありますが、まあ、歩いてもすぐということ。

 

営業時間は、基本はランチの11時半から夜の23時。
土日祝は、 8:30〜11;30  までモーニングがあり、
それ以外は、

 

11:30〜15:00 ランチ
15:00〜17:30 ティータイム
18:00〜23:00 ディナー(ラストオーダーは22:00)

 

(「イート・モア・グリーンズズ
(Eat  more  greens)」
106-0045  港区麻布十番2丁目2-5
フレンシア麻布十番サウス1F
03-3798-3191
営業時間:11:30〜23;00  お休み:年末年始)

 

 

azabu前回の「カフェ  ラ・ボエム」(I)
「イート・モア・グリーンズ」は(J) 

 

 

 

前のお店「ドーナツブラント」と同じ経営

今年の初め頃、工事をしていたので別のお店に
変わるのかな?、と思っていたのですが、
うではなく改装工事だったようです。
3月の12日リニューアルオープンしました。

 

この場所は以前「ドーナツブラント(DOUGHNUT
PLANT)」という合成着色料・保存料・化学調味料・
人工甘味料は使用しない、自然素材にこだわった
手づくりドーナッツのお店がありました。

 

その後「イート・モア・グリーンズ」ができたの
ですが、「ドーナツブラント」と「イート・モア・
グリーンズ」は同じ経営だそうです。

 

「イート・モア・グリーンズ」は、肉や魚の他、
卵も使用せず、主に植物性の素材を使った
お料理を提供してくれるのが特徴です。

 

 


161014toumorokoshityaトウモロコシのお茶「イート・モア・グリーンズ」

 

 

 

ステーキだけではないアメリカ

肉食をしないベジタリアンの中でも、動物性食品を
一切食べない人を「ビーガン」といいますが、

 

そのような人とベジタリアンではない人が
ともに食事を楽しむことができるように
と考えられたのがこのお店出そうです。

 

「イート・モア・グリーンズ」の前にあった
「ドーナツブラント」を日本に持ってきた
後藤順・ビッグイーツ代表。

 

 

 

 

彼が「ドーナツブラント」をオープンするために
ニューヨークに通っていた時に出会ったのだとか。

 

アメリカというと、ステーキをイメージすることが
多いものの、実際には食に関してかなりストイック
な意識を持った人たちがいるのも事実です。

 

1994年にニューヨークに「ドーナツブラント」を
オープンしたオーナーのマイク・イズリアル
もその一人でした。

 

 

161014eatmoregreensベジタリアンタコライス「イート・モア・グリーンズ」

 

 

 

911後のニューヨークで人気に

美味しさの追求だけではなく、食の安全に心を配る人々。
そして、9・11  はニューヨークの食生活に
一層の変化がもたらしました。

 

それまでの、宗教的な動機からのベジタリアンという
選択が。平和を願う気持ちの表れとしてのベジタリアン
やオーガニックという食生活に繋がっていきます。

 

ライオンは他の動物の肉を食べ、
シマウマは植物を食べ動物を殺さない。

 

人間も動物の肉を食べることなく、野菜や果物を
食べて人を攻撃せずに平和に暮らそうとの考え方。

 

そのような流れから、ニューヨークには
ベジタブルカフェや、オーガニックカフェ
が増えているといいます。

 

 

 

 

 

ベジタリアンも、そうでない人も

とはいえ東京では、まだそこまではいっていないと
考えた後藤代表取締役は、ベジタリアンだけではなく
それ以外の人も、一緒に楽しめるお店を作ろうと。

 

例えば、パルメザンチーズも乳製品ですので
それ以外のもので作った、代替品を使用するなどの
工夫をしている「イート・モア・グリーンズ」は
麻布十番のベジタリアンカフェとして
有名になって行きます。

 

「ドーナツブラント」と「イート・モア・グリーンズ」
を手がける会社は、後藤順代表が2002年に設立し、

 

「ドーナツブラント」は国内16店舗、レストランや
カフェの経営で、2010年3月期には
売上高15億8千万を計上。

 

 

 

 

 

破産→他の会社へ譲渡

しかし、そのわずか3年後の2013年には
東京地裁へ自己破産を申請するに至り
破産手続きの開始決定を受けています。

 

