スティーブ・ジョブスが愛した赤坂「青野」『ジョブスの料理人』

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

150114hanabiramoti         『花びら餅』 赤坂「青野」

 

 

『ジョブス』の料理人

前回は、赤坂「青野」の2月の上生菓子『椿』を御覧いただきました。
今日はそんな赤坂「青野」をこよなく愛した人の御紹介です。

 

それは4年前に亡くなったスティーブ・ジョブス。
彼がいかに赤坂「青野」を評価していたかということが、

 

やはりスティーブ・ジョブスのお気に入りだった
佐久間俊雄さんという寿司職人の方の本に記されています。

 

 

130215ugusiro         『うぐいす』 赤坂「青野」

 

 

その本とは「『ジョブズの料理人』(日経BP社出版局著)
寿司職人とスティーブ・ジョブス、シリコンバレーとの26年」。

 

この本は佐久間俊雄さんが直接お書きになったものではなく
2011年10月、スティーブ・ジョブスの亡くなった直後から始まった、

 

佐久間さんへのインタビューを記者がまとめたものです。
2013年の12月9日に出版されました。

 

 

130317aonosakura         『桜(つぼみ)』 赤坂「青野」

 

 

 

シリコンバレーの懐石料理専門店「桂月」

佐久間俊雄さんこと、トシさんは1979年に渡米し
1985年にカリフォルニアで「スシヤ」というお店を持ちます。
1994年にはシリコンバレーで「トシズ・スシヤ」を開店。

 

そして2004年4月に、同じシリコンバレーで
懐石料理専門店「桂月(けいげつ)」をオープンしたのです。

 

スティーブ・ジョブスは「桂月」の前のお店の
「トシズ・スシヤ」からのお客さんでした。

 

 

130215sakura           『桜餅』 赤坂「青野」

 

 

 

たとえスティーブジョブさんでも

トシさんはシリコンバレーのお店の入口の壁に
お客様への注意書きの紙を貼っていました。

 

そこにはいくつかのことが書かれて
いたのですが、傑作なのがこれ。

 

「お席には到着順にお通ししており、予約がなければ
スティーブ・ジョブスさんにもお待ち頂きます」

 

 

120215nekoyabagi           『猫柳』 赤坂「青野」

 

 

つまりこれは「予約をしていない方は到着順ですよ、
何の例外もなくね」、

 

ということの例に、あのスティーブ・ジョブスさんでも
待っていただきます、とジョークを言っているのです。

 

この注意書きの張り紙をトシさんのお店で見た
スティーブ・ジョブスは笑っていたそうです。

 

 

akasakaaonotuyukusa         『つゆ草』 赤坂「青野」

 

 

 

最後の予約

アップル社デザイン担当の上級副社長、ジョナサン・アイブから
トシさんのお店『桂月』にスティーブ・ジョブスの予約が入りました。

 

予約の内容は、10月6日のランチに2人。
しかし、ここの予約が果たされることはありませんでした。

 

予約の前日の10月5日に、スティーブ・ジョブスは
たくさんの人に惜しまれながら亡くなっていたからです。

 

 

130912usagiakasakaaono          『うさぎ』 赤坂「青野」

 

 

 

「青野に修行に出したらいい!」

スティーブ・ジョブスの日本料理好きは有名ですが、彼は
「桂月」の懐石料理のデザートにだされるおまんじゅうについて

 

「皮が少しかたい」とか
「あんが、いまひとつ」などと感想を漏らしていたそうです。

 

 

stevejobs左がトシさん(佐久間俊雄)
お気に入りの席に座っているスティーブ・ジョブス

 

 

トシさんは、その度に改善を重ねていきました。
そのかいあってか、ある日スティーブ・ジョブスは
こんなことを言ったのです。

 

「だんだんよくなっているが、青野にはまだおよばない」と。

 

 

141125akasakaaonokuri          『栗』 赤坂「青野」

 

 

2007年に、日本の赤坂「青野」のおまんじゅうが気に入ったと
興奮気味に話していたスティーブ・ジョブス。

 

「青野にはまだおよばない」と言った直後に彼は、あたかも
いいことを思いついたとばかりにトシさんにこんな提案をします。

 

「費用は全額負担するから、板前をひとり修行に出したらいい」

 

 

151227akasakamotiaono        『赤坂もち』 赤坂「青野」

 

 

スティーブ・ジョブスに青野に修行に行かないかと
勧められている板前が乗り気になっているのも
トシさんとしては少々複雑な思いがしたといいます。

 

板前が一人いなくなるのは正直なところ
お店としては諸手を上げて歓迎とはいえません。

 

ですが、そこまでスティーブ・ジョブスが勧めてくれる
というのは、やはり嬉しくもあったことでしょう。

 

 

121209satono          『里の秋』 赤坂「青野」

 

 

 

「アップルで働かないか?」

幸か不幸か、日本の赤坂「青野」へ板前を一人修行にだす
という話は実現することなく終わってしまいましたが、後に
スティーブ・ジョブスは別の提案をトシさんにしています。

 

スティーブ・ジョブスは、1994年にトシさんがシリコンバレーに
オープンした最初のお店『トシズ・スシヤ』からのお客さんでした。

 

 

yuzuakasakaaono131116set430           『柚子』 赤坂「青野」

 

 

シリコンバレー2店舗目の懐石料理『桂月』は2004年に開店
していますが、2010年頃になるとトシさん御夫妻は
『桂月』の売却、移転を検討するようになっていました。

 

それを知ったスティーブ・ジョブスは
2011年3月にトシさんに言います。

 

「アップルで働かないか?」

 

 

141125aonomomijirosenthakmateki          『もみじ』 赤坂「青野」

 

 

 

2011年  10月5日、6日、7日

その数カ月後の7月にスティーブ・ジョブスが『桂月』を
訪れたのが、彼の最後の来店となってしまいました。

 

翌8月、スティーブ・ジョブスはアップルのCEOを退いています。

 

そしてアップル社のジョナサン・アイブから
10月6日、スティーブ・ジョブス、ランチ2人の予約が
入りましたが、それは予約のみで終わりました。

 

 

 

141125akasakaaonokiku          『菊』 赤坂「青野」

 

 

トシさんは「ランチ2人」という予約に、スティーブ・ジョブスは
一体、誰と来るつもりだったのだろう?、と思いを巡らせます。

 

もう、永遠に彼の口からは伝えられることのない事柄を
トシさんはあえて他の人に尋ねることはしませんでした。

 

スティーブ・ジョブスの予約が入っていた
翌日の10月7日、『桂月』は閉店。

 

この日はちょうど、スティーブ・ジョブスの
内々のお葬式だったということです。

 

 

150408kosumosuaono          『コスモス』 赤坂「青野」

 

 




スポンサードリンク



コメントを残す

CAPTCHA