「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!
随分前に買ったのですが
今日の写真の「マロングラッセ」は
かなり前に、赤坂店ではなく青山一丁目店
の方の「やまや」で買ったものです。
御覧になっておわかりのように
形がきちんとしていないブロークンタイプ。
このタイプのものは何度か買ったことは
あるのですが、今回、はじめてフタバ食品
株式会社のサイトを見てみると、
この「マロングラッセ」は
イタリア産の栗でできているそうです。
ニンジンのグラッセと同じ「グラッセ」
「マロングラッセ」という名前の
後半の「グラッセ」とは、フランス料理
で使われる言葉ですね。
本来は、凍らせる、冷やすという意味
だそうですが、凍らせたり冷やしたりすると
表面がツヤツヤするからでしょうか、
つやをつけるという意味もあるそうです。
そういえば付け合わせに使うニンジンなど
のお野菜を、バターとお砂糖などで煮たものを
ニンジンのグラッセ、と呼んだりしますよね。
つまり「マロングラッセ」は、ニンジンの
グラッセのグラッセ、と同じ意味なのです。
マロンはマロニエの実
「マロングラッセ」の「グラッセ」のもう一方の
「マロン」については、もう説明の必要もなく
栗のこと、と思いますよね?
ところが、「マロン」については
少々ややこしいようです。
フランス語では本来、
「マロン(marron)」は
マロニエの実を指す単語でした。
マロンの実がなっているところ
(写真/「初・海外がさがさ団!」)
マロニエは、トチノキ科トチノキ属の
「marronnier セイヨウトチノキ」。
マロニエになる実がマロン。
葉っぱはこんなふうな感じね。
マロングラッセは
マロニエの実(マロン)でつくっていた
もともと「マロングラッセ」はマロニエの実、
マロンで作っていたといいます。
ところがマロンはアクが強くて
アク抜き作業が大変でした。
(といいますか、アクがとても強いもの
だからこそ、何日もかけてシロップを
浸透させる「マロングラッセ」が考え
られたともいえるのかもしれませんが)
フランスのクリ(シャテニエ)の花
(写真/「月刊・朝比奈ふらんす語」)
マロンのかわりに、クリ(シャテーニュ)を
代用し、マロンと呼ぶことに
そこで、マロンで作っていた「マロングラッセ」を
フランスのクリで代用するようになったのです。
フランスのクリの実は、シャテーニュ、
木はシャテニエ(châtaignier)というようです。
シャテニエになる実が、シャテーニュ。
こちらはブナ科クリ属の木です。
「châtaignier、ヨーロッパグリ」。
こちらのクリは、日本のクリと
そっくり(←シャレではない)。
本来、マロニエの実のマロンで作っていた
「マロングラッセ」を、「クリ(シャテーニュ)」
で作るようになったことから
クリ(シャテーニュ)も「マロン」
と呼ぶようになりました。
上がマロニエの実のマロン、下がクリ(マロン)
(写真/「ドルドーニュ日和」)
イガの中の実が1つのものを
「マロングラッセ」に使う
というところまでは、まあいいのですが
この上に、また混乱をするような事実があります。
そのクリのイガの中に、クリが1つあるものと
2,3個入っているものを、呼び分けるのです。
イガの中に2.3個入っているクリは
先ほどのシャテーニュ(châtaignier)
とそのままです。
ところが、マロングラッセに使う、
イガの中に1つの実が入っているものを
マロン(marron)と呼ぶのです。
ちょっとややこしいので整理してみましょう。
1 最初は、マロニエの実のマロンで
* 「マロングラッセ」作っていた
2 アクが強いのでクリ(シャテーニュ)で
* 代用するようになったことから
* クリ(シャテーニュ)もマロンと
* 呼ぶようになった
3 マロンと呼ぶようになったクリ(シャテーニュ)
* をまた、イガの中の実の数によって呼び分ける
* —— シャテーニュ(実が2.3個入っている)
* —— マロン (実が1つのもの)
* こちらでマロングラッセを作る
*〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
*マロニエの実 → クリ(シャテーニュ)
*「マロン」 「マロン」
* _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
イガの中に
* 実が2,3個 = シャテーニュ
* 実が1個 = マロン
*〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そして現在、「マロングラッセ」を作って
いるのは、マロニエのマロンではなく
クリの木のマロンで作っているというわけでした。
(参照/「フランスの食ネタ帳」
色々調べてみましたが、シャテーニュの
表記及び、内容がかなり様々でした。
こちらが一番信頼できるように思われ
ましたので参考にさせていただきました)
なぜ同じ「マロン」という名前にしたの?
ふ〜っ、ややこしいね。
書き出した時は、こんなことになる
とは思っていなかったよ。
マロニエのマロンの方はオレンジ色にして
クリのマロンの方をピンク色にしてみたのですが。
(私が間違えていなければ……)
ここで疑問なのですが、箇条書きにした「3」
のところで、イガの中の実の数によって
別々の名前にした時になぜ、マロンなどと
いう、ややこしい名前にしたのでしょう?
イガの中の実が複数のものを、例えば
「三つ子ちゃん」、1つは「一人っ子さん」
等と呼ぶとか何とかできたのではないかと。
ですが、この名前を決めた人がいるわけでは
なく、自然にそう呼ぶようになったのでしょうね。
言葉は生きていて変化する
同じ「マロン」という言葉ではややこしい、
と思うのは、私が実際にそれらにかかわって
いない人間だからです。
マロニエのマロンの代用に、クリを使うように
なった時もそれをマロンと呼ぶようになりました。
またクリの中でも、イガの中に1つ実がある
ものだけをマロングラッセにするため、これ
またマロンと呼ぶようになったというのは
考えてみればあたりまえのことかもしれません。
人間が使い勝手がいいように、ものの名前を
決めていくといいますか、いつのまに
そう呼ぶようになっていくものなのでしょう。
言葉は生きていますからね。
マロニエの実に興味をもってしまったわ
マロニエって昔からおしゃれなイメージだったじゃない
そのマロニエで作ったマロングラッセって素敵♪
時々年配の方への贈り物に使うけど、私はあまり得意じゃないの(笑)
マロニエの実って、名前を知ったのは随分後のこと
だったけど、可愛くてすっごく好きだった、葉っぱも好き。
当然、食べられるものだとも思っていたし。
それにしても今は食べないっていうのはすごくもったいない
気がする、前は食べていたんだから。
私はマロングラッセを作ったことはないんだけど
結構、大変そうだよね。
マロニエで作るマロングラッセは、きっともっと大変
なんだとは思う。
でも、日本でも縄文時代にはドングリを灰汁抜きして
食べていたんだから、食べようよ、食料危機だし。
って、誰に言ってんだか。
ナッツ好きの私には、どう考えてもマロニエの実
(本当のマロン)は美味しそうに見えて仕方がない。
マロングラッセにしない別の調理法だってあるような
気がするんだけど、とまだ言っている……。