現在の「イート・モア・グリーンズ」の経営は
2012年に設立された、渋谷の「株式会社
DOUGHNUT  PLANT  TOKYO」(井関貴博代表他)
に引き継がれているようです。

 

破産申請のことも、他の会社へ移譲したことも
お店を見ている限りでは全くわかりませんでしたが
一つのお店を続けていくということは
やはり大変なことなのですね。

 

 

 

ロゴ「豆と葉っぱ」 +   新ロゴ「星」

リニューアル後は、以前お店の外側にあった
「イート・モア・グリーンズ」のロゴが
新しいものに変わっていて、前からの
ものは見当たりません。

 

 

eatmoregreens「イート・モア・グリーンズ」ロゴ

 

 

このロゴは「イート・モア・グリーンズ」を作った
後藤順代表が、もっと野菜を食べようというコンセプト
を込めたもので、「greens」の「g」は、豆が空に
向かって伸びている様をイメージしたものだそう。

 

葉っぱフェチの私としては、このロゴが好きでしたが
新しいものは、このように星をデザインした
シンプルなものになっています。

 

 

eatmoregreensnew「イート・モア・グリーンズ」新ロゴ

 

 

リニューアル後、お店の外側には葉っぱのロゴは
消えましたが、店内には最初からのロゴもありますし
食器にもついていますので、変更というよりは
新たなロゴが加わったということのようです。

 

 

161014toumorokoshityaカップについている「イート・モア・グリーンズ」のロゴ

 

 

前の会社の後藤順さんが蒔いた種が
麻布十番で芽生えています。

 

たとえ育てる人は変わっても
スクスク育っていくと良いですね。

 

育てるのはオーナーやスタッフだけではなく
お客さんもなのかもしれません。

 

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ハンドドリップコーヒーとアップルパイ「カフェ ラ・ボエム 麻布十番」

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

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「ラ・ボエーム」ではなく「ラ・ボエム」

久しぶりに会ったお友達と、これまた久しぶりの
「カフェ  ラ・ボエム」に行きました。

 

私は今までずっと「ラ・ボエーム(LA  BOHEME)」
だと思っていたのですが、カタカナ表記ですと
「ラ・ボエム」なのですね。

 

(「カフェ  ラ・ボエム」
 港区麻布十番2丁目-3-7
 グリーンコート麻布十番1Fと2F
 03-6400-3060  営業時間:11:30〜5:00
 年中無休)

 

営業時間が凄くて、なんと11時30分~5時00分まで。
午前の11時30分は、そろそろランチが始まる時間と
わかりますが、終わる時間が5時というのは驚き。

 

もちろん、夕方の5時ではありませんよ。
夕方の5時を通り越して、翌朝の5時ということ。
終電を乗り過ごしてしまっても大丈夫というお店です。

 

 

160927laboheme麻布十番パティオから見た「カフェ  ラ・ボエム」

 

 

 

年中無休で中休みもなし

それだけではなく、ランチが終了してから
ディナーまでの休憩時間がないことにも
今回、初めて気づきました。

 

そういえばいつ行っても開いていて、歩いている
時にぶらっと入ったことも度々ありましたし
考えてみますと閉まっていた記憶は皆無です。

 

となれば「カフェ  ラ・ボエム」が年中無休という
ことはとうに気づいていて良いはずなのに、今まで
わからなかったとは、本当に何も考えずに生きて
いるのだなぁと、我ながら驚いた次第。

 

 

agemotiyapatio「あげもち屋」

 

 

 

近くに「ドミニク・サブロン」があったことも

そんな健気な「カフェ  ラ・ボエム」が、いつ
麻布十番のパティオ前にできたのかといいますと
今から13年前の2003年の5月のこと。

 

すぐそばにある、現在は「伊太利屋」になっている
お店が、ほぼ2年毎に変わっていることは
御紹介しましたがそれと比べるとかなり長いですね。

 

「ドミニク・サブロン」→「あげもち屋」→「伊太利屋」
とお店が変遷してきた場所は、次の地図では(A)の場所。
今日、御紹介の「カフェ  ラ・ボエム」は
少し右の(I)になります。

 

 

azabu
A
が「ドミニク・サブロン」→「あげもち屋」→「伊太利屋」
 I が「カフェ  ラ・ボエム(CAFE  LA  BOHEME)」

 

 

お隣同士というわけではありませんが、かなり近い場所
ですので「ドミニク・サブロン マルシェ・エ・カフェ」
と「カフェ  ラ・ボエム」は、少々かぶって
しまったのでしょうか?

 

店内のインテリアも赤と黒を基調として
いるのも、両店舗とも同じでしたし。

 

とはいえ「ドミニク・サブロン」の方は
パンで有名なお店でもあり、それに併設
されているフランスのカフェです。

 

一方、「カフェ  ラ・ボエム」は早朝5時
まで開いているイタリア料理のお店です
から、個性は違っていますよね。

 

 

dominiquesaabron「ドミニク・サブロン」

 

 

 

グローバルダイニング

「ドミニク・サブロン」はフランスの会社ですが
「カフェ  ラ・ボエム」はイタリア料理のお店
ではありますが、経営しているのは日本の会社。

 

1973年10月に設立された有限会社、長谷川実業
が後に現在の 株式会社グローバルダイニング
(GLOBAL-DINING, INC.)となり
港区の南青山に本社を置いている会社です。

 

イタリアンに限らず、創作和食、エスニック、
チョコレートのお店と食に関する幅広いお店を展開し
イタリアンの「カフェ  ラ・ボエム」15店舗をはじめ
海外店舗3店を含めて55店舗を有しています。
              (2016年10月現在)

 

 

160608applepieハンドドリップコーヒーとアップルパイ「カフェ  ラ・ボエム」

 

 

 

モンスーンカフェも姉妹店

麻布十番パティオから2、3分といった場所に
エスニックレストランの「モンスーンカフェ」
というお店があるのですが、そちらも同じ
グローバルダイニングの経営のお店だそうです。

 

(「モンスーンカフェ 麻布十番」
 港区麻布十番1丁目7-5 フェスタ麻布 6F
 03-5775-6900)

 

「モンスーンカフェ 麻布十番」は、2001年12月に
できていますので、「カフェ  ラ・ボエム」より
少し先に麻布十番にデビューしたのですね。

 

 

coffee(写真/「カフェ  ラ・ボエム」)

 

 

 

いつのまにか、ハンドドリップコーヒーに

少し前は「カフェ  ラ・ボエム」にはかなり行って
いたのですが、最近はめっきり御無沙汰をしていて
今回は本当にしばらくぶりでした。

 

「カフェ  ラ・ボエム」に行く直前に、
東京ミッドタウンでランチをしていたので、
私はコーヒーにアップルパイで、お友達は
なんだったかなぁ……(ヒドイッ!
でもアップルパイは彼女と半分こしたよ)

 

すぐコーヒーが運ばれてきたのですが
なんと空のコーヒーカップです。

 

ウエイトレスがカップの上に、挽いたコーヒー
の入っている、ドリッパーを置いてから
おもむろにお湯を注ぎ始めました。

 

 

130213ebiテナガエビではありませんが……

 

 

「え〜っ!、前からそうでしたっけ?」
久しぶりに来て忘れてしまったのかと思って聞いて
みましたら、最近、変わったとのことでした。

 

お客さんである私たちは面白くて楽しいですけど
スタッフの方は大変ですね、と私が言うと
彼女はコーヒーを注ぎながら笑っていました。

 

最近のトレンドである「サードウェーブ・コーヒー」
の流れを汲み、上質な豆の中でも生産地や
処理方法が明確、かつブレンドされていない
「シングルオリジン」のコーヒー豆を使用し、

 

一杯ずつ真心を込めたハンドドリップの
「スペシャルコーヒー」の提供を
始めたということのようです。

 

一緒に頼んだアップルパイともども
とても美味しいコーヒーでした。

 

一時期メニューになかった私のお気に入りの
テナガエビのパスタが復活しているよう
ですので今度、試してみなければ。

 

 

160927laboheme昼間の「カフェ  ラ・ボエム」

 

 

 

「株式会社グローバルダイニング」

「カフェ  ラ・ボエム」を経営しているこの会社ですが
ここで働くのはちょっと面白そうですよ。

 

「民主主義」を企業経営に取り入れて、徹底した
情報公開により、働いている人は、知りたいと
思ったことは何でも知ることができるそうです。

 

決定事項への参加は、社長の1票も20代の店長の
1票も等価であり、昇級や昇格、異動も全て
自己申告制で、人が人を評価をすることがない、
つまり人事部が存在しない会社なのだとか。

 

私は会社というものについては、そもそも知識自体が
ないのですが、それでもサイトに書かれている
事柄にはちょっと驚きました。

 

 

cafelaboheme夜の「カフェ  ラ・ボエム

 

 

 

80歳まで応募が出来ます!

その上、応募要項を見てみますと、生年月日を記入する
ために選ぶ数字は「2001年〜1936年」まで出てきます。
1936年生まれといえば、現在80歳ですよ。

 

確かに個人差がありますので、年齢だけで仕事を制限
するのは、本来はおかしいことなのかもしれません。

 

グローバルダイニングの、応募要項の年齢に関する
ことだけでも、ひと味違った会社という感じがして
私が今、学生だったら是非、この会社でアルバイト
をしてみたいです(80歳までだったら今でも可!?)。

 

 

imgres

 

 

 

多くの会社がそうなるといいですね

代表取締役、CEOは1950年生まれの 長谷川  耕造さん。
2012年には「カフェ  ラ・ボエム」の進化形「LB6」
を六本木にオープンしたということです。

 

確かに「カフェ  ラ・ボエム」はリーズナブルで嬉しい
のですが、その進化形ということは、「LB6」は
超高級なのかな?、と見てみましたら、そうでも
なさそうなので、こちらもいつか行ってみたいです。

 

たまたま昨日、「65歳以上の非正規労働者1万3千人、
一斉解雇を認める控訴審判決(採用時になかった
65歳定年制が突如導入されたために、雇い主である
日本郵便に雇用の継続等を求めていた裁判)」

 

などというツイッターを見ていたもので、グローバル
ダイニングのこの姿勢にはいたく感服した次第です。
これからも贔屓にしちゃうぞい!

 

 

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「総本家 更科堀井」麻布十番 

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

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創業227年「総本店  更科堀井」

「エッグシェル  kaori」という卵の殻のように薄い
ぐい飲みのお店「はせがわ酒店(G)の通りを麻布
十番駅とは反対の六本木ヒルズの方に、少し行った
ところにあるのが「総本家更科堀井(H)」です。

 

(「総本家  更科堀井」
 港区元麻布3丁目11-4  03-3403-3401
 営業時間:11:30〜20:30   年中無休)

 

「総本家  更科堀井」については、少し前に
「麻布にある3つの更科そば『総本家  更科堀井』
『永坂更科布屋太兵衛』『麻布永坂更科本店』」

書きましたのでここでは簡単な御紹介にしましょう。

 

 

azabu「総本家  更科堀井」(H)

 

 

 

1875(明治8)年 「布屋」→「堀井」

二の橋の近くにあった飯野藩保科家上屋敷に逗留して
いた信州出身の布屋太兵衛の打つ蕎麦が、美味しいと
評判になり、藩主のすすめにより1789(寛政元)年、
麻布永坂に「信州更科蕎麦処  布屋太兵衛」を開店。

 

1941(昭和16)年、戦時下の金融恐慌などのあおりを
うけ、一度は休業を余儀なくされたものの1984
(昭和59)年に復活し現在に至っています。

 

現在の「総本家  更科堀井」の当主は
9代目の堀井良教さん。

 

 

 

 

「布屋」が「堀井」に変わったのは
1875(明治8)年の名字必称の令により
屋号「布屋」を「堀井」に改めたことによります。

 

こちらの本店の他に、立川伊勢丹内
に支店があるそうです。

 

私は大学が立川にありましたので、伊勢丹
には随分行きましたが、その当時(大昔)
はありませんでした。
いつ出来たのでしょうね。

 

 

sarasisnahorii明治10年頃の「永坂更科布屋太兵衛」
現在の「総本家  更科堀井」

 

 

 

脚気によいお蕎麦は江戸で人気に

そんな私のことはどうでもいいのですが
「総本家  更科堀井」が創業された江戸時代、
お蕎麦は今に劣らず人気の食べ物で、江戸市中
には、3,4百軒ものお蕎麦屋さんがあったそう。

 

ビタミンB1の不足で起こる脚気(かっけ)は
白米を主食にすることが出来た階層の人に多い
症状で、「江戸患い」とも呼ばれる病気でした。

 

そこで脚気に効くというお蕎麦が
食べられるようになったのです。

 

男性の多かった江戸では、すぐに食べることの
出来るお蕎麦は、今でいうとファーストフード
のような感じだったかもしれませんね。

 

しかも美味しくて栄養があるとなったら
流行らないわけがありません。

 

 

160713gozensoba

 

 

 

白いお蕎麦「さらしな」

当時のお蕎麦はどこでも、そば粉
100パーセントで打っていましたので
お店の味の特徴といえば蕎麦つゆ。

 

どのお店でも同じような蕎麦という中で
「総本家  更科堀井」の前身「信州更科蕎麦処
永坂更科布屋太兵衛」は、そばの実の芯の粉で
打つ、白い蕎麦「さらしな」を編み出します。

 

素麺と見紛うような白さと、やさしい舌触りの
「さらしな」は、そばの実の芯(胚乳)
が割れたものを、細かくふるったさらしな粉
と小麦粉で作られたお蕎麦です。

 

 

sarasinahoriisakisai 秋菜(あきさい)「総本家  更科堀井」

 

 

 

「色変わりそば」

当時は江戸城や大名屋敷にも出入りを許されて
御前に供する名誉も賜る一方、そば好きの
江戸っ子達にも親しまれていたお店でした。

 

お蕎麦を目籠に詰めたお土産が大人気となり
同様のものがあちらこちらで売り出され
各地に「更科」が増えていったといいます。

 

また、さらしなそばに旬の素材を打ち込んで
四季折々の味を作り出した「色変わりそば」
も忘れてはならないもの。

 

9月22日から10月9日は「菊切」、
10月10日から31日までは「くこ切」と
「総本家  更科堀井」のサイトにありますが
あのお薬のような「クコ(枸杞)」が
どのようなお蕎麦に変身するのでしょう?

 

 

blog_import_515365eaa68d4お薬チックな「クコ(枸杞)」

 

 

 

江戸時代から来た人?

先月の末に「総本家  更科堀井」へ行ったときのこと。
強い雨が降りしきるわけではないのですが
一日中はっきりしないお天気の夕暮れ時でした。

 

そのような日でも「更科堀井」は
お客さんがたくさんいます。

 

私はお店で蕎麦を頂かずに持ち帰ることが
多いのですが、その日もそれをお願いして
注文のおそばが出来るのを待っていました。

 

 

広重「麻布古川、相模殿橋、広尾之原 四の橋」

 

 

お店には、普通のテーブル席の他に、中央
にはお花が飾られた大きな丸いテーブルがあり
それを取り囲む形でお客さんが座ります。

 

それぞれ一人ずつきていると思われる
お客さんの間の空席に、私はつきました。

 

二人とも男性で外国の人。
「総本家  更科堀井」には、外国のお客さんも
多いためなのでしょう、英語で書かれた
「お蕎麦の食べ方ガイド」なるものもあります。

 

 

160919sobatabekata 英語で書かれた「お蕎麦の食べ方」

 

 

私の両側の席の二人の外国人男性は、共に
スマホを片手にお蕎麦を食べていました。
驚いたのはその雰囲気です。

 

板についているといいますか、何とも自然な感じ。
思わず江戸の人ではないのかしら?、と
見紛うばかりのお蕎麦の召し上がり方でした。

 

「箸の使い方が上手ですね」などとは
冗談にも言えないほどの箸さばきで、その仕草
は日本人よりもはるかに様になっていたほど。

 

 

160919sarasinahoriisobaもりそば「総本家  更科堀井」

 

 

これは絶対、昨日今日、お蕎麦を食べた
というビギナーではありません。

 

まあ、外国人といっても日本で生まれ育った方も
いらっしゃるでしょうからで、子どもの頃から
「更科堀井」に通っていたということもありえますが。

 

右側の男性は温かいお蕎麦で、左はそうでないお蕎麦。
見ない振りを装いつつも、両方の視界に入る彼等を
見ているうちに私のお蕎麦ができあがってきました。

 

 

広重「赤坂桐畑雨中夕けい」

 

 

最初から最後まで、極々普通の蕎麦好きの
江戸っ子が、薄い鼠色になりつつある雨催いの
夕暮れ時、いつものようにおそばを食べている
といった風情の、何と様になっていたことか!

 

いうまでもなく、彼等は私より数十倍も
お蕎麦が似合っていたのです。

 

驚きが心の中で飛び跳ねている私は
来る時と違って、何とはなしに
嬉しい雨の帰り道となりました。

 

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